June 24, 2018

右手の出しゃばりがパットを失敗させる

 

ある日のラウンド。私はキャプテンを拝命したにも関わらず、最低のゴルフでした。パットが全然入らなかったのです。バーディ・チャンスは五回あったのですが、いずれも僅かにカップの左右に逸れるか、リップアウト。合計33パットもしてしまいました。

失敗したホールで必ず復習のパットをしてみましたが、それすら一発では入りませんでした。何か、直ちに治せない、重篤な障害がありそうでした。

帰宅してこの日の失敗について考えました。カードを見ると、No.2、No.3、No.4と1パットでパーをせしめて好調な出だしで、チームメイトを喜ばせたのですが…。多分、それがいけなかったのです。いずれも1〜2メートルに寄せたのを沈めたものですが、短いパットは断固強めに打たなくてはなりません。へろへろ球を打つと、カップの周りの踏み跡や凸凹によってあらぬ方向へ逸れてしまいがちだからです。強めに打つには右手の関与が必要です。

これが尾を引いたのです。その後の中距離、長距離のパットでも私は右手の関与を許してしまった。左手主導のパッティング・グリップをしていながら、左右の手の力を50:50という配分で動かしていたのだと思います。真に左手主導なら90:10か80:20でなければならなかったのに…。右手が出しゃばったために、パターフェースを僅かながら捩じ曲げ、読み通りにボールを転がせなかった、いや、右手が暴走したとも云えるでしょう。大失態。しかし、その日のうちに気づいただけでも幸いでした。

私は過去の『日記』のパッティングの項を読み返し、『遂に発見!ショートパットの秘訣』(tips_187.html)を読み直しました。それは「右手は親指と人差し指でパターを握り、中指・薬指・小指はパターに触れず、左手の三本の指の背を覆うだけ」というグリップで、右手の出しゃばりを防ぐものです。

で、『遂に発見!ショートパットの秘訣』のメソッドに完全に戻してみました。パターもOdyssey Rosie IIからGuerin Rife製 2 Bar Malletにチェンジ。そして18ホールを(フェアウェイは素っ飛ばして)グリーンだけプレイして廻ってみました。ピンから1メートルの東西南北の距離に四個のボールを配置し、四個全部がちゃんとカップの底に沈むように練習。1メートルというのは、うまく寄せられてバーディが期待出来る状況です。この距離に自信が持てないようでは楽しくありません。

2 Bar Malletはヘッド重量を調節出来るのですが、私は一番重い設定にしています。これだと、手で打つというより、ヘッドの重みが重力によってボールに戻る動きに合わせて打つという感じなので、方向の乱れを最少限に抑えられます。先日のラウンドでは、長いパットを一つ成功させ、1メートル前後のパットはほぼ100%成功させ、29パットに収められました。

 

(June 24, 2018)

パットでグリーン・フィーを稼ぎ出せ

 

'How to make more money putts'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' June 2008)

「パットはあなたの打数のほぼ半分に当たるものなのだから、ドライヴァーを打つより面白くないとしても、打ちっ放しよりも練習グリーンでもっと時間を費やすべきである。その動機付けとして、現金(げんなま)の味付けで練習するとよい。

先ず出発点として、四個のボールをカップから1.5メートルのところに置く。パットに成功したらあなたは5,000円の賞金を得る。リップアウト(入りかけて、くるっと廻って出て行ってしまうボール)には4,000円の賞金。カップを通り過ぎた場合、それがプロ・サイド(カップより高い方)へのミスなら2,000円の賞金、アマ・サイド(低い方)へのミスだったら何も無し。もしショートしたら、高めの方へのミスなら2,000円の罰金、低目の方へのミスなら4,000円の罰金を賞金獲得総額から差し引く。

四個のボールによって様々な距離(最長10メートル)からパットする。18ホールを終えて、グリーン・フィーに相当する賞金が得られなかったら、コースに出て行ってはならない。賞金額がグリーン・フィーに達するまで練習すべし」

(June 24, 2018)

超流動体をパターヘッドへと滑り落とす

 

