February 21, 2018

Annika(アニカ)のホームラン(+目玉の処理法)

 

Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)も、2003年のPGAツァーの一つであるColonial Tournament(コロニアル・トーナメント)に参加するまで、目玉の出し方を知らなかったというお話。それまでも数々優勝しているのに不思議な話です。

'Golf Annika's Way'
by Annika Sorenstam with editors of Golf Magazine (Gotham Bools, 2004, #30.00)

「私は男子ツァーのColonial Tournament(コロニアル・トーナメント)の週の火曜日に、Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)と、私の同郷(スウェーデン)のJesper Parnevik(ヤスパー・パーナヴィク)と共に練習ラウンドをした。Sergio Garciaとプレイするのは初めてだった。彼のグリーン周りにおける処理能力の素晴らしさは印象的で、彼にはどこからでも寄せワンが可能だった。

No.7で、私はグリーンサイド・バンカーに捉まり、トップして向こう側のバンカーに入れてしまった。私が何度かエクスプロージョン・ショットを試みていると、Sergio Garciaが私にtipをくれた。『ボールが砂に埋まっていたり目玉だったりする場合は、クラブフェースをオープンにしちゃいけない。フェースはスクウェアにしなきゃ。スクウェアでないと、クラブヘッドをボールの下に突っ込むことが出来ない』…と。私は彼の助言を受け入れ、次のホールのバンカーのひどいライから寄せワンを達成出来た。

目玉の場合、私はボール位置をスタンス中央の少しターゲット方向にし、クラブフェースはスクウェア、ボールの1/2インチ(約1.27センチ)後方の砂を狙う。通常のバンカー・ショットでは、私はボールの1インチ(2.5センチ)後方を狙うのだが、目玉ではボールの周りにクレーターのような砂の壁があるので、少しボールの近くを打って砂を少なく取る。その後は典型的なエクスプロージョン・ショットである。

私はフル・フィニッシュへとスウィングする。それはクラブヘッドが砂の中を通過し、ボールを抛り出す加速を生んでくれる」

 

[icon]

私のメンタルな作戦ですが、ショートが続いたらウェッジをかなり短く持ちます。「これじゃピンまで届かんわい」と思うので、自然に精一杯コックし、懸命に(乱暴にではない)フル・フィニッシュしようという気になり、ピンに近づくショットを遂行出来ます。ホームランに近いオーヴァーが続いたら、ウェッジを目一杯長めに持ちます。「これじゃ、飛び過ぎるんでないかい」と思うので、ゆっくりスムーズなスウィングになり、適切な距離を飛ばすことが出来ます。

(February 21, 2018)

砂の一掴みを投げ出すイメージを持て

 

これはDavis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)の亡父でインストラクターだったDavis Love, Jr.(デイヴィス・ラヴ二世)が遺したノートにDavis Love IIIが自分の経験を加えて出版した本。

'Every Shot I Take'
by Davis Love III (Simon & Schuster, 1997, $24.00)

グリーンサイド・バンカーを成功させる重要なポイントは、あなたがスウィングした時、砂がどのように飛ぶかを視覚化することだ。この件に関する私の父の助言は、ボール後方から一掴みの砂をグリーンに投げつけるつもりになれというものだった。これはソフトで優雅なので、とても有益なイメージだ。

私の父は『エクスプロージョン・ショット』という言葉が嫌いだった。私がその言葉を使うとかんかんになって怒ったものだ。巧く処理されたバンカー・ショットにはゆったりした感じがある。これには僅かの暴力も必要としないのだ」

[icon]

あるインストラクターは「爆発させる」という暴力的な心構えではなく、「勇敢にスウィングせよ」と云っています。「勇敢に」という場合、クラブヘッドを大胆に砂に突入させ、大きな振幅のしっかりしたスウィングをするニュアンスです。「爆発させる」は慌てふためいた急激なスウィングに繋がりがちですが、「勇敢に」の場合は速度は関係しません。ゆっくり実行することも可能です。

【参考】「Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)の バンカー・ショットへの助言」(tips_175.html)

 


(February 21, 2018)

バンカー、三つのべからず集

 

インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)の『パワーの学校』における、バンカー・ショットの戒め。

'Golf School'
by Jim McLean (Doubleday, 1999, $27.50)

「われわれのゴルフ・スクールでは、バンカー・ショットで極刑に値する三つの罪を犯さないように教える。

1) 腕と手を緊張させてクラブをきつく握ること。
2) ボール位置をスタンス後方にしたり、手をクラブヘッドの前方に傾げてクラブのリーディング・エッジで打つこと。
3) 低く短くフラットな軌道のバックスウィングをすること。

