January 28, 2018

パットを成功させるメンタルtips

 

インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)によるtip。

'The 3 Scoring Clubs'
by Jim McLean (Gotham Books, 2005, $30.00)

「中級と上級を大きく分けるものは、パッティングを助けるためにどの程度思考力を用いるかだ。皮肉なことに、これはほとんど注目されない分野である。私はトップ・クラスのスポーツ心理学者たちと広範囲に共同作業して来た。名前を挙げれば、Bob Rotella(ボブ・ロテラ)、Richard Coop(リチャード・クープ)、Chuck Hogan(チャック・ホーガン)、Fran Pirozzolo(フラン・ピロッツォーロ)らである。彼らと共に学んだベストのアイデアのいくつかを披露するので、マインド・パワーがあなたのパッティングを助けることを願う。

1. ボールからカップまで、パターフェースの真ん中からレーザー光線あるいは溝が刻まれているのを視覚化し、この軌道に沿ってボールを転がす。

2. カップの縁のどこかに変色した草を見つけ、それをターゲットして打つ。こうすれば、もしターゲットをミスしたとしてもボールはカップに転げ込む。

3. あなたのプレパット・ルーティーンをシャープにし、脳と連携させるため、何か物理的な引き金を用いる。例:パット前に手袋のヴェルクロをベリッと剥がして脱ぐとか。これはあなたのルーティーン開始のシグナルとなり、あなたの潜在意識が業務を引き継ぐ。こうすると、テクニックについて考えることなく、自然なストロークが出来る。

4. 極端に緊張する場面を克服し、心をリラックスさせるため、自分自身に次のように語りかける、『今日、ゴルフ出来るなんて何とラッキーなのだろう。ラウンドを楽しもうじゃないか』と。

【編註】Tom Kite(トム・カイト)の言葉。「あるショットの成否、勝利や敗北について心配が湧いて来たら、中国の7億人の人たちを思い浮かべるべきだ。彼らはあなたの一打のことなど知っちゃいない。どうでもいいことなのだ」

5. ラインのボールの先6インチの辺りの一点を視覚化し、ボールがそこを通過すればカップに入ると思い込む。

 

6. プレッシャー下のパットで心を静めるには、練習グリーンで容易くボールを沈めている自分を想像する。以前何百回も成功させたパットの一つに過ぎないと考えるのだ。

7. 3パットに繋がるようなオーヴァーのミスで悩んでいるなら、カップの向こうに急激な崖があると想像する。その縁から落下させたくない筈だ。

8. 下りのパットを強く打ち過ぎる傾向があるなら、ライン上をカップに向かって急流が流れていると想像する。このイメージは軽くストロークすることを助けてくれる。

9. 極端な上りのパットに直面したら、カップが数10センチ〜1メートル遠くにあると想像する。このイメージは、あなたにしっかり打つことを促す。

10. ブレイクを読むのに困難を感じたら、上手なゴルファーがあなたに向かってパットするところを視覚化する。そのボールを見ていれば、ブレイクが判る。

11. 大事なラウンドの前には、三個のボールではなく一個だけで練習する。この作戦は本番と同じ、一回限りの状況を作り出し、激しい集中を強制する」

(January 28, 2018)

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のパッティングのチェック・ポイント

 

'Jack Nicklaus' Playing Lessons'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Golf Digest Book, 1981)

「ラインを読む際、グリーンの早さ、勾配、そして芝目などが主に考慮すべき要素だが、ボールの転がりに影響を与える(さほど明瞭でない)他の要素にも気を配るべきだ。

例えば、朝露・夜露は転がりを遅くする要素なので、日中がグリーンの最も早い状態である。早いグリーンが、単にグリーン表面だけを湿らせたにわか雨で遅くなるだろうと期待してはいけない。早いグリーンはびしょ濡れになってはじめて遅くなるものだ。

いい天気の場合、あなたが最後のホールへとプレイしている最中にも芝は伸び、僅かでも遅くなり、目もきつくなる。風の影響にも気をつけること。特に、急勾配のグリーンで、カップに近づいたボールの速度が落ちる頃に」

【参考】
・「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の読み方の手順」(tips_185.html)
・「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の パットの助言に関する助言」(tips_175.html)
・「Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)の読み方」(tips_119.html)
・「Gary Player(ゲアリ・プレイヤー)の読み方のヒント」(tips_139,html)
・「グリーンの読み方・達人篇」(tips_82.html)
・「ラインの読み方」(tips_135.html)

 

(January 28, 2018)

ラインの読み方の定石

 

インストラクターDr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)による読み方の極意。

'It's Good for Your Game'
by Dr. T.J. Tomasi (Andrews McMeel Publishing, 2003, $12.95)

「・ラインを読む場合、次の三つの地点から見るべきだ。1) カップの後ろから、ボール方向を見る、2) ラインの低い側からブレイクを調べる、3) ボールの後ろからカップ方向を見る。

