December 05, 2018

傾斜した狭いグリーンの攻略

 

私がプレイしているコースのパー3は、どれも手強い。全英オープン・コースの一つに"postage stamp"(切手)と綽名されるホールがありますが、こちらの二つはそれより小さい。そしていずれも急勾配で左右どちらかに傾斜しており、「乗った!」と思ってもコロコロと転げ出てしまいます。

これまで、いくつもの作戦・スウィング・心理で、これらのホールを攻めようとして来ましたが、まだ攻めあぐんでいます。ある夜、床に入って「真っ直ぐ打とうとするから、どんどん転がってこぼれてしまうのかも知れない。早くボールを止める必要がある」と考えました。「早く止める?フェードか!」

寝床を飛び出して、『日記』を読み返しました。「フェードの秘訣」(tips_179.html)です。この記事のオリジナルは真に“秘訣”と呼べるもので、懇切丁寧な内容です。この記事の要点を抜き出すと、
1) クラブフェースはターゲットにスクウェアに構える。
2) ボールが最初に発射される方向(ターゲットのかなり左)にスタンス・ラインを定める。【注意:フェースはターゲットに揃えたまま、動かさないこと】ボールがオープン・スタンスの前方になるように微調整する。
3) グリップはウィーク(Vが背骨より左になる)。
4) スタンス・ラインに沿ってスウィングする。
5) 身体の回転を早めにし、オープン・フェースを活かすため手首を返さないで打つ。チキン・ウィング気味に、【右の写真のように】懐を広くしたフォロースルー。
【詳しくは「フェードの秘訣」全文(tips_179.html)をお読み下さい】

次の日、全てのパー3をフェードで狙ってみました。三つのホールでプッシュし、フェードで乗せられたのはたった一つでした。ま、一夜漬けで全部乗るとは思っていませんでしたから、一つでも成功すれば御の字。四つのうち三つはパーでしのげましたので文句はありません。

その次のラウンド、No.1の急な上りの145ヤードの二打目で3番ウッドのフェードに挑み、何と1メートルにつけることが出来ました(惜しくもバーディは逃してしまいましたけど)。このホールは右から左への傾斜が急なので、オンさせると止まらず左の崖下へ転落するのが普通なのです。誰であれ2オンさせるなんて滅多にお目にかかれない出来事である上に、しかもピン傍というのは目の覚めるプレイに他なりません(自画自賛)。これもフェードのお蔭です。右回転のボールだったからグリーン上で停止してくれたわけです。ありがたや。ただし、パー3でのフェードには1ホールを除いて失敗してしまいました。

 

そのまた次のラウンドでもフェードによるNo.1の2オンに成功しました。しかし、肝心のパー3でまだ見事に乗るという域には到達していません。一つには、私にとってアウトサイド・インのスウィングは難しいのです。生来フック系な上に、通常はターゲットに向かってストレートなフォローを出すスウィングをしているため、かなり大袈裟にアウトサイド・インで振らなければならず、その度合いを定めるのは容易ではありません。

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)は徹底したフェード派です。それが正しいことは、彼の勝利数が証明しています。傾斜した狭いグリーンのコースでプレイしている私も、フェードを多用すべきであることを痛感し、今後も探究を続けるつもりです。

(December 05, 2018)

記録は作るものではない

 

ある日のラウンド。アウトは4オーヴァーでがっくり。ところがインに入って寄せワンが四ホール続き、「こりゃ、ハーフ・パープレイか、九ホール全部寄せワンの記録が作れるかも」などという能天気な期待をしてしまいました。五つ目のホール(パー5)で2パットしてしまったので、九ホール連続寄せワンは諦めざるを得なくなりましたが、それでもハーフ・パープレイの望みは絶たれていません。

しかし、No.16のティー・ショットをプルしてしまい、その後二回もチョロ。痛恨のダボを叩いてしまいました。残る二ホールでバーディを期待したのですが、それは高望みでした。

これまでのラウンドを振り返ってみても、《ゴルフの記録は知らぬ間に生まれるもの、作るものではない》と断言出来ます。この日、まだ残り五ホールもある時点で「記録を作ろう!」などと考えたのは浅墓でした。PGAツァーで初めて59を達成したAl Geiberger(アル・ガイバーガー)でさえ、残り三ホールになるまで59を意識しなかったというのに。

しかし、スコアを計算してみたら、アウト4オーヴァー、イン3オーヴァーの7オーヴァーでした(パット総数31)。最近の私としては最低の出来でしたが、ダボ込みでも7オーヴァーで上がれたのはまずまずと云わねばなりません。12個のパーに助けられました。

その次のラウンドもダボで発進というお粗末でしたが、10個のパー、1個のバーディに支えられて7オーヴァー。

このところ、この日記のタイトル通り「80を切る!」ラウンドが連続していて、嬉しい限りです。

(December 05, 2018)

赤子をあやすようにパットしてはいけない

 

恐る恐るパットして大幅ショートした場合、英語では"I babied it."と云います。動詞としての"baby"には、1) 赤ん坊扱いする、甘やかす、2) 物を大事に扱う…という意味があります。

私がある日のあるホールのバーディ・パットに失敗したのは、まさに"I babied it."したせいでした。かなり右に切れる急な下りのラインだったので、カップの左端を狙ったのですが(この狙いは良かった)、そっと打ったボールはへろへろと転がり、地面の凸凹の影響をもろに受けて、千鳥足の酔っぱらいが巧妙に通行人を避けて歩くように、カップを避けてしまったのです(;へ;)。

いかに短くても、いかに急な下りでも、ボールには推進力を与えなくてはなりません。われわれがプレイするコースはマスターズ・トーナメント会場ではないので、グリーン表面は理想的な平面ではありません。ボールは、新米グリーンズ・キーパーによる虎刈りやゴルファーたちの踏み跡、引っ?き傷などを乗り越える障害物競争を克服せねばならない。プロたちがTVで見せるトンと押すようなストロークでは、障害物競争に勝てないのです。

下りでオーヴァーするのが恐くて強く打てないとしても、適切な推進力は与えなくてはならない。その場合、ボールの赤道の上を打って、トップスピンを与えるのがいいようです。下りのパットを穏やかに打とうとする際、パターのトゥ寄りで打つという方法もありますが、この場合、ボールにスライス・スピンを与えないか?と心配になります。

実際にテストしてみました。正解は「赤道の上を打つ」でした。これだとボールは狙ったポイントに真っ直ぐ転がります。トゥ寄りで打つと、やはりへろへろ球になり地面の凸凹の影響を受けます。

 

(December 05, 2018)



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