July 12, 2019

大統領の(姑息な)陰謀

 

図書館に'Commander in Cheat'という本が入荷していたので、借りて読んでみました。'Commander in Chief'なら、アメリカの陸海空全軍に司令する「最高司令官」(=大統領)を意味しますが、"Cheat"ですから「インチキする司令官」という皮肉な題名になります。

[Trump]

'Commander in Cheat'
by Rick Reilly (Hachette, 2019, $36.50)

・Donald Trump(ドナルド・トランプ)の父Fred(フレッド)は、息子たちに「勝て、勝て!勝ったら、もっと勝て!」と教育した。

・Donald Trumpは大学に入るまでゴルフとは無縁だった。彼はPhiladelphia(フィラデルフィア)のみすぼらしいゴルフ場で、失業中の鉄鋼労働者や、ギャンブラー、ハスラーと知り合い、賭けゴルフをするようになった。多くの相手が、「見つからなければどんなインチキをしても勝つ」というプレイの仕方をしたので、彼も同じようにプレイするようになった。

・事業に成功し、彼はアメリカに12のゴルフ場、ヨーロッパ及び中東に7つのゴルフ場を所有あるいは運営している。

・Donald Trumpは「18のクラブ・チャンピオンに優勝した」と豪語しているが、よく調べるとその多くは自分のゴルフ場の開場前に知人と廻ったラウンドを勝手にクラブ・チャンピオンと呼んでいるか、スーパー・シニア(高齢者)のトーナメントであり、純粋なクラブ・チャンピオン優勝は一つもない。

・あるホールで、彼のボールは池の縁から30ヤード付近に突入し誰もが波紋を見た。一行がその付近に到達すると、フォア・キャディがDonald Trumpに、「ボス、ボールはここでさあ」と云い、芝の上のボールを指差した。グループの誰かが「お前、潜水マスクとシュノーケルを使ったのか?」と怒鳴った。

・彼のゴルフカートは特別製の強力エンジンがついており、誰よりも早く走行出来る。誰よりも早くボールに到達すれば、ライの改善は容易い。

・彼はゴルフカートをグリーンの上でも乗り回した。【編註:Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)は、2019年いくつかのグリーンを腹立ち紛れに損傷させたことで、競技失格となったほどなのに】

・著者の友人であるカントリー歌手が、初めてDonald Trumpとラウンドした。Donald TrumpはNo.1でラフに入ったボールをフェアウェイに蹴飛ばした。歌手が「ちょ、ちょっと!今日はそんな風にプレイするの?」と聞くと、Donald Trumpは「おれがプレイする連中はみなこうやるんだ。あんたも奴らに負けずにこうすべきだ」と答えた。

・Donald Trumpはボールを蹴るのが上手いので、彼が所有するコースのキャディたちは、サッカー名人の名をとって彼を「ペレ」と呼んでいる。

・ゴルフ中継で有名な黒人アナウンサーMike Tirico(マイク・ティリコ)が、パー5の二打目でいいショットをピン傍に放った。ところが、グリーンに上がってみると彼のボールはそこになく、バンカーに転がっていた。彼は7を叩いた。ラウンド終了後、Donald Trumpのキャディがやって来て「あんたのあのパー5の二打目はピン傍3メートルについていたんだけど、Trumpがバンカーに投げ込んだんだ」と告げた。

・彼がマリガンを正当化する理由は次のようなものだ。「あんたがおれの気を散らせた」、「おれがスウィングしようとした時、あの鳥が飛んだ」、「足が滑った」等々。

・常識的には、ごく短いパットが残った際、同伴競技者が他の競技者に「そいつはギミー(OK)だ」とパットの省略を許すものだが、Donald Trumpは多くの場合無言で自分自身に「ギミー(OK)」を与える。(勝手にボールを拾い上げてしまう)

・彼は自分の公式ハンディキャップは2.8であると公言している。彼は一年間に80ラウンドしているそうだが、GHIN(USGAのオンライン・スコア登録システム)には、七年間に20ラウンドしか登録していない。【編註:本来は全てのラウンドを登録すべきなのに、出来のいいラウンドだけ登録している感じ】しかも、コースのスロープを見ると、彼がプレイするとは思えない140(高難度)でプレイしたように入力されており、自動的にハンデが下がるように操作されている。一緒に廻ったプロたちは「せいぜい10前後だろう」と云っている。

・Donald Trumpは、難しいLos Angeles C.C.で「68で廻った」と吹聴した。ルールに厳格だったそこのヘッド・プロは、Donald Trumpのグループについた二人のキャディに「68ってのは本当か?」と尋ねた。顔を見合わせた二人のうち一人は「とんでもねっす」、もう一人も「冗談でねっす」と云った。「よくて79だべ」と最初のキャディが云った。

