March 21, 2018
●Fred Couples(フレッド・カプルズ)のナチュラル・ストローク
快適なポスチャーで自然にパットしようというFred Couples(フレッド・カプルズ)のメソッド。この本は、彼がthe Masters(マスターズ)で優勝した翌年に出版されています。彼の技法をまとめると、この当時は普通の長さのパターを用い、レフトハンド・ローのグリップ、ボール位置は(ややアッパーに打つため)左足内側前方、ボールから離れ(目の下より5〜10センチは外)、ややオープンに構え、かなり深めに屈み込み、(突くような動きは避け)カップで息絶える強さでストロークしていました。 'Total Shotmaking' 「パッティング・スタイルの主流には二つの流派があり、一つは手首を硬くして肩と腕主体でストロークする一派、もう一つは手首でボールを弾く一派である。私は両方をミックスしたスタイルで、肩と腕でストロークのパワーを生成するけれども、手首を硬直させず自然になるがままに任せるため、トップとフォローの両方で手首は僅かに曲がる。 私は手首を動かすかどうか決めたりしない。私はパターを軽く握るので、長いパットでパターヘッドをより遠くに動かす時は、手首が単純にそれに反応する。どれだけ手首が折れるかは、ストロークの長さとカップに届かせるに必要なパワーの量次第である。60センチの距離のパットでは、私の手首は動かないが、15メートルのパットでは顕著な手首の折れが生じる。 短いパットでは少しきつ目のグリップをしても問題無いが、私は距離が長くなればなるほどさらにもっと軽く握る。この軽いグリップは右手首が折れるのを容易にする。距離が7メートル以上になったら、徐々に右手のグリップ圧を軽くし、バックストロークのトップで右手首の自然な折れを許す。 私は主として腕と肩が一体となったバックストロークをする。私は左手はガイド役を務める手、右手はパワーを供給する手と考える。 短いパットではパターを地面すれすれに低く動かすが、ストロークが長くなるにつれ、パターヘッドの重みに反応して右手首が折れる。パターを軽く握っていれば、その右手首の動きは自然に発生する。どれだけ右手首を折るか、それをあなたが決める必要はない。手首が決めるのだ。 私が云わんとするところを視覚化出来る比喩を進呈しよう。小さな子供と地面でボールを転がす遊びをしているところを想像してほしい。1メートルの距離であれば手首の動きなど無しで腕がコントロールする。距離が5メートル位になると、腕のスムーズな振りに反応して手首がほんの少し折れる。15メートル以上の距離を転がす段になると、手首は後方と前方どちらでも大きく折れる筈だ。これはパッティング・ストロークでもまさしく発生させるべきことなのだ」 |
(March 21, 2018)
●Lee Trevino(リー・トレヴィノ)のパッティングの智恵
The Masters(マスターズ)を除くメイジャーに二回ずつ優勝し、プロとして計90勝を挙げているLee Trevino(リー・トレヴィノ)のパッティングtip。
'Groove Your Swing My Way' 「ゴルフの全てにおいて左手が主導権を握るべきだ。特にパッティングにおいて。私はパターのヒールがストロークをリードする感覚を得たい。 私が時折用いるいい練習法の一つは、意図的に超短いバックストロークでパットするというものだ。私は10メートルのパットに、5〜7センチのバックストロークでパットする。馬鹿げてるって?それは承知の上だ。これはストロークに必要な加速するフィーリングを生み出す。この練習を数回行うと、ストロークの長さなど考えなくても自動的に加速し始める。 もしあなたが1メートル前後のパットで悩んでいるなら(悩んでない奴なんているかい?)、ボールをスタンス後方(両足の間隔の1/2ほど下げる)にしてみられよ。これはJack Burke, Jr.(ジャッキー・バーク二世)から教わったもので、非常に役に立つ。スタンス後方にボールを置くと、実際には通常のスタンスより左足がカップに近づく。これは短いパットをさらに短くするわけで、自信を持ってストローク出来ることになる。ボール位置を後方にして両手を通常通りにアドレスすると、左手はクラブヘッドをリードする良い位置を占め、それもまた加速する助けとなる。そして、このハンド・ファーストの構えだと、インパクト前にパターフェースをクローズにしたりしなくなる。 アーム・ストロークをするなら、アドレスで両手を高く構えること。両手が低いと手首を多用するストロークになり易く、ストレート・ストロークでなく円弧型ストロークになってしまう。手首を高く構えることを、業界用語では手首の"freeze"(凍結)と呼ぶ。パターは左手の生命線で握ることを勧める。フル・ショットでは手首の動きを必要とするが、パットでは否である(手首の動きはトラブルの因でしかない)。 多くのパット名人たちがやることの一つは、思考を明確な二つのパートに分けることだ。最初は方向について考え、次いで距離あるいは強さについて考える。彼らはいったんラインを決定し、パターフェースで狙いを定めたら、その後方向については忘れ去り、距離に合う感覚を得ることに務める。Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)がパットする前に長時間立ち尽くしている時、彼の頭の中でこのようなプロセスを辿っていることは間違いない。私だってJack Nicklausのようにパット出来るなら、カラスが塒(ねぐら)に帰るまで立っててもいい(^-^)。 |
