June 21, 2021
●バンカー・ショット再履修
ここのところずっと私のバンカー・ショットが低迷していました。脱出出来てもかなりショートしたり、ホームランもちらほら。全く誉められません。
オープン・フェース、早期コック、ボールの5〜10センチ後方。全部やっています。しかし、結果にムラがあり過ぎました。何か基本が欠けている気がしていくつかの文献を漁りました。この自分のサイトのバンカー・ショットの主な記事も読み返しました。
・「バンカー・ショットの鍵」(tips_153.html)でButch Harmon(ブッチ・ハーモン)は「通常のフルショットと同じように、下半身のリードでダウンスウィングをスタートする」と云っています。
・「バンカー・ショットの智慧」(同上)では坂田信弘氏が「どんなに短き距離であっても、バンカーは手打ちじゃ出ません。ボディターンが必要です。手先のクラブ操作では、ヘッドを打ち込んで終わり。これをザックリという」と述べています。
最近の私のバンカー・ショットに欠けていた一番の要素はこれでした。下半身のリード、そして腰のターン。私はいつの間にか昔聞いて脳に刷り込まれていた「バンカー・ショットは手打ちでいい」という文句に戻ってしまい、下半身によるスウィングを忘れていたのです。しかし、下半身主導のバンカー・ショットだけでは問題は解決しませんでした。
私は再履修の開始にあたって、先ず「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のバンカー・ショット」(下の記事)にトライしました。
(June 21, 2021)
●Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のバンカー・ショット
'Golf My Way' Jack Nicklausのバンカー・ショットをまとめると以下のようになります。 ・ボール位置は左爪先の前。 |
(June 21, 2021)
●Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の サンドウェッジ選択
'Golf My Way'
by Jack Nicklaus (Fireside Book, 1974)
「サンドウェッジを選ぶ際、フランジ(バウンスとも呼ばれるリーディング・エッジの下に膨らんでいる突縁、図の点線から下の部分)の度合いに注意すべきだ。私にとってフランジの多いクラブは危険である。何故なら、ライが完璧でない場合や砂が湿っている場合、フランジが多いと(ボールの下を打ち抜くのでなく)砂の表面で跳ね返ってしまいがちだからだ。結果:トップ【編註:ホームラン)】。
その理由のほかに、私は芝の上でのピッチングやチッピングにサンドウェッジを使うのが好きなので、私のサンドウェッジのフランジは(多くも少なくもない)中程度のものを使っている」
私は図の3のタイプのサンドウェッジを常用しているのですが、どうもバンカー・ショットが安定しませんでした。上の記事を読んで、その原因はフランジの度合いと私のコースのバンカー(特に砂の層と硬さ)との相性が悪いせいかも知れないと思いました。フランジが固い砂で弾かれている気がしていたのです。手持ちの古いサンドウェッジ二本を調べてみると、図のどれとも合致しないタイプ(どちらかと云えば、図の4に近いタイプ)で、両方ともフランジは少なく、ソールの幅がやや異なるデザインでした。で、これら三本で結果にどんな違いが出るか比較テストしてみることにしました。
テストした日は雨が降った翌日で砂は湿っていました。しかし、雨がなくても私のコースの砂はさらさらではなく、粒子がくっ付き合って重いのです。テストの結果、私が常用しているフランジの多いウェッジは最も失敗が多いことが判りました。固い砂で撥ね返され、ボールを直接打ってホームランが出易い。
ひょっとすると、私にはフランジがない方がいいのではないかと思われました。私の現在のギャップウェッジ(52°)は、ソールはほぼ真っ平らでフランジの幅は他のアイアンとほぼ同じ、バウンスは9°です。フェアウェイでのピッチングやチッピング用に購入したものなので、フランジが少ない方が良かったのです。以前、30ヤードのバンカー・ショットにこれを使ってピン傍に寄せたことが何回かあります。ただ、サンドウェッジ(56°)より4°もロフトが少ないので、短い距離だとどうなるか心配でした。