・2017年、Donald Trump大統領は気候変動に関するパリ協定から合衆国の離脱を宣言した。理由は「気候変動は欺瞞、デマ、架空のものに過ぎない」というものだった。ところが彼がアイルランド南西の町に所有するDoonbeg(ドゥーンベッグ)ゴルフ場は、(気候変動による)水位の上昇のせいで三つのホールの損壊が懸念されるとし、約1キロにわたる防壁を作る許可を申請した。

・2017年、トランプ政権は回教国七ヶ国からの入国規制令を発した。それらの国は、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエーメンであった。不思議にも回教国であるアラブ首長国連邦もサウディアラビアも入っていない。何故か?アラブ首長国連邦にはTrumpの名を冠したゴルフ・コースが二つある(一つはTiger Woodsデザイン)。また名だたる回教国であるインドネシアも入国規制令に含まれていない。何故か?Donald Trumpはバリ島に一つ(フィル・ミケルスンによる再デザイン)と、ジャカルタに一つ、ゴルフ場を持っているからだ。

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Donald Trumpのゴルフ場売買を含めたビジネス面での嘘八百、厚顔無恥なごり押し、借金の踏み倒し…等についての内容は割愛します(多過ぎるので)。

【おことわり】画像はhttps://m.media-amazon.comにリンクして表示させて頂いています。

(July 12, 2019)

不思議なラウンド

5(ファイヴ)バーディを得たのはもはや数億光年の彼方となり、最近はワン・ラウンドにつきたった一個のバーディしか得られないようになってしまいました。

チームのキャプテンになると、少なくとも二個のバーディ、願わくば三個のバーディを達成しないと、他のチームと拮抗出来ません。…必ずどこかでボギーが出ますから。現在の体たらくでは、キャプテンの私がチームメイトを選ぶと、彼らを玉砕特別攻撃機に同乗させるようなもので、彼らが気の毒になります。

そういう犠牲者を出したくないので、少なくとも二個のバーディが出せるまでシニア・グループから離れ、自主トレをすることにしました。

その最初の日、相変わらずバーディは一個しかなくがっかり。しかも3パット一回、ダボ一つという悲惨な事実も混じっています。パット総数は31。これは最近でも最悪の数字です。で、スコアは?5オーヴァー。「えっ?間違いだろ?」って思いました。四回も数え直してみましたが、間違いありません。

振り返ると、四つのパー3のうち三つにワン・オンさせたり、結構堅実なゴルフをしていたのでした。パーオン率は50%(9ホール)。「パーオン率がゴルフを決める」(tips_89.html)によれば、「80を切るには八つのグリーンにパーオンさせなくてはならない」とありますから、それより良ければさほど不思議では無かったのかも知れません。

(July 12, 2019)

奇妙なハーフ

ある日のラウンドの後半で、No.10からNo.18まで全部"4"という珍しいスコアで廻りました。このハーフにはパー5は一つだけなので、そこでのバーディが効いています。しかし、二つのパー3をボギーにしたことも露呈しています(;へ;)。このハーフは1オーヴァー、パット数は15でした。あまり威張れませんが、奇妙なスコアであることは確かです(^^;;。

その次のラウンドのやはり後半、パー5でバーディが得られなかったせいで、一つ5が混じってしまいましたが、それを除けば他はやはり全部"4"でした。このハーフは2オーヴァー。

(July 12, 2019)

ひどいラウンドでも学ぶことはある

3パット、ダブルボギー、トップ、ダフり、シャンク、ホームラン…こういう現象でめげてしまう心理は解ります。「ゴルフなんかに来ないで、家でのんびりしてるんだった…」私にもそういう時があります。

しかし、そういうろくでもないラウンドでも、明日への糧となるヒントは転がっているものです。それをお土産として持ち帰らない手はありません。向上心がある限り、失敗を次のラウンドで繰り返さないよう、自分の『べからず集』に書き込んでおきましょう。

ある早朝に一人でラウンドしたら、半分ぐらいのホールで散水をしていて、スプリンクラーから放水される水に逃げ惑いながらプレイすることに…。こういう場合、パットがベラボーに遅くなるのは知っていました。朝露だとハイドロプレーン現象によって早く転がるのですが、散水はいわば大雨で、この場合は遅くなるのです。そのせいでバーディやパーをいくつも逃しました。

しかし、この日私が学んだのはグリーンの外の濡れた草の上からのチッピングでした。別にザックリのミスを犯したわけではなく、ちゃんとスウィングしたのですが、ボールが30センチすらも進まないのです。これを三回ぐらい経験しました。びしょびしょに濡れた草の上のボールを打つ場合は、クリーンにしかも断固としたスウィングで倍ぐらいの距離を打つつもりで打たなければいけないということを知りました。

(July 12, 2019)



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