ある日、計10ホールでパーオンしながら、バーディを得たのは1ホールだけという口惜しい思いをしました。成功したそのバーディは、約10メートルの上りで、しっかり打てば良かったので楽勝でした。他の多くは難しいラインだったので仕方がないのですが、No.8とNo.9のパットの距離は僅か4メートル程度。それらの失敗の原因は、距離に焦点を合わせたストロークで機械的過ぎ、ストロークがスムーズでなかったこと。スムーズにリリースしていれば入ったところでした。(復習パットは一発で入った)

口惜しいので、その後流麗なストロークをテーマに練習しました。練習している内に、自然に「重力まかせのストローク」(tips_155.html)と「超流動体的ストローク」を合体させることに…。「重力まかせ」と云うのはパターヘッドの重みを活かしてストロークすることを意味し、人間が方向に積極的に関与しない分、より正確なストロークが得られるというコンセプトです。

その「重力まかせのストローク」を「スーパーフルイド」と唱えながらパットしてみました。"superfluid"(超流動体)は「超流動体的ストローク」(tips_157.html)に出て来た水銀のような液体金属のイメージで、そのねっとりした性状をストロークで模倣すべきであるという理論です。「スーパー」と云いつつバックストロークし、「フルイド」【註】と云いながらフォワードストロークしますが、その時、脳内にねっとりした液体のイメージを抱くのです。単に「ワン・ツー」という無機的なメトロノームの役割では得られない、滑らかなストロークを遂行しようという狙いです。この感覚を得るには、目をつむって練習するのがいいようです。

【註】"fluid"(フルイド)というのは発音しにくいと云う方がおられますが、これは「古井戸」と全く同じ発音であり、日本人なら誰でも問題なく云える言葉です。日本語に英語の"R"の音はなく、「ラリルレロ」は全て"L"に近い音ですから、"fluid"は完全に「古井戸」なのです。「古井戸」も液体のイメージを喚起しますから、単なる「ワン・ツー」よりベターと云えます。

 

練習しているうちに、手元に存在した超流動体の塊が、シャフトを滑り降りてヘッドに到達し、そのエネルギーがボールを打つイメージが湧くようになりました。バックストロークのトップで超流動体が下方に向かう動きを感じるためには、一瞬の間(ま)が必要です。それはパターヘッドをボール方向に戻そうとする重力の作用を感じ取る間(ま)と同じです。それはまた、時計の振り子やブランコが両端で一瞬止まるように見えるのに似ています。一瞬の間(ま)の後、その超流動体をシャフトの中で転がしながらフォワードストロークします。滑り降りる超流動体の塊の動きを感じながらのストロークですから、急速であったりぎくしゃくしたものではなく、ねっとりしたものでなくてはなりません。ここに「重力まかせのストローク」と「超流動体ストローク」とが合体したのです。

これは解り易く云えば、重力がパターヘッドをアドレス・ポジションに戻そうとする作用を利用する…と云い替えられます。しかし、そんな舞台裏を知っても何も視覚化出来ません。やはり超流動体の塊がシャフトを滑り落ちるイメージが必要です。その転がりの速度に合わせてストロークします。

驚いたことに、その日の練習では2メートルのパットがぽんぽん入り出しました。これこそ文字通り「目から鱗」でした。

その数日後のラウンド。パット総数には目覚ましい変化が見られなかったものの、自分でも驚くようないいパットが出来るようになりました。新しいメソッドを試す時には馬鹿げたミスも犯すもので、この日のかなりのミスはそういう類いでした。

【参考】「超流動体的ストローク」(tips_157.html)

 

(June 20, 2018)

パットする際、下半身をコンクリート詰めにせよ

 

'The Best Golf Tips Ever'
edited by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)

「ヨーロピアン・ツァーのPaul Eales(ポール・イールズ)のメンタル・アイデア。『ストロークの間下半身を静止させておくことはきわめて重要だ。脚や腰を大きく動かすとパターをラインから逸らす原因となるからだ。下半身を静止させるいい方法は、両脚がコンクリートで固められていて動かせないと想像することだ。それはストロークを腕と肩でコントロールし、ストロークを台無しにする下半身の動きを防ぐことが出来る」

(June 24, 2018)



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