January 07, 2018

スウィングではなくターゲットに集中せよ

 

「体型別スウィング」の共著者(三人)のうち、インストラクターMike Adams(マイク・アダムズ)とDr. T.J. Tomasi(T.J.トマシ博士)の二人が執筆したゴルフ全般の教本から、何に集中すべきかについて。

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'Total Golf'
by Mike Adams & T.J. Tomasi with Kathryn Maloney (Triumph, 2000, $19.95)

「偉大なプレイヤーたちは、スウィングする時、右肘をこうしてとか、左膝をああして…などと考えない。スウィングする際、意識的に何かを操作するなどというのはよくない考えだ。それは多分ゴルファーが犯す最大のミスであろう。アマチュアの多くは、意識的にそういう想念に注意を払うことで頭を一杯にする。上手にプレイするには、その反対でなくてはならない。意識されない技能を利用すべきなのだ。

偉大なプレイヤーたちが、"don'ts"(こうすまい)という否定形ではなく、"do's"(こうする)という肯定形で考えるとしたら、彼らはどのようにプレイするのか?その答えは、彼らはターゲットによってプレイする…というものだ。どのショットもターゲットとプレイヤー間の相互作用であり、あなたは自分の感覚によってターゲットと結びつけられる。

あなたがターゲットと結びつけられた時、あなたの感覚はフィーリング、視覚、リズム、調子などを生み出し、それらは自動的に動作的反応に変換される。言葉を替えれば、あなたの身体は、あなたの感覚が得たデータに基づいて、ボールをターゲットに送るに必要な正しい距離と方向を生み出すのである。

あなたの意識する心(脳)は衝動的である。それは『遂行する』ことに集中する。それはまた短期間にのみ現れる。あなたのメンタルな画面に映るものは、行動への瞬間的な目標であり、極小の課題である。この意識する心(脳)を表現するとしたら、『準備OK、レッツ・ゴー!』である。

あなたの潜在的な心(脳)は、あなたの個人的な経験の全てを蓄えている。だから、この潜在意識は大規模なデータベースだ。これは熟考し、判定を下す。この潜在的な心(脳)は長期的なものである。これは目の前の状況への挑戦に対するあなたの力量と手段の妥当性を査定する。これは筋肉運動の動作と意識されない技能の基盤との調停役と云える。あなたの意識する心(脳)は、効果的にことを遂行するために潜在的な心(脳)の同意を必要とする。この潜在的な心(脳)を表現するとしたら、『査定するから、一寸待て』であろう。

意識する心と潜在意識が意見の一致をみた時、あなたのシステム(筋肉、神経、視覚等々)全てが合意に達する。この心・脳・身体の一致は『ゴー・サイン』を点灯したと表現出来る。

『ゴー・サイン』を得たからといって、常にいいショットが可能なわけではないが、いいゴルフが出来るチャンスは増える。絶え間ない『ゴー・サイン』の連続こそ安定したゴルフの基盤である。『ゴー・サイン』の流れは、ゾーンへとあなたを運んでくれる潮流で、ゾーンは意識しない能力のコントロール下で、手放しで自動運転するような超人的パフォーマンスが可能な状態である」

【参考】
・「潜在意識に打たせよ」(tips_164.html)
・「左右の脳を使い分ける」(tips_57.html)
・「ゴルフを左右する左右の脳の働き」(tips_162.html)

【おことわり】画像はhttps://www.golftipsmag.com/にリンクして表示させて頂いています。

(January 07, 2018)

ゴルフクラブの働き

 

筆者Enid Wilson(エニード・ウィルスン、1910〜1996、英国)は、全英女子アマに三年連続優勝した強者。

'Secrets of the Golfing Greats'
edited by Tom Scott (A.S. Bames, 1965)

「クラブヘッドによって描かれる弧は、シャフトの長さとプレイヤーの左腕の長さによって決定される。クラブヘッドはターゲットラインと平行に斜めのプレーンで動く。そのプレーンから逸れたり、ターゲットラインからの脱線はスウィングのリズムを損ない、正確さを台無しにする。

『どう打つのか?』その答えは、ゴルファーは打つのではなく、クラブヘッドによって成し遂げられる働きだということだ。スウィングの最中、プレイヤーが今何が起っているか知ったり考えたりすることが少なければ少ないほど、クラブが達成しようとしている仕事の目的を果たさせるチャンスが増大する。クラブヘッドに仕事を遂行させるためには、リードさせねばならない。正しくスウィングされる時、プレイヤーは自分の手・腕・肩・腰・膝・足に何が起っているか意識しない。それらの動きはストロークのリズムに融け込んでいる。完璧にタイミングが合ったスウィングはエフォートレスであり、分析・検討することは不可能である。それを分解しても、バラバラな部品の集合体にしかならない」

 

(January 07, 2018)

最初の直感を信頼せよ

 

"swing key"(スウィングの鍵)とか"swing thought"とか呼ばれるプロたちの「留意事項」を集大成した本より。今回はPGAツァーで活躍したAndrew Magee(アンドルー・マギー、1962〜)の巻。彼はPGAツァー他で六勝しています。

'Swing Thoughts'
edited by Don Wade (Contemporary Books, 1993, $12.95)

「古い諺に『最初の直感は、常に正しい』というのがあるが、私はそれがゴルフにも当てはまると思う。パットのラインを見る時、最初に見た時のラインが正しかったということはよくあることだ。ゴルファーは(上手であれ、下手であれ)その事実を無視してミスに陥ったりする。

上の事実は、特に難しいショットに直面した時に該当する。あなたは直観的に自分が打ちたいように視覚化するのだが、かなりの頻度でそれを否定し、異なるプレイ(快適でないと感じるショット)に突き進んだりする。

1991年のBay Hill(ベイヒル)クラシックの三日目のNo.16、私は、何かコトを起さなくてはならないと感じていた。いいティーショットを打ったのだが、そこで長い時間待たされることなった。フェアウェイに立っていた私は、いくつかのオプションを考慮した。最初の直感は3番アイアンで木越えのフェードを打ち、二打でグリーンに乗せ、イーグルを射止めるというものだった。それはリスキーであり、ボールを林に打ち込むか、もっと悪いことにはグリーン手前の池でボールを溺死させる恐れもあった。7アイアンで刻み、ウェッジで乗せ、バーディを狙うのが安全策。

考えれば考えるほど、私は落ち着かなくなった。なぜなら、どっちつかずの想念が、私の自信と集中心をかき乱し始めたからだ。最後に、私は3番アイアンを引き抜き、まさに自分が最初に計画したように打った。私はイーグル・パットを沈め、二打差先行で三日目を終え、最終日が雨のため中止となったため、優勝は私に転げ込んで来た。

 

最初の考えを信じよというのは、急いで決断せよということではない。クラブを引く抜く前に、あらゆるオプションを考慮するのは重要である。だが、あなたの数々のラウンドを振り返ってみてほしい。うまくいったショットと、そうでないものとを思い起こす。賭けてもいいが、あなたの直感を信じた時、あなたはベストのショットを打っている筈だ」

【参考】「スウィング・キイ大全集・前篇、後篇」(tips_46.html)

(January 07, 2018)



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