(June 21, 2021)
●GolfTech(ゴルフテック)のバンカー・ショット
Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)メソッドのバンカー・ショットを試しても目覚ましい進歩がなかったので、次に試したのがこれです。
これはインストラクター集団GolfTech(ゴルフテック)が'Golf Magazine'誌と提携して出版した本。バンカー・ショットの段取りについてはかなりオーソドックスに思えたので、これまで詳細を紹介するのを控えていましたが、読み直してみるとスプラッシュ型のバンカー・ショットとして、他の本や雑誌では見られない秘訣がいくつもありました。
Golf Magazine's The Par Plan'
powered by GolfTec edited by David Denunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)
・ボール位置は左踵の前方
・クラブ・フェースをオープン
・ターゲットの左30度に両足を揃えたオープン・スタンス
・クラブの砂への突入地点はボール後方約5センチ
・頭・臍・両手・クラブヘッド等が一線となって突入地点の真上になるようにアドレス
・突入地点に目を据えたまま、両爪先を結ぶスウィング・ライン(赤線)に沿ってバックスウィング
・左手首が甲側に折れて凹んだコック(図のB)を最後までほどかないようにする【ロフトの維持】
・フェアウェイでの40〜50ヤードのウェッジ・ショットをするパワーでスウィング
・スウィング・ライン(赤線)に沿ってダウンスウィング
・クラブのリーディング・エッジではなく、ソールを砂に突入させる
・クラブヘッドを砂の表面から約2センチ下で滑らせる
・クラブヘッドの浮上地点はボール前方約7〜10センチ
・バックスウィングより長いフォロースルー【加速させるため】
GolfTechのメソッドに欠けていて重要と思われる諸点は以下のいくつかです。私はこれらを補うことにしました。
・広めのスタンス(スウィングを安定させスウェイを防ぐため)
・左足に体重の多くをかける
・両足だけでなく肩も左30度に開く
・ウィーク・グリップで握る
・早期にコックを始める
・下半身のリードで切り返し
・急がないがパワフルなダウンスウィング
ここで肝要なのは、「凹ませたコック(図のB)を最後までほどかない」という項目です。これがオープンフェースによって増えたロフトを維持し、ボールを高く挙げる役目をします。難しいのは「クラブを計15センチも水平に砂の表面の2センチ下で滑らす」ことです。
現在このGolfTech方式を修得中で、それにButch Harmonと坂田信弘の「下半身のリード」を付け加えています。使用クラブはギャップウェッジ(52°)。他のクラブも試しましたが、サンド・ウェッジは私のコースの砂の質と層(固く薄い)に合っていないようです。
私が住んでいるアメリカ南部はまだ六月だというのに、午前七時には24〜25℃になり汗だくになってしまいます。で、午前4:30に起きて軽い朝食をとってからすぐゴルフ場へ行くことにしました。5時半ではクラブハウスは閉まっていますし、グリーンズキーパーもまだ来ていないのですが、もう夜は明けています。道路から最も近いNo.18のバンカーで練習。ここは顎が高いので、このバンカーで成功すれば他のバンカーは軽いものです。
陽が上り、背中に日射しの熱を感じるようになったら練習を終え、帰宅します。まだ七時前です。これを連日続けています^^。
ギャップウェッジでも最初は15ヤードぐらいしか飛ばなかったのですが、「バックスウィングより長いフォロースルー」を心掛けるようになってから20〜25ヤード飛ぶようになりました。
図のBのコックを最後まで貫き通す決意が必要です。
顎の低い10数ヤードのバンカーでも試しました。ギャップウェッジを2.5センチ短く持って同じスウィングで打つと、ぴったりの距離に打てるようになりました。
【参考】「バンカー・ショットの核心」(tips_175.html)
(June 21, 2021)
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