以上の三つを避けるだけで、あなたのバンカー・ショットは格段に上達する筈だ。

・ややオープンなスタンス。
・体重は60%ほど左サイド。
・砂の質感を確認しながら、しっかり両足を砂に埋める。
・ターゲット方向に少し腰をスライドさせる(これで体重を左脚に多く掛けることになり、ボールをスタンス前方でプレイすることを楽にする)。
・ボールをスタンス中央よりややターゲット側にする(絶対にスタンス後方にしたり、両手をターゲット方向に傾げてはならない。
・クラブフェースをオープンにする方法は二つある。1) シャフトをターゲットから遠ざける(手が後方になる)、2) フェースがオープンになるように廻す。両手をボールの前に出したり、フェースをクローズにしたりしてはならない。

 

リラックスし、両手をだらんと垂らす。軽いグリップ圧。もし緊張でショットを崩壊させるものがあるとすれば、それはバンカー・ショットだ。Julious Boros(ジュリアス・ボロス)は、歴史に残るバンカー名人の一人だ。彼は無頓着にボールに歩み寄り、アドレスすると、のったりしたスウィングをした。一度でもそれを見た人には、これは素晴らしいイメージであろう。バンカーではのったりしたスウィングが正しい。強ばった急速なスウィングは不可。だから、スウィングする時はのんびり、リラックスすべきである。

・バックスウィングでの体重移動は最少限にし、手首が自由にコックするに任せる。
・長い、リラックスしたスウィングで充分肩を廻すこと。肩の回転は楽なスピードを生み出すのに重要なのだが、私の生徒たちはちゃんと廻さないことが多い。
・覚えておくこと。低く、短いスウィングは厳禁。
・ダウンスウィングはロブ・ショットと同じである。クラブを身体の前に保ちながらターンし、ターゲットを向くフィニッシュ。

ロブ・ショットとの違いは、ボールではなく砂を打つことだ。良い考え方は、(ボールが座っている)砂の座布団をバンカーから弾き出し、ついでにボールも乗せて一緒に飛ばす…というものだ。

バンカーでは左手で引っ張るのではなく、右手主導でスウィングし、リリースすること。【編註:アドレスでセットしたロフトを保つため】

  【このヴィデオの3:00の辺りでJulious Boros(ジュリアス・ボロス)のバンカー・ショットが見られます。本当にのったりです】

 

われわれのスクールでは、『ボールの○センチ後ろを打て』という教え方をしない。練習バンカーに25センチ離して二本の線を引き、生徒に7〜8回打たせる。これが上手く出来れば、成功は保証付きだ。セットアップが正しく、バックスウィングで適切にコックされれば、ボールの1〜6インチ後方を打って、申し分のない結果を得られる。草の上から打つような精密さは必要でない。大雑把にボールの後ろを狙い、砂の中でクラブヘッドを潜らせて反対側から抜き出せばいいのである。実際には、完璧な打ち込み地点は7.5〜10センチであろう。これは驚くべき事実ではないだろうか?

もし、バンカーでミスを犯すとしたら、トップするよりダフるべきだ。あまりにも後方に打ち込んだ場合、脱出出来ずにもう一打必要なだけである。逆にボールにあまりにも近く、砂よりも先にボールを打った場合、あなたはスコアカードに"X"と書かねばならない。なぜなら、ホームランを打つと、そこから戻すのは困難な場合が多いからだ。ボールを先に打っては駄目だ!

固い砂、湿った砂では、クラブのバウンスを使うべきではないので、フェースをスクウェアにしたアドレスをする。60°ウェッジを持っているなら、それを使う。湿った砂では、ピッチングウェッジのリーディング・エッジを使うのがよいかも知れない。湿った砂からはボールが急速に飛ぶので、スウィング速度を遅くすること」

(February 21, 2018)

20分限定バンカー練習

 

日本のゴルファーにとって手軽にバンカーの練習が出来るという幸運は滅多にないでしょうが、もしあったら以下のレシピを参考にして下さい。

'Real Golf'
by David Gould (Andrews McMeel, 2002, $10.95)

「ネブラスカ州のあるゴルフ場所属のプロMatt Carsey(マット・カースィ)が教えてくれた20分でバンカー・ショットに上達する方法。

1. 一打毎に距離を変えること。短いショット、高く上げるショット、長いショット、低いショット、そして、それらの中間。

2. 距離を変えたのと同じように、一打毎にライを変える。平らなライ、上り坂のライ、下り坂のライ等。そして、目玉になるように足でボールを踏みつけたライでも数個練習する。

3. オープン・フェースとスクウェア・フェースの違いを試す。前者はウェッジのバウンス効果を増大し、後者はより深く砂を掘る。特定の距離を飛ばそうと努力するのでなく、フェースの角度がどうショットを変えるかを確認する。

4. バックスウィングの幅を変える。インパクト・ゾーンで絶対に減速させないこと。

練習の最後を飾って五個のボールを一つの(あるいはいくつかの)ピンに向かって打ち、打ち終えたらパターを用いて、いくつ寄せワンが達成出来るか試す。あなたがシングルでもない限り、五個のうち一個以上成功させられることは先ずないであろうが」

 

(February 21, 2018)



[Anim

 Copyright © 1998−2018   Eiji Takano    高野英二
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.