June 13, 2021

Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の 正しくスウィングすればヘッドアップしない

 

'Bobby Jones on Golf'
by Bobby Jones (Broadway Books, 1966, $18.95)

[Jones]

「『"Look up"(ヘッドアップ)するな』という助言を厳密に実行すると、ボールを凝視し、頭を不動のまま保持することになるが、それでは身動き出来なくなるほどの緊張をもたらしてしまう。

ボールの一点を見つめると良いと云う人がいるが、プロも上級アマも、意識的にボールの一点やボールそのものを凝視したりしないと語るのが常である。彼らはボールが存在するところを感じるだけだ。もちろん彼らはスウィングの間ボールを見ているのだが、ボールを睨みつけたりはしない。

私はパットする時とショート・アプローチ以外では、『ヘッドアップするな』という助言は百害あって一利無しと考える。あまりにもボールから目を離すまいと努力すると、スウィングが小さくなってしまう。

グリーン上では、ボールから目を逸らすというより注意力を逸らしてしまう危険がある。パター・ヘッドを目で追ったり、周辺視野に見えるカップに意識が惹き付けられてしまうのがそれだ。必要なのはラインよりいいストロークをすることなのだが。

ドライヴァーを打つ場合は、周辺視野に意識を妨げるものは何も見えないから、ボールに意識を集中することは可能である。だが、熟練者が頭を動かさないのは正しいスウィングをするからであって、目をボールに釘付けにしているからではない。正しいスウィングが頭を不動にしているのだ。

ある人は、『頭はスウィングの錨である』と云ったが、これは正しい着想である。重要なのはスウィングする最中肩の動きにつれて顎が廻ってはならないということだ。しかし、多くの人の顎はバックスウィングの進行中に後方に廻ってしまう。バックスウィングの動作は身体の右サイドと右腕によって、頭を無理に引っ張り上げるように動かす。これに気づいた者はさらに後方に動かし、ダウンスウィングであまりも早く手首のコックを解いてしまう。クラブヘッドは正しい軌道よりも下方を辿り、ボールを上げるために引っ張り上げる動きが必要となる。

コックを保持し、右サイドの正しい動きとピンと伸ばした左腕によってスウィング・ダウンし続けようとするゴルファーは、ヘッドアップを心配する必要はない。彼にとってはボールの側面を引っ叩くこと以外に興味深いことはないであろう」


【おことわり】足の図はhttps://golfsapuri.com/にリンクして表示させて頂いています。

(June 13, 2021)

限りなく透明に近いショット

 

ある日のNo.15(300ヤード)パー4。私のティー・ショットは残り140ヤード。フェアウェイはこの辺からグーンと下って、急に胸の高さほども盛り上がった砲台グリーンとなるというデザイン。多くのゴルファーが平地の距離で考えてショートしたり、下りなんだからGPSの距離より短い筈だ…などと思い込んで、これまたショートします。どっこい、乗せるか土手を転がし上げるには、相当長いクラブが必要なのです。

私は、このホールの過去の練習で、150ヤードなら18°ハイブリッド、140ヤードなら21°ハイブリッドを2.5センチ短く持って打つべきであることを知っています。なぜか、この日私のこのショットはオーヴァーすることはあっても、左右にブレることはないという確信が湧いていました。力むとプルしてグリーンの左エッジに逸れてしまうのですが、力む必要はない、プッシュの心配もないのでピンをデッドに狙えばよい…と本能が囁いていました。

[ball]

普通、「左膝でダウン・スウィングをスタート」「置き去り」などの遵守事項を胸のうちで復習するのですが、この時は何故かそういう段取り抜きで淡々とコトを運びました。ボールとのいいコンタクトを達成出来、ボールは真っ直ぐピンに向かいました。砲台の土手に着地すると止まってしまうか、後方に戻って来てしまうのですが、無事土手を越えました。グリーンに落下すれば今度はオーヴァーが心配でしたが、1バウンド、2バウンドしたボールはピンの左横1メートルについて停止しました。

私のショットを見ていなかったチーム仲間は、突如カップの傍に出現した白いボールにびっくりし、「エイジ、あれはあんたのボールかい?」と聞きました。私はニッコリして頷きました。このグリーンは左から斜め右に大傾斜していて1メートルとはいえ、簡単なパットではありませんでしたが、なんとか沈めることが出来ました。バーディ。

不思議なのですが、21°ハイブリッドを選んだのは過去の練習の積み重ねがあったので迷いはなかったとはいえ、難しい下りの砲台へのショットに一抹の不安も感じなかったこと。当りが良過ぎてオーヴァーする懸念だけはあったものの、「オーヴァーしてもよい」と考えていて、ピン傍につけようなどという欲は微塵もありませんでした。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)風に、ピン傍についたボールを視覚化する…などという念入りな手順も踏みませんでした。

ボールはグリーンに乗る運命にあった、ゴルフの神様の手がボールを運んだ…としか云えない成り行きでした。パットも打った瞬間「あ、いけない、失敗した!」と思ったのにカップに転げ込んでしまったのです。やはり、何か神秘的なものの力により、このホールではボールがカップに転げ込むべき運命(さだめ)にあったとしか思えません。私はまだ一度もホールインワンを経験していませんが、多分ホールインワンもこのような感じじゃないでしょうか。どう考えても自分の力で達成したバーディのように思えないのです。

(June 13, 2021)

ティーアップとスウィング軌道の関係

 

'The perfect tee height'
by Luke Kerr-Dineen ('Golf Magazine,' September-Ocotber 2020)

「ドライヴァーを的確な軌道に乗せるには、ボール軌道やあなたの能力など、様々な要素がある。あなたは想像もしないだろうが、最も重要なものの一つはボールを乗せるティーの高さである。

大体の目安としては、ティーが高ければスウィングは浅くなる(フラット目になる)。何故かと云うと、ティーが高い場合あなたはボールをヒット・アップしようと(打ち上げようと)自分に強制することになるからだ。ティーを低くすると逆のことが起こる。ティーが低いと、本能的にヒット・ダウンしようと(打ち下ろそうと)するからだ。

では、正しい高さはどうなるのか?当誌のトップ100インストラクターたちへのアンケートでは、ドライヴァーの理想的なティーの高さは1.5インチ(約3.8センチ)である。チェック・ポイントは、アドレスでクラブを地面につけた時、クラウンの上にボールの半分が出ている高さだ」【写真】

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私は現在約7センチのティーを使っていて、地面に刺した後の高さは約6センチです。ただし、ボールから約25センチほど後方でアドレスして、アッパーに打ちます。以前は8.3センチのティーを使っていたのですが、たまに天ぷらが出るので、現在の低めのティーに変えました。まだ高いティーアップで飛ばすことに未練はあります。しかし、天ぷらが恐いので泣く泣く低くしています。

 

(June 13, 2021)



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