March 14, 2018

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)のボール・コントロール

 

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の遺産」シリーズ。

'495 Golf Lessons'
by Arnold Palmer edited by Earl Puckett (PGA), (Digest Books, Inc., 1973, $4.95)

・ホーガン流フェードを打つ方法

大方のアマチュアは、絶対にスライスのようにカーヴするショットを打ちたがらない。だが、ハイ・フェードのプローチ・ショットを選択すべきことについては、もっと多くが語られるべきだ。このショットは左から右へ僅かにカーヴする。それはグリーンにふわーっと着地し、急停止する。信じて欲しい。グリーンが固いか砲台であったり、追い風であったりすれば、Ben Hogan(ベン・ホーガン)が名人芸を見せたこのハイ・フェード・アプローチを、あなたの武器の一つにするのは価値あることだ。

このショットを打つには、アドレスでクラブフェースはターゲットにスクウェアにしたまま、両足・腰・肩で僅かに左を狙う。このアドレス体勢はクラブが若干ボールをカットするように打ってフェードを生む。

通常よりボールをスタンスの遥かターゲット側、ほぼ左踵の前方に置くこと。これがエクストラの高度を与えてくれる。

インパクト直後に右手が左手にかぶさらないように注意。これはクラブフェースをクローズにしてしまい、低く左に出るプルフックの原因となる。

【参考】「フェードの秘訣」(tips_179.html)


・スライサーはアドレスをチェックせよ

 

アドレスしたゴルファーを飛行線後方から見た時、右腕が左腕より上になっている場合このゴルファーの上半身はターゲットの左に身体を揃えており、インパクトでターゲットラインに対し間違いなくアウトサイドからインサイドにクラブヘッドが振られることを示している。これは弱々しい右へのカット、あるいは左へのプルを生む。

右腕が左腕より下でアドレスされるのが正しいアライメントだ。こうするとあなたは右を狙っているように感じるかも知れない。だが、あなたはクラブヘッドをボールに向かってスクウェアに振り、ボールは長く真っ直ぐに飛ぶ筈だ。


・スライスを真っ直ぐにする

バックスウィングのトップで左手首を甲側に凹型に折る人は、スライスを製造しがちである。あなたがスライスを打つ傾向があるなら、トップでの手首の折れをチェックすべきだ。

ショットを真っ直ぐにするには、トップで左手首と前腕部とを真っ直ぐ一線にする。この形をトップで(そしてインパクトでも)作るには、テイクアウェイでクラブフェースが長時間ボールに面するようにする。バックスウィングの最初の1メートル近くを、(丁度パットする時のバックストロークのように)スクウェアにし続けること。


・体重を踵に掛け続けよ

ダウンスウィングの間体重を踵に掛けていないと、遠心力の作用が実質的に安定した良いショットをすることを不可能にする。ダウンスウィングでゴルファーが身体を回転させる際、遠心力がクラブを外側に引っ張る原因となる。この遠心力を相殺しなければ、お粗末なショットを生じるのは明らかだ。遠心力の影響と釣り合いを取るには、体重の多くを踵側に掛けたアドレスをすることだ。


・ティーアップしたアイアン・ショットでもヒットダウンすべし

 

大方のプロはティー・グラウンドからアイアンを打つ際、ボールをティーアップする。アマチュアの中には、ティーアップせずにボールを地面に転がして打つのが格好いいと考える人がいるように見受けられる。

私は、このようにティーアップされたボールも、フェアウェイにあると看做して打つべきだと考える。その意味は、クラブが地面に接する前にボールと先にコンタクトするように打つということだ(=ヒットダウン)。

ボールへのしっかりしたダウンブローが、最大飛距離でなく方向を主眼とするこうしたショットに必要な、引き締まった左サイドと強固な左手首を維持しつつボールに向かうことを助けてくれる。


[Palmer]

・左耳をボールから離すな

多くのゴルファーが、バックスウィングで上体を右にスウェイさせて、パワーとコントロールを失ってしまう。最大の飛距離とコントロールを得ようと筋肉を捻転するためには頭をボールの上に留めるべきだ。

実際には、私はスウィングの間じゅう、自分の右耳がボールの上にあるように考える。これはスウェイを防ぐだけでなく、ダウンスウィングの間上半身をボールの後方に正しく留めてくれる。


