December 01, 2021

斜面を克服してスコアを減らす

 

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ゴルフ場の地面というものは練習場のように平らではありません。爪先が上がったり・下がったり、左足が上がったり・下がったり、千変万化します。ゴルフに入門し、練習場で真っ直ぐ適切な距離を打てるようになった人も、斜面に正しく対処出来るようになるには数年の経験が必要でしょう。しかし、以下のような原理を知っていれば、数年もの時間を無駄にせずに済む筈です。

○ 斜面の公式

普通、斜面のショットは「爪先上がり」、「爪先下がり」、「左足上がり」、「左足下がり」と表現されます。「踵上がり・踵下がり」とか「右足上がり・右足下がり」などとは表現されません。

以上の前提に立てば、非常にシンプルな公式が成立します。《「上がり」というケースでは、ボールは常に左に出易い。「下がり」という場合にはボールは常に右に出易い》 …ですから、その分を相殺するだけ右か左を狙わなければなりません。

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なぜ、斜面では右や左に出易いのか?それを説明してくれる雑誌記事や本にお目にかかったことはありません。しかし、私は自力でその現象を解明しました。

ある急な上りの斜面(左足上がり)に平行に立ってクラブをターゲットに向けてアドレスし、そのフェースを目の上に持ち上げてびっくり。フェースの角度はもの凄くクローズになっていたのです。私はその場で逆方向を向いて斜面と平行に立ってアドレスし(左足下がり)、クラブフェースを目の前に持ち上げてみました。もの凄くオープンになっていました。

説明がないのは当然で、斜面では自然にフェースがクローズになったりオープンになったりするのです。われわれはそのクラブフェースの角度を相殺してターゲットを設定する必要があるわけです。

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○ 斜面プレイの必須条件

斜面のショットで最も大切なのは、斜面に平行に立つことです。足・膝・腰・肩などを全て地面の傾斜に揃えます。こうしないと、打ち上げ/打ち下ろしのどちらの場合でもトップします。

次に重要なのは体重を移動させないこと。斜面で身体の中心を動かすと、重力の作用で往々にしてアドレスの体勢に戻れなくなり、ダフったりトップしたりしがちです。大振りも厳禁で、3/4スウィングが適切です。「体重を移動させないと充分な飛距離が得られない」、「フル・スウィングをしないと届かない」と感じたら、長いクラブを選ぶべきです。

私は経験上、次のような調節を行なっています。

○ 上り斜面

ピンの根元が見えない程度の左足上がりの場合、ヤーデージに10ヤード足す(地形のせいで自然にクラブのロフトが増え、距離が減ってしまうため)。ピン全体が見えない左足上がりの場合は20ヤード足す。

ピンの1メートルほど右をターゲットとする。斜面に平行に(右膝・右肩を下げて)立ち、ボールはスタンス後方【普段プルしない人はスタンス前方】。ターゲットに向けて足・腰・肩を揃える。

フル・スウィングを10としたら、7〜8のバックスウィング(大振りはしない)。プルが出易いので、インパクトで手首を返さないようにする(ターゲット・ラインに沿ったフォロースルー)。

[down hill]

○ 下り斜面

左足下がりの斜面ではクラブのロフトが減るためボールが低く出易い。低いボールだと飛距離が減ってしまうので、下り勾配であれば20〜25ヤード足して打つ。

ピンの1メートルほど左をターゲットとする。斜面に平行に(左膝・左肩を下げて)立ち、ボールはスタンスの後方。ターゲットに向けて足・腰・肩を揃える。

フル・スウィングを10としたら、7〜8のバックスウィング(大振りはしない)。プッシュになり易いので、両手を内側に引き込む(アウトサイド・インの)フォロースルー。

なお、ピンの右・左にどれだけの距離を見積もるかは、ピン迄の距離と勾配に左右されるので、上の数字は目安に過ぎません。上りでも下りでも距離が減るというのが面白い点だと思います。

