March 21, 2021
●Byron Nelson(バイロン・ネルスン)の3(スリー)パット
'The Little Black Book'
by Byron Nelson(The Summit Publishing, 1995, $20.00)
「私が参加した1935年メトロポリタン・オープンで、私のパットはお粗末だった。私は3パットを15回、4パットを一回した【編註:4ラウンドの合計だと思われます(当然ですが^^)】。この頃はコース毎に芝が異なっていたのだが、私のパッティングに関してはそれは問題ではなかった。問題は私だった。
たまさかの3パットは避けられない。しかし、3パットをしょっちゅう繰り返すようなら、あなたは二つの分野で研鑽を積む必要がある。1) 短いパットの練習、2) ラグ・パット(寄せるパット)の練習。後者はボールを打つ強さに関連する。
あなたがどんなブレイク(切れる度合い)に直面したか、どれだけ上手くラインを読めたか…などはどうでもよいことだ。正しい強さで打たれなければ、パットの成功は望めない。ブレイクするパットでは、ボールがカップに近づくとき転がりを遅くさせねばならない」
Byron Nelson(バイロン・ネルスン)は「カップで息絶える」ようなパットを推奨します。正しい強さで打つことを強調するのはそのためです。
【おことわり】写真はhttps://i.pinimg.comにリンクして表示させて頂いています。
(March 21, 2021)
●Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のパッティング・2
この本は、Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)が新聞・雑誌に寄稿した8年間分の記事を網羅したものです。彼自身は、「これはインストラクション・マニュアルではなく、自分が半世紀にわたるゴルフ人生で学んだ到達点である」と云っています。
'Bobby Jones on Golf'
by Bobby Jones (Broadway Books, 1966, $18.95)
「スタンスやポスチャーをあまりにも注意深くセットすると、スムーズにボールを打つための動作の自由度が失われかねない。だが、次のようないくつかのセッティングは正しく行われるべきである。
1) 屈み込むことなく、かなり直立気味に立つ方がいいのだが、だからといってあまりにもボールの近くに立つのはよくない。ボールの真上に目を置くというセオリーに異を唱えるわけではないが、それよりもっと大切なのはスムーズでコントロールされたストロークを達成することだ。ボールに接近し過ぎると手と腕を自由に前後出来なくなり、スムーズなストロークを妨げてしまう。想定したラインの外にパターヘッドが出ないよう、充分ボールから離れて立つべきである。
2) アドレスでボール位置をスタンス前方(ターゲット方向)にすることも重要である。そうすれば、ボールをターゲットライン上で払うようなストロークが出来る。ボールを右足近くに位置させると、ストロークは“払う”というより叩いたり突いたりになり、気楽さと有効性とを共に失ってしまう。左爪先の前あたりにボールを置いた時にのみ、カップに向かってボールを打ち抜くことが可能になる。パターヘッドはバックストローク、フォワードストロークのどちらでも地面に近く保たれるべきだ。繰り返すが、正しいパッティング・ストロークは突いたり鋭く叩いたりするのではなく、払う動作なのである。
3) 意識的に身体を動かすのは危険であるが、身体を不動にしようと努力すべきでもない。ストローク動作中、筋肉の完全な弛緩状態が望ましい。パットの距離が長くなれば、手と腕だけではなく身体の助けが必要なのは明らかだ。他のショット同様、右足に体重を乗せ続けてはならない。身体の一部だけ使うのではなく、身体全部を一緒に用いるべきだ。
覚えておきなさい。先ずどこへボールを転がすかラインを決定したら、そのラインにボールを乗せる以外のことを考えてはいけない。
頼りになるパッティング・ストロークを身につける最良の練習法は、カップを狙わないでボールを転がすことだ。グリーンや絨毯の上にいくつかのボールを落とし、それを打ちながら行ったり来たりする。カップを狙わないことでラインを見つける必要もなく、パターの動かし方に注意を集中することが出来る。
ボールを叩いたり、突いたりしようという考えを捨てよ。実際のところ、ボールがそこにあるということを忘れるべきだ。あなたの目的はパターヘッドを振ることであり、それを伸びやかに遂行することだ。
アッパーに打つとかオーヴァースピンをかけるとかいった馬鹿げた考えも忘れよ。通常の打ち方で打てばスピンはかからない」
'The Greatest of Them All: The Legend of Bobby Jones'
by Martin Davis (The America Golfer, 1996, $60.00)
この本はBobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の写真を集めて目一杯掲載した豪華本です。グランドスラムを頂点としたBobby Jonesの一生を振り返る内容なので、技術的なことは最後の最後に僅かしか触れられていません。テクニックに関してはBen Crenshaw(ベン・クレンショー)が解説しているのですが、新旧の写真と共にとても示唆に富んだ解説です。以下はBen Crenshawの文を要約したもの。
「Bobby Jonesがグランド・スラムを達成した頃のパッティング・スタイルは、図のようにほとんど両足の踵をくっつけたスタンスで、足をややオープン気味にし、屈まず伸びやかに立っている。
しかし、彼のもっと若い頃はこうではなかった。両足の間隔はやはり狭かったものの、握り拳一つ分ぐらい離れていたし、爪先もオープンではなかった。大きな違いは彼が屈み込んでいたことだった。Bobby Jonesは生まれながらのパット名人ではなかったことが判る。彼は研鑽によってパット名人となったのだ」
私も両足をくっつけてパットしてみましたが、別に目新しい効果はありませんでした。私のパットは右へ出るミスが多いので、クローズ・スタンスを試してみました。悪くはないのですが、凄くよいわけでもありません。長く特訓しないと、本当の効果は判らないでしょうが。
【参考】「Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)のパッティング」(tips_173.html)
【おことわり】写真はhttp://www.myusualgame.com/にリンクして表示させて頂いています。
(Mach 21, 2021)
●ショート・パットの大チョンボ
ある日、アプローチ・パットをうまく寄せられず、何度もギミー(OK)の距離を僅かに越える距離を残しました。われわれシニア・グループは端(はし)た金とは云えお金を賭けたゲームをしているので、勝手にギミーにするわけにはいきません。チーム・メンバーは毎回変わるので、「あいつはこうした」などと陰口を聞かれる恐れもありますから、グリップの長さを超える距離はパット・アウトしなくてはなりません。
で、バーディ・チャンス、パー・チャンスの50〜60センチのパットを三回ぐらいしなければならなかったのですが、それをことごとく外してしまったのですorz。初心者でもこんな失敗の連続はしないでしょう。「絶対入る(筈)」という気の緩みがあったことは確かです。一回目のミスに懲りたため、二回目以降はちゃんと頭と目を残して真剣にストロークしたのですが、それでもミス。全部プッシュでした。待てよ?プッシュということは、頭と目を残したつもりでも、ズルしてルックアップしていたのかも知れません(>_<)。
数日後、短いパットの練習だけを目的にコースへ行き、50〜60センチの距離のパットに集中して訓練を行いました。Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)がパットのスランプに陥った時は、ある日の午後一杯30センチのパットばかり練習して自信を回復したそうです。私は数時間50センチのパットに専念しました。カップの東西南北に一個ずつボールを置き、成功させようと努力します。50センチと云えど、四方に置いたボールのどれかにはブレイクが影響するのでそう簡単ではありません。
(Mach 21, 2021)
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