・爪先の角度一つでパワフルなスウィング

スウィングに足の位置が影響する事実を軽視してはならない。今日の上手なゴルファーたちは、右爪先は飛行線に対し直角にしているが、左爪先は僅かに開く。

右爪先を真っ直ぐにすると、バックスウィングで右横にスウェイするのを防ぐ。それはボールの上に留まり続けるのを助けてくれる。

左爪先を開くと、ダウンスウィングの開始で両脚を左へ動かすことを促進する。左爪先を開かないと、この動作を制限しスウィングをブロックしてしまう。

つづめれば、これらの足の位置はバックスウィングでの捻転と、ダウンスウィングでの下半身の自由な動きを与えてくれるのだ。その結果はよいバランスとさらなる飛距離である。


・アドレスで両手を上げよ

次回トップ・アマかプロのスウィングを見る機会があったら、アドレスでの手の位置に注目。彼らが両手を高くしているのを見るのは間違いないと思う。つまり、前腕のトップから親指までほとんど一線に揃っているということだ。

この両手の位置はプレイヤーがパーム(掌)でなく、フィンガー(指)でクラブを握っていることを示している。これは掌で握るよりもフィーリングが得られる。われわれが何かを感じたい時、われわれは掌でなく指で触れるものだ。

高く上げた手首は、機敏な臨戦態勢にある。手首の上に皺が出来ているのは不可。もし、横から見て手首が甲側で折れたアドレスをしているゴルファーは、ロー・ハンデではないと云えるだろう。

フル・スウィングでの主な役目は、アドレスした時と同じようにボールにスクウェアにクラブフェースを戻すことだ。逆に云えば、プレイヤーのアドレス体勢はほぼインパクト体勢に類似しているべきである。インパクトでは両手首は高い位置にある筈だから、アドレスでも高くしておくべきなのだ。


・バックハンドでボールを打て

ボールを打つのは、テニスのバックハンドの動きのようなものである。あなたは左手の甲でボールを打つ感覚を得るべきだ。もし、あなたがしょっちゅうスライスしているなら、あなたはバックハンドでのインパクトをしていないからだ。

右手が優勢だと左手首が凹型に折れてしまう。強靭なゴルファーが左手優先でスウィングすれば、こうはならない。バックハンドで打つためには、バックスウィング開始の際に手を右に廻したりしないことだ。

インパクト・ゾーンで左手甲、手首そして前腕下部は真っ直ぐで、ほぼターゲットラインを向いているべきである。あなたの左サイドが真に優勢であるなら、この真っ直ぐな左手首をフィニッシュまで維持出来る筈だ。

 

誰にでも達成出来るわけではないが、これは全てのゴルファーが求める目的として価値あるものだ。これに成功すれば、もっと頻繁にボールをストレートに飛ばすことが可能になる。


・飛行軌道を延長せよ

もし飛行軌道と、ターゲットラインのボールの高さに沿って長い間クラブヘッドの動きを維持出来るなら、スコアは格段に向上することだろう。

これを達成し、そしてソリッドなコンタクトのチャンスを増やす途は、インパクトを過ぎてもなお両手をターゲット方向に延長することだ。確実に左手甲をターゲットに向けてボールを打つ。その方向に引き続きコンマ数秒左手甲を向け続けるのだ。


・ヒッティング・ゾーンでアンコックせよ

バックスウィングのトップまでに完了したコックは、クラブと両手が90°を形成し、"L"字になる。私はこの"L"字を、両手がヒッティング・ゾーンに突入するまで緩めない。これは『レイト・ヒット』と呼ばれ、パワーの主たる源泉である。ゴルファーでこの"L"字を作り、インパクト迄にクラブフェースをスクウェアに出来る者は間違いなく遠くにボールを飛ばせる。

両手が腰の高さ迄下りて来て、なおかつ"L"字を解かずにインパクトに向かわせるには、
1) ダウンスウィングの開始で体重を左に移す。
2) 右肩を下げ、右肘を身体の右脇に戻す。
3) ダウンスウィングを両手で遂行しようとか、頭を左に移そうとする動きを避ける。

【参考】《Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の遺産」シリーズ》
・「眼鏡を掛けたゴルファーの頭」(tips_188.html)
・「Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の脚の使い方」(tips_189.html)

 

(March 14, 2018)



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