September 01, 2020

チップ・ショットの軌道(高・低)を変える正しい方法

 

この記事の筆者Michael Breed(マイケル・ブリード)は、The Golf Channel(ゴルフ・チャネル)のインストラクション番組で、早口でけたたましく喋るのが特徴だったレッスン・プロ。

'Chip to any pin'
by Michael Breed with Peter Morrice ('Golf Digest," January 2020)

「多くのゴルファーが、高くチップしたい場合はボール位置をスタンス前方(ターゲット側)にし、低くチップしたい時はボール位置をスタンス後方にする。だが、こういう風にボール位置を変えるのは、ボールの方向と接触点を狂わせてしまう。

そうではなく、ボールと身体をどれだけ離すか、その間隔を変えるべきである。高く上げたい時はボールから離れて遠くに立ち、低く打ちたい場合はボールに近く立つ。近く立つ時には数センチほどクラブを短く持つ。

ボールと身体の距離で、どうして軌道が変わるのか?その間隔は地面とシャフトの角度を確立するが、その角度がスィング軌道をアップライトにするかフラットにするかを決定する。ボールから離れれば、ロフトが増えた浅くフラット目のスウィングになり、ボールに近く立てば、ロフトが減った急角度のスウィングになる。

これがボール軌道を変えるシンプルな方法だ」

 

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私も高い軌道にして早くボールを止めたい時は、ボール位置をスタンス前方、ランを多くしたい時はスタンス後方にしていました。それが必ずしもうまく行かなかったのは、上に述べられているように、「ボールの方向と接触点を狂わせてしまう」ということだったからのようです。

私の場合、『ピッチングとチッピングの距離調節』(tips_195.html)はシャフトを握る長さで飛距離を調節しますので、15ヤードならボールと両爪先との間隔は25センチ、35ヤードなら38センチ…と自動的に決まってしまいます。ですから、シャフトの長さは変えられません。

それでもボールに近く立ったり遠く立ったりは出来ますが、ライ角が変わるので正確に狙った方向にボールを打てるかどうか心配になります。


(September 01, 2020)

砲台グリーン10ヤードのピン傍に寄せる

 

[pitch & chip]

上の「チップ・ショットの軌道(高・低)を変える正しい方法」という記事を参考にして、10ヤードのチップが確実に出来るようになるかも知れない…という希望が湧きました。私の場合、60°ウェッジのハンドルの再下端(図のa)を握り、シャフトが地面と平行になるバックスウィング(図の2の位置)をして15ヤードであり、10ヤードのチップというのは非常に困難でした。「地面と平行」以下というのは目安が無いため、ちゃんと一定の距離を打てなかったのです。【参照「ピッチングとチッピングの距離調節」(tips_195.html)】

私のコースのグリーンはほとんど砲台であり、しかも地面は凸凹しており、エッジの芝も長いので、転がし上げるのは無理(それでも無謀にも転がす人は多いですが)。私はボールを宙に浮かべて寄せるのがベストだと思っています。しかし、10ヤードのチップをマスター出来ないのは私の“泣き所”でした。

私の15ヤード以上のチップは「ワン・アンド・トゥー」というリズムで打ちます。10ヤードは短過ぎてそのリズムだとチョロしたりトップしたりなので、仕方なく「ワン・トゥー」と早いスウィングで打っていました。これは私の本来のリズムではなく生理的に不快であり、無用の力(パワー)が篭ってしまったりして、ピンをオーヴァーする難がありました。

砲台グリーンへの10ヤードチップを、ボールから遠くに立って練習してみました。ボール位置はスタンス中央。バックスウィングのトップは左腕が地面と平行になる地点で、リズムは「ワン・アンド・トゥー」。ただし、クラブフェースとスタンスをオープンにし、スウィング軌道をスクウェアにしたりオープンにしたり。

オープンフェースのスウィングはとても難しい。6ヤードで止まってしまうこともあるし、トップする危険もあります。素人はやらない方がいいようです。やはりスクウェアに打つのが安全ですが、距離のコントロールは完璧に行きません。

「待てよ?バックスウィングのトップを右の膝小僧と決めたら、確実に10ヤード打てないだろうか?」というアイデアが湧きました。練習すると、この高さのバックスウィングではショートばっかしでした。力を入れれば、10ヤード近辺に届くこともありますが、力加減というのは一定させるのは不可能に近いので、あくまでも同じスウィング幅、同じリズムで打てる方法を見つけたい。

