October 21, 2020
●バンカー・ショットの留意点
次の女子プロの言葉を真に受けてはいけません。
'A play for the sand'
by Georgia Hall ('Golf Digest,' November 2019)
「あなたがボールをグリーンサイド・バンカーに入れてしまった時、あなた脳は次のショットを複雑にするような遵守事項の長いチェック・リストで洪水のようになるのではないだろうか?そうではなく、(出来るものなら)心を空白にし、ボールをスタンスの中央に置き、そのボールの背後1〜2インチ(2.5〜5センチ)のところの砂を打てばよい」
プロはコーチを雇って練習もし、月平均20日ぐらいプレイしているわけで、バンカーに足を踏み入れたら心も身体もバンカー・モードになれるのでしょうが、われわれはそうはいきません。
最近の私の最大の弱点はバンカー・ショットでした。ティーショットはほぼ常にフェアウェイど真ん中、アイアンもまあまあ、ピッチングとチッピングは抜群なのに、バンカーでチョロッたり、脱出出来ても大幅ショート…、まるで初心者のような体たらく。
数時間バンカー・ショットだけ練習すると、見事なショットの連続。それに自信を得て本番に臨むと、またド素人のようなバンカー・ショット。目も当てられません。何故なのか、考えました。そして気づいたのです。通常のチッピングのアドレス、スウィング、パワー、リズムをバンカーに持ち込んでバンカー・ショットをするから駄目なのだ。バンカー・ショットは異質なスウィングなのだ…と。上のプロの云うように「心を空白」にしてはいけない。心も身体もバンカー・モードにならないといけないのです。
私はこの『日記』のバックナンバーのバンカー・ショットのコツのあれこれを読み返しました。ほとんど全部忘れていました。これでは初心者同様のショットをしても不思議はないわけです。重要事項を書き出すと、以下のようになりました。 「右手は添えるだけ」という部分は説明が必要でしょう。私がウェッジを両手でしっかり握ると、バンカー・ショットでない通常のショットのようにインパクトでつい手首を返してしまうのです。これだと折角ロフトを増しオープンにしたフェースの性能を殺してしまうので、良くてチョロ、悪くてホームランの原因となるのがオチ。Fred Couples(フレッド・カプルズ)などは、バンカー・ショットのダウン・スウィングで右手を離し、左手一本で打つほどです【写真】。右手は控え目な方がいいので、私は添えるだけにして、ぎゅっと握らないようにしているわけです。 |
このメモを持ってコースに出掛け、バンカーの練習をしました。これまでとは見違えるようなバンカー・ショットが出来るようになりました。さあ、問題はこれが本番のラウンドでも再現出来るかどうかです。
その練習の次のラウンド、初めてのバンカー・ショットはNo.14(パー5)のグリーンサイドでピンまで25ヤード。普通ならこのホールの砂はさらさらだが重いのでサンドウェッジを使うのですが、前夜の雨で湿っているのでギャップウェッジを使いました。チョロ。その次はホームラン。トホホ。うまく行かないものです(;へ;)。
その日の二度目のバンカーはNo.16(パー4)のグリーンサイドで、ピンまで約20ヤード。バンカーは湿っていたものの、グリーンは時間的に乾いていたので15ヤードのショットと見積もり、右足体重、クラブを身体の真ん中で低く構え、「十倍、ドスン!」と念じながらスウィング。ボールはピン傍30センチについて、サンディ・バーディ。どうせホームランするなら最初からホームランしよう…という気迫で「ドスン!」と打ったのが良かったようです^^。
【おことわり】Geogia Hallの写真はhttps://www.golfdigest.com/にリンクして表示させて頂いています。
(October 21, 2020)
●Michael Breed(マイケル・ブリード)のバンカー・ショット
正体不明のVHSのいくつかを捨てようして一応中身を確認してみたら、箱の中に"Bunker shot"というメモが挟んでありました。見てみると、数年前の"Golf Fix"というThe Golf Channel(ゴルフ・チャネル)のインストラクション番組で、インストラクターMichael Breed(マイケル・ブリード)による一時間のバンカー特集でした。
色々なシチュエーションについて語られていますが、私のお目当てはグリーンサイド・バンカー。何か、彼らしいコツが出て来るのではないかと期待しました。彼はサンドウェッジ一本槍でしたが、参考になったのは以下の二点です。
・先ず打つ強さ。これは文字では表現出来ないので、ヴィデオの独壇場です。「なるほど、そのぐらいの強さで打つのか」と勉強にになりました。急がないスウィングですが、結構ドスン!と打っていました。
・Michael Breedは番組の中で図示しませんでしたが、以下のように説明しました。「サンドウェッジのリーディングエッジが左足爪先に揃うように」(図の青線)。そして「このショットは右に向かうので、ピンの左を狙うこと」。
彼のメソッドを試してみました。驚いたことにスウィングの幅によって、15ヤードも25ヤードにも打てます。これまで15〜20ヤードはギャップウェッジ、25ヤードはピッチング・ウェッジを使うことにしていたのですが、練習次第でサンドウェッジで処理出来るかも知れないという気にさせられました。
ただ、私の場合、彼が云うようにボールは右へ行かず、かなり左に向かってしまいます。ターゲットをピンの近くにすべきだろうと思われました。
ある日、No.1のグリーサイド・バンカーに捉まりました。ピンまではたったの10ヤードですが、顎が高いので転がす訳には行きません。サンドウェッジを選び、5センチほどハンドルを短く持ち、スウィングも半分にし、ダイレクトにピンを狙って打ちました。ピン傍数十センチに寄り、サンディ・パー。
(October 21, 2020)
●仏作って魂入れず
ある日の私のパッティングはほとんど全てカップの僅か左に逸れました。私が確立したメソッドを入念に実行したにもかからず…。
私はこの「日記」の過去のパッティングtipsから、「パットの球筋」について触れたものを古いものから順に読み始めました。かなりの数のtipsを読み進んだ時、目指すものにぶつかりました。
それは「パットのプルは肩から来る」(tips_169.html)というtipで、具体的に私の症状を治してくれるものではなかったのですが、「プルするなら肩を時計回りに廻せ」という一句がヒントでした。
何度も書いていますが、左脚が1センチほど短い私の場合、パットのアドレス時、左膝をグイッと右に押し込まないと肩がターゲットラインと平行になりません。ですから、この左膝の動作はプレ・ストローク・ルーティーンとして毎回欠かさず実施しています。「現在の左膝の押し込み方では足りないんだろうか?」と思いつつ、横に置いた鏡でアドレス動作をチェックしてみました。左膝を右に押し込みます。右肩が引っ込んで両肩はターゲットラインに平行になる…筈なのになりません。一体、どうしたことか?
判りました。身体がリラックスしていないせいで、左膝を右に押し込んでも肩が少しも動かないのです。リラックスして立っていれば、左膝の動きに右肩が連動する筈です。それなのに、上体を頑固に固定しているものだから、左膝の動きは上体に波及しなかったのでした。
これこそ「マンネリ」です。型通りやっているものの、実質的に何の効果もなかったわけです。愚か者め!orz。
(Octber 21, 2020)
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