March 11, 2019

バンカー・ショットの遵守事項

 

シニア・グループの中で私ほど練習に精出すメンバーはいないでしょう。それもその筈、グループ・メンバーの多くは、ひたすらチームの勝敗だけに関心を持っていて、自分個人のスコアを数えたりしないのです。だから練習しない。パチンコや競輪競馬と同じで、ツキ(バーディ)を待っているだけ。私にとっては出来れば毎回7オーヴァー以下で廻ることが最大の目標なので、チームの勝ち負けだけでなく、自分のスコアも重要なのです。

私の練習にはバンカー・ショットも含まれていて、これまでボールをバンカーに入れても自信満々でプレイ出来ていました。ところがある日のラウンドで二つのホールのバンカー・ショットをホームランしてしまいました。ショックでした。

それだけではなく、その次のラウンドでもホームランしちゃいました。幸い、練習ラウンドだったので、後続のプレイヤーがいないことを確認し、何発か同じショットを試してみました。判りました、何がいけなかったのか。

私がドスンと砂を弾こうとしたのはいいのですが、右手の力が強過ぎ、インパクトで左手が返っていたのです。クラブヘッドは砂にめり込まず、ロフトが減り、ダイレクトにボールを打ってしまった。ホームラン王復活(;へ;)

私は左手主導のスウィングをすべきだったのです。いや、練習ではうまく行っていたのでそうしていた筈ですが、自信過剰か、不注意だったのか、このところ寒くてあまりラウンド出来なかったせいか、ロフトを維持すべきであるという基本を失念していたのです。手首を返さないスウィングを他のものに喩えると、左手に持った木べらでお釜の底のお焦げを「こそげとる」感じがぴったり。お焦げではなく、砂をこそげとるんですが。

 

ここで思い出したのが過去のtipsの一つ。Paul Stankowski(ポール・スタンコウスキ、愛称スタンコ)がこう云っていました。「私はFred Couples(フレッド・カプルズ)のプレイをTVやこの目で見ることが出来た。彼は十中八九クラブから手を離し、一本の手だけで偉大なバンカー・ショットをした。私はFred Couplesのやり方を真似てみた。ある日、私は魔法を見つけた。驚くべき成果だった。こうして、バンカー・ショットは私のベストの技能となり、どんなバンカー・ショットもこなせるという自信をつけさせてくれた」【参照:「スタンコのバンカー・ショット」(tips_143.html)】

そうです。Fred Couplesは時々(毎回ではありません)写真のように右手をクラブから離し、左手一本のフィニッシュをします。【しかし、われわれがインパクト前に右手を離したのでは、多くの場合ボールはバンカーから出ません】 われわれには右手の力も必要なのですが、《バンカーでは右手は添えるだけという感じでスウィングする》…このように考えるべきです。主導権は左手にあり、右手は左手を補佐する程度。これなら手首が返ることはありません。これがバンカー・ショットのコツだと思います。

30ヤードのバンカー・ショットを練習してみました。この距離だと、私はピッチング・ウェッジを使います。普通のショットをする時、私はこのクラブをダブル・インターロックで握るのですが、Fred Couplesに倣って右手はグスグスに緩く握るようにしました。いつでも放せるほど緩く握れば、否応無く左手主導になります。一度、バンカーから30ヤードでチップインも出ました。チップインしないボールもピン傍に集まりました。この作戦、正解のようです。

これまで、いくつかバンカー・ショットのコツを書いて来ましたが、今回遵守事項がまた一つ増えてしまいました。
・距離に応じてクラブを持つ長さを変える。【「バンカー・ショットの距離調節・完全版」(tips_195.html)】
・右手をすごく緩く握り、手首を返さない。【今回分】
・コックを最大にする。【「最大コックがバンカー・ショットの決め手」(tips_193.html)】
・トップで重力がヘッドを下ろすのを待つ。【「バンカー・ショットに失敗しない方法」(tips_195.html)】

なお、これらを遵守しても、砂を先に打たないと相変わらずホームランは出ますので、御注意。

 

(March 11, 2019)

何故しゃかりきになっちゃうのか?

二回の連続したラウンドで、同じホールで全く同じミスをしてしまいました。No.15(パー4)は残りほぼ130ヤード地点からフェアウェイが急激に下っていて、凄く高い砲台のグリーン。下っているので二打目の距離を短く感じるため、誰もがショートします。私はこのホールは残り150ヤードでも3番ウッドでないと乗らないことを知っています。

何せ土手が高いので、ほとんどのボールは駆け上がるエネルギーを失い、夏場は手前に転げ落ち、湿っている冬場は土手の途中で止まってしまいます。私はこのホールのアプローチ・ショットを何度も練習し、残り150ヤード、140、130、120、110、100…と、距離に応じた標準のクラブ選択基準を携帯しています。

前回はティー・ショットが良く飛んで残り140ヤード。21°ハイブリッドを2.5センチ短く持ってぴったりの距離。普通にスウィングすればオンする筈なのに、何故か私は目一杯のパワーで打ってしまい、プッシュしてグリーンの遥か右へ。

その次のラウンド。この日は朝方の小雨でフェアウェイが湿っており、ティー・ショットは残り150ヤード。これも3番ウッドならぴったりであることは分っています。それなのに、私は何故かしゃかりきになって打ってしまい、またもプッシュしてグリーンの遥か右へ。

どうしてこんなことが起るのか?クラブ選択や飛距離に自信がないと、往々にして(ショートが恐いので)強く打ちたくなる衝動が湧くことは理解出来ます。しかし、距離計測とクラブ選択に確信があり、不安を感じる要素は全くないのです。

この突然の衝動に対処するには「距離はクラブに任せろ。下手に人間が助けるとロクなことはない」と呟くことでしょう。飛距離はクラブのロフトに内蔵されているのであって、もしその距離には不足ではないか?と不安を感じるのであれば、もう一つ上の長いクラブを選ぶべきなのです。選択したクラブを信じ、自分の普段通りのスウィングをすべきなのです。

突発的に発生する「ぶっ飛ばす衝動」を厳に戒めるべきです。

 

(March 11, 2019)



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