しばらくして名案が浮かびました。トップは右の膝小僧にしながらも、シャフトの長さを変えたらどうか?私のシステムでは【シャフトの長さ=パワー】なのですが、これですと不安定な力加減とは異なり、一定のスウィングで距離を変えられます。(b)の位置で握って右の膝小僧のバックスウィングをしてみました。まだショート。(c)の位置で握ってみました。ピンポーン!10ヤードぴったしに打てました。短いショットは、クラブを短く持って短いスウィングをするのだろうと思っていたら、長く持って短いスウィングをするという意外な組み合わせを発見したのです。これで“泣き所”が無くなることを祈ります。

上のテストは、あくまでも地面が平らな状況を前提にしています。地面が傾斜していれば「砲台グリーンの斜面からのチップ」(tips_197.html)の法則に従い、その角度に相当するよう距離を長く見積もらなければなりません。水平距離は10ヤードに見えても、ボールの下の地面がグリーン方向に10°上り傾斜している場合、そのショットは20ヤードとして打つことになります。

この発見の後のラウンド、10ヤードのチップ場面が二回ありましたが、30センチと50センチに寄せることが出来ました。即効があったのです。

(August 15, 2020)

ウェッジの正しい打ち方

 

[wedges]

'64 no more'
by E. Michael Johnson ('Golf Digest,' January 2020)

「ロフトの多いクラブで正確に打つには努力が必要である。大きなスウィングはクラブとボールの理想的なコンタクトを難しくする。そうではなく、短いスウィングをして加速させるべきなのだ。それはつまり、左腕が地面と平行になる(時計の文字盤なら9時の)バックスウィングをするということだ。

ショートゲーム専門インストラクターJames Sieckmann(ジェイムズ・シークマン)が“骨盤パンチ”と称する練習法:ボールをスタンス中央にしてティーアップし、ややハンド・ファーストで構える。9時の地点までバックスウィングし三秒間停止した後ボールを打つ。

上のドリルは、短くコントロールされたバックスウィングと、インパクトにかけての適切な身体の回転を身につけさせてくれる。これに慣れたら、距離をコントロールするため、様々なバックスウィングの高さを試すとよい。James Sieckmannは『短いスウィングは低めのコントロールされたショットを生む。ロフトを減らし、ハンドファーストのインパクトと身体の回転をすべきである』と云う」

(September 01, 2020)

64°ウェッジはおやめなさい

'64 no more'
by E. Michael Johnson ('Golf Digest,' January 2020)

「2006年のWinged Foot(ウィングド・フット)におけるU.S.オープンで、Phil Mickelson(フィル・ミケルスン)は、クラブメーカーにロフトが多くバウンスが少ない64°のウェッジを作らせた。優勝は出来なかったものの、ワン・ラウンドにつき一打か二打セーヴしたこのクラブによる彼のプレイは、一般ゴルファーの関心を呼んだ。多くのクラブメーカーが64°ウェッジの製造を始め、今もなおそれは続いている。

不幸にも一般ゴルファーは、64°ウェッジを用いてPhil Mickelsonのように成功していない。ある調査によれば、もっとロフトの少ないウェッジ(60°、56°など)のようには使いこなせていないのだ。

762人のゴルファーが64°ウェッジを使ったテストによれば、64°ウェッジによるGIR(パーオン率)は44%でしかなく、50%を越える他のウェッジに到底及ばない。54°ウェッジは64°ウェッジよりも10%も正確に打てる。分析の結果、64°ウェッジは58°ウェッジよりも平均約3ヤード遠くに飛んでいる(?)。なぜ、こんなことが?

ショートゲーム専門インストラクターJames Sieckmann(ジェイムズ・シークマン)によれば、アマチュアは64°ウェッジを目一杯振り過ぎるので、クラブフェースの真ん中で打てず、ショートしたりホームランになったりしてしまう。2019年のあるプロ・トーナメントで、64°ウェッジをバッグに入れていたプロはたったの三人に過ぎなかった。プロでさえ使わないのだから、あなたに64°ウェッジが必要とは思えない。

(September 01, 2020)



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