December 01, 2020

右脳でダウンスウィングせよ

 

[rope]

ゴルフ・スウィングにおける右脳と左脳の役割については何度も書いています。左脳は状況分析と決断をし、実際のスウィングは右脳(=潜在意識)がコントロールして遂行します。

「正確無比なショットを実現する」(11/02)に書いた《左膝がリードするダウンスウィング》をマスターしようとしていた時、バックスウィングで「右」、ダウンスウィングの開始で「左」と唱えながら左膝を動かしたらどうだろうと考えました。メロメロでした。「言葉」を理解しようとするのは左脳の領域ですから、「右・左」などの言葉を使うと左脳の活動が支配的となり、右脳(=潜在意識)の出番がなくなるのです。これは、アドレス時に背後で誰かが喋っていると、「何を喋ってんだ?」と耳をそばだててしまい(左脳が出しゃばる)、いいスウィングが出来なくなるのと同じことです。

'The New Golf Mind'『ゴルフ・マインド』(1978)の著者たちは次のように述べています。 「多くのミス・ショットは左右の脳の相互干渉の結果である。それは日常でも経験することだ。論争の最中に興奮すると、明確に話したり正しい言葉遣いを考えるのが困難になったりする。左脳が司る言語能力を、右脳の情動が遮断するためである。プロのタイピストが(機械的にタイプするのでなく)文書の内容を理解しようとし始めると、一分あたりのタイピングの語数は減少し、タイプ・ミスが増加する。それは右脳によるタイピング遂行能力を左脳の分析プロセスが遮断するせいで起る」 つまり、分析ではなく創造的な仕事(絵を描く、音楽を奏でる、ゴルフ・スウィングをする等)を実行する際には左脳は舞台裏に引っ込んでいなくてはならないのです。

[Alison]

「正確無比なショットを実現する」に掲載した写真(上)のように、左膝と右肘がロープで結ばれていて、左膝がそのロープを引っ張り、引いては腕・手を動かす…という段取りを実行するのは、言葉ではなく視覚的イメージです。イメージは右脳の領域なので、脳内のイメージを実現する際には左脳が出しゃばって来る恐れもなく、何も問題ありません。

しかし、左膝でリードとは云っても、ダウンスウィングで身体全体が左へスウェイしてはいけません。右の写真のように頭を右膝の上に残さないとパワーも失われ、プルする危険があります。

ある日のラウンドで、六個のバーディ・チャンスに恵まれました。バーディはたった一つで、残りは全部パーに終わりました。しかし、それらのバーディ・チャンスが得られたのは《左膝がリードするダウンスウィング》のアプローチが功を奏したせいです。チャンスがあるのとないのとでは大違いなので、これは大成功だったと考えています。

その次のラウンド、バーディ・チャンスは一つ増えて七個になりました。得られたバーディも一つ増えて二つ。その一つのNo.17(パー4)のバーディはお見せしたかった。私の二打目は結構な上りの120ヤード。私の個人的データベースではこの距離は6番アイアンです。入念に《左膝がリードするダウンスウィング》の素振りを三度繰り返してからスウィング。ボールはピン目掛けて真っ直ぐ飛び、カップの左横20センチに止まりました。文句なし。

【参考】「ゴルフを左右する左右の脳の働き」(tips_162.html)

【おことわり】下の画像はhttps://www.australiangolfdigest.com.auにリンクして掲載させて頂いています。 

(December 01, 2020)

バンカーショットのグリップ

 

[thumb]

The Golf Channel(ゴルフ・チャネル)のインストラクション番組で有名になったインストラクターMichael Breed(マイケル・ブリード)は、バンカーでは《両手の親指をクラブ・シャフトの真上に置く》という先人のtipを紹介しています。これは凄くいいtipです。

両手の親指がシャフトの真上に置かれていれば、故意に手首を返さない限り、アドレスでオープンにしたクラブフェースの角度がインパクトまで保たれ、ボールは上昇します。もし、普通のスウィングのように親指を僅かでもシャフトの脇に位置させると、予期せずに手首を返してしまう危険があります。バンカー・ショットでストロング・グリップをするとフェースのロフトを殺してしまい、チョロになりますから絶対に禁物ですが、親指をシャフトの真上に置いておけば、その危険を回避することが出来ます。

この超ウィークなグリップはウェッジ・ショットでボールを高く上げ、すぐに停止させたい時にも有効です。ロフトを100%活かしたボール軌道が得られます。

【おことわり】画像はhttps://s3-eu-west-1.amazonaws.com/にリンクして掲載させて頂いています。 

(December 01, 2020)

パッティング・グリップ再点検

 

最近、目の覚めるようなパットがなくなり、寂しい思いをしていました。コースが資金不足のためか昨年オーヴァー・シードしなかったため、グリーンが荒れてしまったことも一つの原因ですが、私のストロークも良くないという自覚がありました。

床の上に一本のスティール・シャフトのクラブを横たえ、「完璧なストロークの探究」(tipa_193.html)の練習をしてみました。悪くはないのですが、三回に一回ぐらいフォローでフェースがやや左を向きます。これだとプルする恐れがあります。私が「裏技」と称している左前腕を微かにターゲット側に捩る方法や、左手首を僅かに弓なりにする手法を使ってみましたが、フェースが左を向く症状は改善されませんでした。

[putting grip]

ここでフル・ショットの際のグリップとボール軌道の関連を思い出しました。左右両手のVの字がどちらも右肩を指すストロング・グリップは、インパクトで自然にVが顎を指すように戻る動きによって手首が左に返ってフックを生じます。オープンフェースを保つことが重要なバンカー・ショットでストロング・グリップをすると、両手が返ってしまい折角オープンにしたフェースを伏せ目にするので、ボールを砂から出せずチョロってしまいます。

同じことがパッティングにおいても云えると考えました。左手のVの字をスクウェアかウィーク目にすればフェースはクローズにならない筈。試してみました。ピンポーン!ストレートなフォローが出せるようになりました。私はその位置を忘れないよう、急いで左手人差し指と親指が当たるところに白色マーカーで印をつけました。ルールで触って感じられるような印をつけることはルールで禁止されていますが、マーカーの印は指先には感じられませんからOKです。

上の“手当”をした次のラウンド。スコアは10オーヴァー、パット総数は31で、あまりいい出来ではありませんでした。しかし、仲間は「今日はパットが好調だね」と云ってくれました。それは実はその日のNo.8(パー4)の印象が強かったせいでしょう。私の第二打はピン手前3メートルににつきました。われわれのゴルフは1メートルでさえ外すプレイヤーが多いので、2メートルを超えると「ロング・パット」の範疇になり、誰もそれが成功するなどとは思いません。成功したらまぐれです。その日、私は『グリーン・マップス』によってそのラインは真っ直ぐであることを知っていました。オープン目に調節した左手のグリップを信じてストロークした私のボールはするすると坂を駆け上がり、カップのど真ん中に突入して消えました。バーディ。

“手当”の方法は間違ってなかったようです。

(December 01, 2020)



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