April 29, 2018

Walter Hagen(ウォルター・ヘイゲン)のショート・パットのコツ

 

伝説的プロWalter Hagenのパッティングtip。

'My angle of putting: Some advice from one of the greatest of them all'
by Walter Hagen ('The American Golfer Magazine,' 1929)

「いいパッティングをするために先ず必要なのは、メンタルなバランスだ。これはメンタルと神経のコントロール(冷静さ、心配しないこと、気楽さ、推量ではない決断)を意味する。ラインとグリーンの速さについて結論を出し、(正しかろうが間違っていようが)その通りにプレイする。ボールを打つ段になってもまだ推量しているようなら、それが間違いなのはほぼ明白だ。

あなたがカップから1.5〜2メートルを残した時、何度も片手でボールを沈めたことがあるんじゃないかと思う。それは、緊張を感ぜずリラックスし、方向も気にせず急がずにパターヘッドに仕事をさせたからである。

ゴルファーが1〜1.2メートルの短いパットに失敗し始めるのは、大体においてあまりにもきつくグリップするせいで、それは過度の緊張の徴候である。少しグリップを緩め、もっと快適なスタンスをとり、スムーズにストロークせよ。これはかなり助けとなる方法だ」

【参考】
・「Hagen(ヘイゲン)、Jones(ジョーンズ)、Sarazen(サラゼン)時代のゴルフ事情」(tips_170.html)
・「Walter Hagen(ウォルター・ヘイゲン)の運否天賦(うんぷてんぷ)」(tips_140.html)
・「Walter Hagen(ウォルター・ヘイゲン)の ティー・ペグの発明と普及」(tips_172.html)
・「Walter Hagen(ウォルター・ヘイゲン)の身分差別との闘い」(tips_172.html)

 

(April 29, 2018)

純粋振り子式ストローク法の実像

 

振り子運動とパターを低く動かすという試みは両立しないという、インストラクターBrad Redding(ブラッド・レディング)の理論。

'Pure pendulum'
by Brad Redding with Greg Midland ('Golf Magazine,' December 2001)

「理想的なパッティング・ストロークは振り子運動に似ていると云われる。同感である。しかし、多くのゴルファーが振り子運動と、もう一つの一般的アドヴァイスである『パターヘッドを地面すれすれに低く引け』を合体させようと努力する。おーっと、それは両立しないんだなあ。低く動くパターヘッドは、振り子ストロークの長所を台無しにしてしまうんだ。

真の振り子ストロークは【縦の】弧を描く。パターヘッドは上がり、インパクトで落下し、フォロースルーでまた上がる(お祖父さんの時計のように)。これをよく観察するには、60センチ〜1メートル離して二個のボールを置き、その真ん中でストロークすることだ。パターヘッドは先ず後方のボールの上に振られ、フォロースルーで前方のボールの上を通過する。だから、低く動かすというのは忘れなさい。適切なセットアップと動きを学べば、安定した振り子ストロークは最高なのだから。

・アドレス

股関節から上体を折り、ボールの真上に目を置き、左右の肘を軽く折る。ボール位置はスタンスの中央から僅かにターゲット側で、両前腕はパター【ハンドルの延長線で】二分される三角形を形成する。この三角形はストロークの最初から最後まで維持されるべきで、それは背中と胸の筋肉で(腕ではない)達成される。もし、パターを低く動かそうとして両肘を伸ばすと、三角形と振り子運動は破壊されてしまう。

・ドリル

今度は三個のボールを使う。前と同じように二個のボールをセットし、その真ん中に一個ボールを加える。その真ん中のボールにアドレスし、ストロークする。そのボールはターゲット方向のボールに、ガツンとぶつかる筈だ。もしまともにぶつからなかったり、全くぶつからなかったりすれば、あなたは真の振り子運動をしていないことになる」

 

(April 29, 2018)

ストロークの強さの決定

 

ヨーロピアン・ツァーのNiclas Fasth(ニクラス・ファスト、スウェーデン)によるパッティングtip。

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「人々はいつもパットに苦労するが、それは練習しないせいだ。それは残酷な事実である。喜ばしいことに、パッティングはゲームの中でも簡単に上達出来、僅かの努力が長持ちするる分野である。秘訣はストロークの強さの判断であり、強さが全てである。それがラインの読みと打ち方を決定する。

パットに際し、先ず決断すべきはどの程度強く打つかであり、それがラインを決定する。強く打てばブレイク(曲がり)は少なくなる。その観点から、ボールがカップへと向かう軌道を心の中で映像化出来る。これはとても重要だ。つまり、あなたはカップに到達するボールのイメージをポジティヴに考えており、目標を持っていることになるからだ。多くの人々は目標も無しでパットする。彼らは単にカップの方向へボールを送り届けるだけなのだ。

パッティングの準備をしながら、先ほどの心の中の映像を保ち続ける。

少なくとも一回の素振りをし、その時、ボールをカップまでスムーズに転がすには、どのくらい大きいスウィングをすべきか考える。それが、あなたが考える唯一のことだ。技術的なことは考えない。どのくらい強く打つか感じ取ること。その後で、アドレスに入り、ぐずぐずせず(他のことは一切考えることなく)イメージした映像を具体化するようにストロークする。全ては感覚の問題である」

 

(April 29, 2018)

パットの緊急事態を切り抜ける手段

 