○ 打ち上げ・打ち下ろしのラン

斜面の打ち方のおまけとして、次のような情報を付け加えておきます。

a) かなりの打ち上げになる場合、ボールはグリーンに落下した後かなり転がります。打ち出されたボールが一定の距離を前進する勢いを持っているので、飛行の途中で高いグリーンによって妨げられても、残っている勢いがランに転化するからです。

b) 逆に打ち下ろしの場合、一定の距離を飛行した後、着地点がかなり下方なのでボールは落下する一方となり、先へ進む勢いを失ってしまうため、ランは少なくなります。

・砲台グリーンの斜面からのチップ・ショットには、《左足上がりのライでは、10°毎に10ヤード足して打つ》という私が発見した公式があります。是非「砲台グリーンの斜面からのチップ【秘密の法則」をお読み下さい。

【参考】
・斜面の公式 (tips_57.html)
・爪先上がりのショット (tips_72.html)
・爪先下がりのショット (同上)
・左足下がりのライでは左足体重 (tips_124.html)
・砲台グリーンの斜面からのチップ【秘密の法則】 (tips_197.html)

【おことわり】左足上がりの画像はhttps://www.golfdistillery.com/にリンクして表示させて頂いています。

(December 01, 2021)

グリップ圧で軌道コントロール

 

「ボールを自在に曲げてスコアを減らす」(11/23)で「スライスをかけたい場合はきつめのグリップ、フックを打ちたければゆるめのグリップをすると、インテンショナル(意図的)・スライス/フックを打つ際の助けとなる」…と書きました。

上のtipは実は次のように応用出来ます。
a) 左にハザード(池やバンカー)がある場合は、きつめのグリップを維持する【絶対にプルさせない決意】
b) 右にハザード(池やバンカー)がある場合は、ゆるめのグリップを維持する【絶対にプッシュさせない決意】

このコツを“発見”したのは、ある日のラウンドでフェアウェイ左にある倒木を避けようとしたのに、ゆるめのグリップ圧によってプルしてしまい、見事に倒木の方向に打ってしまった時です。何がいけなかったのか瞬時に悟りました。左を避けたいのならきつめのグリップをすべきだったのです。

その数ホール後、グリーン正面のバンカーを避けてグリーンの右に打つことにしました。もちろん、きつめのグリップにしてプルを避ける決意。18°ハイブリッドによるショットは目論見通り真っ直ぐグリーンの右側に向かい、楽なチップ・ショットで寄せられるいい位置につきました。

 

私の頭は固くて融通が利かないんですね。グリップ圧の使い分けは、なにもインテンショナル(意図的)・スライスやフックを打つ時だけでなく、どんな場合にも利用出来るのに、今まで気づかなかったのです。何たる唐変木。

首うなだれていた時、なぜか突然最近のいいショットの記憶がいくつか蘇りました。どれもがハイブリッドをきっちり握って打ったショットです。「そうか!」思い出しました。ハイブリッドは初心者用にデザインされているためか、ボールが(右ではなく)左に向かう傾向があります。きつめのグリップはその傾向を相殺し、真っ直ぐのボールを生み出してくれるのです。

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きつめ、ゆるめというのは曖昧ですが、きついグリップ、ゆるいグリップ、そしてその中間…などの尺度はあります。図の右端のようにクラブを地面と平行にした時が最もきついグリップで、真ん中のようにクラブを垂直に立てた時が最もゆるいグリップになります。普通は左端のように45°にした時のグリップ圧が最適とされています。ですから、クラブを45°から身体の前方に少し倒せば「きつめ」、45°から身体の方に少し手前に引き寄せれば「ゆるめ」になります。

このグリップ圧コントロール法はごく小さな発見でしたが、実は非常に役立つテクニックです。真っ直ぐ打とうとしても曲がる危険は常につきまとうわけですから、安全な方角を約束してくれるグリップ圧を選ぶ策は有益です。そして私のじゃじゃ馬のようなハイブリッドを使いこなすアイデアも思い出させてくれました。これは今後の私のゴルフの質に間違いなくプラスとなってくれることでしょう。

【参考】
・適切なグリップ圧 (tips_52.html)
・スクウェアなグリップの秘訣(tips_199.html)
・ハイブリッドはフックするように出来ている(tips_177.html)

(December 01, 2021)



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