実際には私はせっかちにパットするタイプだ。私は何度も素振りをしたりしないし、ボールの上で立ち尽くして筋肉と頭を緊張させたりもしたくない。プレッシャーがかかればかかるほど、私は早めに引き金を引く。1971年の全英オープン最終日の最終ホールの優勝をかけたパットなど、アナウンサーがまだブレイクの方向について喋っている間にボールを沈めてしまった。【編註:その結果優勝した】
グリーンを読む時、私は具体的にラインを絞る前に、全体の印象を得たいと思う。それが、私がボールの背後からだけでなく左右両横からも見ながら、グリーンのあちこちを歩き回る理由だ。ラインの両サイドの勾配をチェックすれば、どっちへどの程度ブレイクするか判る。距離や上り下りの度合いおよび軌道も、単にボールの背後から見るだけよりも明確になる。だが、パットの判断に一日かけたりしないで貰いたい。同伴競技者がグリーンに上がって来て、ボールマークを修復する間に、両サイドからラインを読むことは完了出来る筈だ」
(March 21, 2018)
●パットのショート病への妙薬
ある日の練習で、5メートルの距離も10メートルも20センチほどショートする傾向がありました。私は弾くようなストロークはしたくないので、あくまでもバックストロークの幅で調節するしかありません。しかし、たった20センチ増やすためのバックストロークの幅というのは、どれだけ長くすべきか判断がつきません。立ち往生。
ふと、「自分はスウィートスポットで打っていないのではないか?スウィートスポットでボールを打てば、20センチぐらい伸びるのではないか?」と思いました。その時思い出したのが、Michelle Wie(ミシェル・ウィ)の「ディンプルの一つを見つめよ」(tips_171.html)です。彼女のtipはパッティングではなく、ドライヴァーを打つためのものなのですが、無論パッティングにも応用出来る筈です。 Loren Roberts(ローレン・ロバーツ)のようにストロークする際は目の焦点をぼやかす…という人もいますが、スウィートスポットで打つにはディンプルの一つを凝視することが役立つと思われました。事実、ディンプルの一つに焦点を合わせてから、距離はぴったりに打てるようになりました。スウィートスポットで打つことによって、労せずして20センチの距離を増やせたのです。 その数週間後、またショート病が復活。ディンプルを凝視しても距離が伸びません。グリップあるいはグリップ圧に問題があるのではないかと推測し、レフトハンド・ローだけでなくライトハンド・ローを試したりもしました。 結論を先に云えば、パターを短めに持つとぴったりの距離で打て、方向性も改善されることが判りました。「うっそーっ!」ですって?ホントですから仕方がありません。ドライヴァーは長尺の方が飛ぶのですが、パターは違うみたいです。ある英国のインストラクターが「パターを短く持ってはならない」と云っていたので、常に長く持つようにしていたのですが、私の悩みには逆の方が効果があることが判ったのです。多分、短く持つとより精確にスウィートスポットで打てるので、パワーがストレートに伝わるからではないでしょうか? あるいは、私がパター・ハンドルを太目にしたせいで全体のバランスが変わり、短めに持った時に最適のバランスになっているということかも知れません。いずれにせよ、異なる長さで握ってみることがいい結果を生むかも知れない…というヒントにはなるでしょう。 |
(March 21, 2018)
●Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の パターを短く持ってはいけない
これはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)が旧著や雑誌などに書いた原稿のパッティングの部分だけを集大成した本から、ショートパットを成功させるコツ。 'Putting My Way' 「われわれ全てがショートパットで時々ためらいがちになる。そのためらいが頻繁にインパクト前にクラブヘッドを減速させる原因となり、結果は保証付きのショートだ。 この点に関して、私はショートパットの際にパターを短く持たないよう助言する。短く持つと常よりもパターが軽く感じられ、異なる質の(おずおずした、あるいはギクシャクした)ストロークをしがちになる。そんなことが起らないよう、私はパターのグリップをかなり短くし、グリップエンドしか握れないようにしている。 また、ボールをしっかり打つことを確実にするため、誇張したフォロースルーをするとよい。パターフェースをオープンにしたりクローズにしたりすることなく、ボールが6〜9インチ(約15〜23センチ)ほどカップを真っ直ぐ通過するぐらい、スウィングする。 こうした1〜1.2メートルのパットの練習によって、真にスクウェアなパターフェースでソリッドなストロークの感じはもちろん、ボールに向かって加速する感覚も獲得出来る筈だ」 |
(March 21, 2018)
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