ラウンド中、何らかの理由でパットが入らなくなった時の対処法。

'Putting emergencies'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' April 2000)

「それが単なる遊びのラウンドなら、耐え忍べばいいことかも知れない。しかし、トーナメントとかマッチ・プレイの最中だとしたら、それは緊急事態である。何とかしなければならない。何とかボールをカップに送り届けなくてはならない。それもたった今!次の二つは、出血を止める有益な止血帯である。

・カップを見よ

時折、パットの緊急事態はストローク動作を重要視し過ぎることによって起るものだ。ストレートなストロークにあまりにも集中すると、強さと方向の感覚を失ってしまう。パットの失敗が続くにつれ、あなたはいいストロークをしようとしゃかりきになり、あまりにも機械的になり過ぎてしまう。この悪しき連鎖を断ち切るには、パターを見てはならない。通常通りアドレスし、ストローク開始前に頭を廻してカップを見るのだ。【編註:カップを見ながらパットする】 これはストロークの質に集中する想念を遮断させるだけでなく、ストロークの間にあなたの目に距離の情報を登録し、それが適切な強さの判断を助けてくれる。

・短いパットでは目を閉じよ

 

ショートパットの連続ミスもまたストローク動作を重要視し過ぎたせいとも云える。それに加えて、時期尚早に結果を見ようとする傾向がストロークを乱してしまう。そうした障害とおさらばするには、目を閉じてストロークすることだ。

アドレスし、通常のプレストローク・ルーティンを実施する。その後、ボールと接触する直前に目を閉じたままにするのだ。見えないことがストローク動作ではなくフィーリングに焦点を当て、目を閉じているためカップを見たくなる誘惑も消え失せる。その結果、上体と頭は静止し続け、ボールがカップに転げ込む音を聞こうと耳を澄ますことになる」

(April 29, 2018)

ストローク前に肩を落とせ(不可解なパット・ミス防止法)

 

ラインを読む必要のない平らな絨毯の上でさえ、2メートルのパットをミスすることがあります。ストロークは完璧なのに…。なぜ、ストロークが完璧と云えるかって?ボールに描いた直線がゆらゆら揺れずに真っ直ぐ一直線に転がるのですから、これ以上の完璧なストロークは望めません。

絨毯の上で失敗するようでは、練習グリーンや本グリーンでミスして当たり前です。何がいけないのか?私は苛立ち、途方に暮れました。ストロークが完璧だとすると、他にどんな要素が絡んで来るのか?私のゴルフ仲間の一人は、ラウンド中によく「練習グリーンだと思ってパットしろ」と云いますが、そのメンタルtipは私に役立ちませんでした。ラインを読まなくてはならない練習グリーンどころか、真っ平らな絨毯上でさえ失敗するのですから、メンタルな問題ではない筈です。

鏡の前でストローク動作を点検してみました。異常ありません。「ん、待てよ?」両方の肩が微かに上がって見えます。完璧なストロークには「はみ出し禁止のストローク」(両肩を胸の方に突き出さないメソッド)が必須だと私が考えているせいか、意識が肩に集中し、その結果肩を強ばらせていたようです。

テストをしてみました。「パターを照準器として精密にラインを狙う方法」(tips_161.html)でカップを狙い、アドレスし、両肩をすぼめます(肩が持ち上がる)。これは、バーディを狙っている際の身体の緊張状態の再現です。パットします。次のテストでは、すぼめた両肩をぐたっと落とし、身体の緊張をほぐしてパット。この両方を繰り返したところ、両肩が上がっていてもパットに成功する場合はあるものの、ボールがカップから僅かに逸れることが多いという結果でした。もし、サイドスピンがかかればリップアウトの危険を生じます。

最近の私は「距離のコントロール第一」を心掛けていて、それによって距離感は合うものの、数センチ右や左に逸れるミスが続いていました。その多くは強ばって持ち上がった肩が悪さをした結果に違いありません。

パットのアドレスに入る前に常に身体の緊張を解くべきです。それを助けてくれる最大の方法は強ばって持ち上がった両肩を緩めてぐたっと落とすことです。「落胆の余り、がっくりと肩を落とす」という表現がありますが、まさにその感じ。深呼吸し、息を吐きながら肩の力を抜くのが一番いいようです。これでもまだうまくいかない場合は、両肩を胸の方や背中側に弓なりにしている恐れがあり、これも緊張状態なので、ゆったり真っ直ぐにします。

両肩を自然にリラックスさせることをプレストローク・ルーティーンに取り入れ、毎回実行すべきだと思いました。

 

(April 29, 2018)

ティーにボールをぶち当てるパット練習

 

'Supersize the hole'
by Mike Malaska with Davis Dusek ('Golf Magazine,' August 2003)

「短いパットにミスするのは、多くの場合不注意が原因とされる。ラウンドの間に、こうした膝がガクガクするような距離のパットをもっと多く沈めるには、練習最後の15〜20パットの焦点を狭めるべきだ。

練習グリーンにティーを刺し、1メートル、1.2メートル、1.5メートルの距離からパットし、ティーに当てる。

その後、ティーをカップの反対側に刺し、同じことをする。ティーに向かってパットし、カップは単純にその途中にあるものと考える。

コースでは、カップの向こうにティーを視覚化する。数多くのショート・パットの成功に驚かないように」

(April 29, 2018)



[Anim

 Copyright © 1998−2018   Eiji Takano    高野英二
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.