December 18, 2019
●パターのライ角を変えるな私は常に完璧なパッティング・ポスチャーおよびパッティング・ストロークの方法を模索していますが、ふとライ角の重要性を思い出しました。当サイトの「パターの長さとライ角」(tips_93.html)という記事で、ショートゲーム・インストラクターDave Pelz(デイヴ・ペルツ)は「ライ角が変わるとスウィート・スポットの位置を変えてしまう。パターがアップライト(写真左の例)だと、アドレスでトゥが浮き、ヒールが接地することになり、スウィート・スポットはヒール寄りとなる。ライ角が過度にフラット(写真右の例)だと、ヒールが浮き、スウィート・スポットはトゥ方向に移動する」と述べています。
本当は購入時に自分の身長に合ったシャフトの長さ、自分のポスチャーに合ったライ角のパターを選ぶべきなのですが、デザインとか打感とかが優先し、ついライ角の重要性は無視されたりします。かといって、不注意に買ってしまって自分に合わないライ角のパターだから…と捨てる訳にもいきません。なぜライ角がそうも重要なのか?ライ角によって狙い方やボールの転がる方向に影響が出るからです。
パターのトゥが浮いたアドレスだと、ターゲットの左を狙いがちになり易く、さらにヒール寄りのスウィート・スポットで打つことになるため、ボールをプルしがちになります。逆にヒールが浮いたアドレスだと、トゥ寄りのスウィート・スポットで打つことになり、ボールをプッシュしがちになります。図の青木 功のようにトゥを立てたストロークだとスウィート・スポットはヒール寄りとなるため、コントロールが難しい。現役時代の青木 功は毎日のようにラウンドし、練習も頻繁にしていたでしょうから、こうしたプロにとってはトゥを上げようが下げようが問題なかったでしょう。われわれは違います。われわれは、スウィート・スポットを移動させず、パターヘッドに描かれたスウィート・スポットの線(あるいは点)でボールを真っ直ぐ打とうと努力するのが賢明です。
ある日のラウンド、私は正しいライ角で通してパットする決意をしました。右手で持ったパターをボールの後ろに配置し、先ずパター・ヘッドの底面を真っ平らに置くことから始めました。ヘッドを水平に置いたパター・シャフトの角度を変えずに、左前腕とシャフトが一直線になるように左手を添える。つまりライ角優先でセットアップし、ストロークしてみたのです。
アウトのスコアは秘密ですが【ひどかった(;へ;)】、インは計11パットでハーフ・パー・プレイが出来ました。チップインがあったわけでもなく、長いパットが入ったわけでもなく(最も長いので3メートル)、毎回OKの距離にぴたぴた寄せたわけでもありません。バーディも皆無。インのパーオンはたった二ホールで、寄せワン七つでしのぎました。つまり、中・近距離のパットの成功率が高かったと云えます。そして、この日努力していた唯一のことはライ角を変えないでパットすることでした。
(December 18, 2019)
●生命線は“生命線”である
「パターのライ角を変えるな」という発見によってハーフ11パットを達成した直後のラウンド。記録更新の期待が大きかったのに反し、パッティングは最低でした。アウトは各ホール全てで2パットという体たらく。No. 11ではうまく寄せられパットするのを回避出来たせいで(^^;;、やっと1パットで済みました。ほぼラウンド終了近くとなって、私はなぜパットが不調なのか、その原因に気づきました。
私は、左手の生命線を右図の③の角に当て、右手の生命線を⑥の角に当ててパターを握ることにしています。ところが、最近実行中のシングル・プレーン・スウィングはパームで握る必要があり、両方が酷似しているのでいつの間にかごっちゃにして、パットする時もフル・スウィングのグリップをしていたのです。パッティングの際の左手は、写真右の赤線で示した生命線でパターの③の角を握るべきなのに、写真の黒いハンドルのところで握っていました。繊細なパッティング・ストロークをするには、この違いは非常に大きい。
その間違いに気づいてから、やっとNo.18でバーディを射止めましたが、そうでなければ「エイジはパッティング・スランプだな」と仲間から思われたことでしょう。シングル・プレーン・スウィングは真っ直ぐ飛び、距離も出るので感謝していたのですが、とんだ副作用に見舞われたものです。生命線でパターを握る方法は私のパッティング・メソッドの“生命線”であり、絶対に変えてはいけないものであることを痛感しました。
(December 18, 2019)
驚きました。先ず左の写真を御覧下さい。'Putting Navigator'という商品で、米Amazonの価格は約50ドルです。これはどんなタイプのパターにも装着出来るのと、この器具をつけてボールを打てるのがいい点ですが、こんなものに50ドル出す必要はありません。
以前、Odyssey Rossie II用にも作ったことがありますが、今回はGuerin Rife 2Barのために製作したものをご紹介します。パターヘッド上部の錘(おもり)調節用の弾丸みたいな二つの凸起の間にすっぽり嵌(は)まるように切ったスタイロフォームに、鉛筆をガムテープで貼り付けただけ。超軽量で、我ながら傑作です。着脱も簡単。材料費はタダです。
なぜ、これがクラブシャフトの上に置かれているかは、「完璧なストロークの探究」(tps_193.html)を御覧下さい。床(あるいはコースの芝)の上に寝せたクラブのシャフトの上で、このような器具を装着したパターによってストローク動作をします。ストレート・ストロークを志向する場合、インパクト〜フォローにかけて鉛筆の先端がターゲットを向き続け、寝せたシャフト上でスクウェアに留まっていなくてはなりません。
パターに描かれた線だけだと一見フェースがターゲットにスクウェアのようでも、僅かな誤差でもズレを拡大して見せてくれる鉛筆やペンの先を誤摩化すことは出来ません。こうした器具を用いる素振りは非常にシビアです。グリップ、スタンス、ポスチャー、ボールの位置、目の位置などのどれかを変更したら、その都度その方法で正しくストローク出来るかどうか、必ずこのテストを実行して確認すべきです。何しろ、タダで出来るのですから、利用しないテはありません。
(December 18, 2019)
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