・ボールがカップに近づく頃に速度が落ち始めてもろに勾配の影響を受け、ブレイクが最大となる。だから、ボールが最後の接近をするカップ周辺を念入りに読むべきだ。

・ブレイクの方向に迷ったら、ストレートなパットだと想定せよ。

・全てのパットにおいて、ラインの決定が先決、その後は正しい距離を転がすことに集中せよ

・そのグリーンで激しい雨が降った場面を視覚化する。コース設計家はグリーン上に水溜りが出来ないようにコースを作る。あなたに排水パターンが見分けられれば、パットに最も影響を及ぼすのは傾斜なので、ラインを読む助けとなる。

・パットを終えたゴルファーたちはカップの周囲で屈んでボールを拾い上げる。だから、彼らの足で踏まれたカップ周辺の地面は凹み、カップそのものは持ち上がる。この隆起はごく微細で、人間の目で見分けるのは不可能。だが、この隆起にあまりにもゆっくり近づくボールは、カップから逸れることを余儀なくされてしまう。これを避けるには(特に午後遅く)、短いパットはボールをカップに叩き込むべきだ。

 

・一日のどんな時刻かでボールを打つ強さを調節せよ。グリーンは朝露や注水の水分がある早朝は遅く、それらが乾く昼前から午後に早くなる。そして草が伸び夜露が忍び寄る夕暮れに再び遅くなる。

・芝草のタイプを知れ。ベントは、バミューダに較べ早く転がり、芝目も少ない。

・パットはグリーンサイド・バンカーから遠ざかるようにブレイクしがちである。なぜなら、コース設計家は雨水がバンカーに向かわないように配慮するからだ。読む時にバンカーを探せ。

・芝目の方向を知れ。グリーンが太陽光を反射して輝いて見えれば順目で、見た目より早く転がる。逆に、芝が鈍い色をしていれば、逆目であり、強く打つ必要がある。

・ラインがカーヴする地点に立って、最終的に読め。この地点は最も正確なイメージを脳に伝える」

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ある日のラウンド。私が属したチームはこの日、バーディ・チャンスを一つもものに出来ず、全員が焦っていました。No. 6(パー5)では三人が3オンしたものの、そのうち二人が急な下りのパットを大幅にオーヴァーしてグリーン外へ。最後の私のパットに期待が集まりましたが、5ヤードの下りをホンの軽く打ったのに、これまたオーヴァー。バーディを逃してパー。

次のNo.7(パー3)。7メートルほどカップの上につけた私以外は、誰も1オンせず、みなボギー。このグリーンも急傾斜しており、私のボール位置からはかなり早く転がります。左に池(天然の排水溝)があるので、ボール側からは左にブレイクします(ダウンヒル+サイドヒル)。私は前のホールの強過ぎるパットで懲りていたので、知っていた古いtipを試すことに…。それは、《下りでは全行程の途中のどこかで素振りし、上りではボールのかなり後方で素振りする》というものです。どの場合もカップを見ながら素振りすることによって、目と脳に嘘の情報を伝えるトリック。このホールの私の場合は、全行程7メートルの上から4メートルの地点で、カップを見ながら素振り。目と脳には「3メートルのパットだぞ」と嘘の情報を与えたわけです。とろとろと転がったボールは、読み通り僅かに左にブレイクし、プロサイドからぽとんとカップに落下しました。チーム・メイト全員から賞賛されましたが、結果的にこれはこのチームが得た唯一のバーディとなりました(当然ながら他のチームに二打差で敗退)。

上のパットで記憶に留めたいのは、私には距離感だけは不分明だったものの、ブレイクの読みに関してはかなり自信があったこと。パットの強ささえ適切なら絶対入ると確信出来たのです。前のホールではラインと強さ、双方に自信がなかった。No.7ではラインに不安はなく、強さだけに専念出来た。それが結果の違いとなったのでしょう。

(January 28, 2018)

完璧に読む五つの手段

 

インストラクターScott Munroe(スコット・マンロウ)によるラインの読み方のコツ。

'5 ways to get a perfect read'
by Scott Munroe ('Golf Magazine,' August 2017)

「1) グリーンに上がる際、アプローチ・ショットを放ったのと同じ方向から歩いて行くこと。こうするとボールがグリーンに着地した後、どう転がったかが判り、カップへと転がすヒントを与えてくれる。

2) ボールの後方に立ち、目を閉じる。体重を左右の足に代わる代わる掛ける。あなたの足は、目に見えない微かな傾斜を察知する筈だ。

3) ラインを三分割する。起動パート、中間パート、最終パート。最初のパートは勢いがあるため、ブレイクを無効にする。第二、第三の二つを重要視すべし。

4) 右へ曲がるか左かなどを心配する前に、そのパットが上りなのか下りなのかを見定めること。ブレイクよりも先ず、強く打つべきなのかソフトに打つべきなのかを知るべきだ。

5) カップの向こうから読む必要などない。ボールの背後からと、ラインの低い側から(傾斜を)見るだけで充分だ。あまりにも多くの情報は、あなたを緊張させる害がある」

【参考】
・「足でグリーンを読む」(tips_1.html)
・「Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)の読み方の手順」(tips_159.html)
・「グリーンの裏目読み」(tips_185.html)
・「背景に惑わされずに読め」(tips_161.html)

 

(January 28, 2018)



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