June 01, 2021

ドライヴァーの研究

 

[spots]

パー3(スリー)のいくつかをドライヴァーで攻めていましたが、必ず乗るというわけでもないので手を焼いていました。距離はドライヴァーを持つ長さで調節出来るのですが、方向が定まらないのです。同じ打ち方をしているつもりなのに、今度はプッシュ、次はプル…という具合で滅茶苦茶なのです。

一体どういう現象が起きているのか?それを調べるために、スーパーや薬局で売っているAthlete's foot spray(水虫用スプレー、粉末タイプ)をドライヴァーのフェースに噴霧し、私のインパクトの状態を見てみました。すると、大袈裟に云えばほぼ一発ごとに異なる部分で打ったりしていることが判明しました。

私はボールの真ん中をクラブフェースの真ん中で打つべく、カナダの異才Moe Norman(モゥ・ノーマン)のスタイルで、左手を一杯に伸ばしてアドレスします。それが功を奏すれば常に図の(A)で打てる筈なのですが、実際にはそうはならず、フェースの(B)や(C)で打ったりもしているのです。

ドライヴァーのフェースは真っ平らではなく真ん中がやや膨らみを帯びており、左右に湾曲しています。その湾曲が曲者で、真っ直ぐ飛ばないどころか、狙った場所から20ヤードも横に逸れることがあります。パー4やパー5のティー・ショットが10〜20ヤード横に逸れるのはさほど気になりませんが、パー3となると大問題です。

(A) ここで打つと、スウィート・スポット特有のふにゃっとした手応えの無い手応え(?)を残して、ボールは真っ直ぐ飛んで行きます。
(B) ここで打つのはインパクトで手・腕を縮ませてしまったか、身体が後傾してクラブフェースのトゥ寄りで打ったせいです。ボールはフェース先端の右向きのカーヴによって右に出て行きます。手にカツンという嫌なショックが残ります。
(C) これは、手・腕を精一杯伸ばしていたと思い込んでいたものの、実は左肘にたるみがありインパクトで手・腕がさらに伸びたか、身体が前傾したためボールをヒール近くで打ってしまって、フェース末端の左向きのカーヴによってボールが左に出てしまうケース。手にガツンという嫌な感触が残ります。

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(B)と(C)を防ぐため、私は手・腕をたるみなく目一杯伸ばし、両足の踵に体重を乗せて安定させ、きっちりフェースの真ん中で打つ努力をしていました。(A)と(B)、(A)と(C)の間隔は約2センチもあるのに、どうして2センチも前後に外してしまうのか不思議でした。目一杯伸ばしている腕・手はもうそれ以上伸びないのですから、身体が前後に揺れてしまうのに違いないと思われました。

そこで、写真のようにドライヴァーのトゥ付近とヒール付近に輪ゴムを装着してボールを打ってみることにしました。この方法は、普通はパター・フェースの左右両端に輪ゴムを嵌めて、フェースの真ん中で打つことを強制する練習法で、ドライヴァーでこんなテストをする人はまずいないでしょう。何を隠そう、私のドライヴァー・ショットは常に狙ったところより常に5〜10ヤード右に飛ぶので、その原因も解明出来るかも知れないと思われました。

[foot]

テストの結果解ったのは、私が過度に踵体重であったということです。安定したスウィングをするため、どっしり構えた方がいいだろうと考えて選んだ方法だったのですが、それが裏目に出て腕と手を手前に引っ張るインパクトに繋がっていたようです。インパクトでさらに踵体重が増すため身体がやや後傾しボールをトゥ側で打ってしまい、ボールが右に出る…という結果だったのです。

大地を踏みしめるには、踵だけではなく足裏三点に平均に体重をかけるべきでした。体重を足の裏三点にかけながらスウィングすると、狙ったところへ真っ直ぐ飛ぶようになりました。これはパー3だけでなく、パー4やパー5のティー・ショットにも利用出来ます。それだけでなくハイブリッドやアイアン・ショットの際にも役立ちます。ここ数年間の謎が解け、展望が開けた発見でした。

上の練習の後のラウンド、私のドライヴァーが快音を発する回数が増えました。フェースの真ん中(写真のA)で打てる確率が高くなったからです。


【おことわり】足の図はhttps://golfsapuri.com/にリンクして表示させて頂いています。

(June 01, 2021)

Bobby Jones(ボビィ・ジョーンズ)の 左腕を伸ばせ

 

'Secret of the Master'
edited by Sidney L. Matthew (Sleeping Bear Press, 1996, $22.00)

[Jones]

「カメラで撮影された映像は、疑いもなくインパクトで伸ばされた左手・腕が絶対に必要なものであることを示している。スウィングのトップでは、多くのトップクラスのゴルファーがやっているように、僅かな折れは許されるものの、ことインパクトの瞬間には左腕は真っ直ぐ伸ばされていなければならない。それがコントロールされた正確でムラのないヒッティングをもたらす。私自身は、ダウンスウィングで再び左手・腕を伸ばすなどという当てにならないことをするのでなく、スウィングの間じゅう左手・腕を伸ばし続けるのがベターであると思っている。

左手・腕を伸ばし、ボール位置を過ぎた地点を打つという発想は、「打ち抜く」という昔からの考えをもっと明確な表現にしたものだ。これはどう打ち抜くべきかを理解させてくれ、どうすべきかを教えてくれる。実際にはボールの1インチ(2.5センチ)先を打てば充分だが、その長さを伸ばせば伸ばすほど安全度が高まる。安定したゴルフというものは、十分な許容範囲の有無に左右されるものだ。

ゴルフ・スウィングが、その開始から終了まで左腕主導で実行されるものだということに疑問の余地はないと考える。この左腕は水先案内人であると同時に、身体の残りの部分から生成されたパワーを伝える媒体でもある。一般ゴルファーにとって、右腕で遂行されるように見えるゲームを主に左腕でプレイすべきだという理論は理解困難かも知れないが、多少なりとも左腕主導のスウィングを学ぶまで、彼はいつまでも初級・中級の域を脱することは出来ないであろう。

常に左腕に注意せよ。特に短いピッチ・ショットで。ソフトに打とうとする時、左肘が緩くなるという大きな危険が待ち受けている。私は左手のヒール(手首に近い部分の掌の膨らみ)が、ボールへと向かいながらクラブを押し下げるように感じるのを好む」

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1) ボールの前方(ターゲット方向)10センチのところの地面を打とうとするのは、かなり難しいのですが、Bobby Jonesが云う「ボールの1インチ(2.5センチ)先を打てば充分」なら、すぐにでも実行可能です。

2) 「左手の膨らみでクラブを押し下げる」はやってみるまで何のことかよく解りませんでした。試みに、私がよく用いる『草を抉(えぐ)る』(tips_168.html)の練習法を実行してみて、驚きました。なんと、非常に正確に雑草を弾き飛ばすことが出来ます。ヒットダウンがうまく出来ず、フェースを伏せ目にして打ってシャンクしたり、様々な失敗を経験して来ましたが、この「左手の膨らみでクラブを押し下げる」が最高の手法に思えます。

(June 01, 2021)

スウィートスポットで打つ練習法

 

[gate]

'The Scoring Zone'
by Steve Hosid (The PGA Tour Partners Club, 2000)

The Golf Channelのインストラクション番組でお馴染みのMartin Hall(マーティン・ホール)による練習法。写真のようにクラブがかろうじて通り抜けられる間隔の門をセットし、その真ん中にもう一本ティーを刺し(写真ではボール)、それをボールに見立ててスウィングする。写真の左の白いティーを叩いてしまうとトゥで打ったことになり、赤いティーを打つとそれはクラブのヒールで打ったことになる。

ボールでなくティーを打つのなら裏庭で練習出来るというのがマーティン・ホールの自慢ですが、練習場へ行かなくてもいいという点で、これはとてもいい練習法と云えるでしょう。


(June 01, 2021)



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