April 15, 2018

Jack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のロング・パット

 

'Jack Nicklaus' Playing Lessons'
by Jack Nicklaus with Ken Bowden (Golf Digest Book, 1981)

「私がプロ=アマでしょっちゅう経験していることだが、アマチュアは彼らが転がすべき広範な地域を大雑把に眺めることしかせず、単純にボールに歩み寄ってパットする傾向がある。それが大幅ショートやオーヴァー、凄い方向違いに終わると、彼らはボールを罵ったり愚痴ったりする。あなたのゴルフが運動のためならそれでもいいだろうが、真剣にプレイしようとしているならそれは悪い習慣だ。

ロング・パットにはダブル・ブレイクや、湿った箇所、乾いた箇所、芝の濃い薄い、芝目の変化…などさまざまな要素が介入して来る恐れ大なのだ。それら全ての条件がボールの動きに影響する。それが、私がとても長いパットに臨む際、ボール後方から読むだけでなく、しばしばラインに沿って歩く理由である。時折、私はカップ側からボール方向へとラインを調べることもする。とても長いパットの距離を歩くことは、私にボールをカップに届かせるに足るストロークの"weight"(重さ=強さ)を教えてくれる。

極端に長いパットのための作戦は以下のようになる。

1) 先ず、あなたが快適に感じられる範囲内で最もアップライトに立ってアドレスする。これはボールからカップまでの全体の地勢が見通せ、いい距離感が得られる。

2) 次に、ラインに精密に転がすというより、ボールとのソリッドなコンタクトに集中せよ。なぜなら、こういう際に3メートル左右どちらかに切れるよりも、3メートルもショートすることの方があり得るからだ。

 

3) 最後に、欲張ってはいけない。15メートルのパットならカップの1メートル以内に寄せられれば上出来なのだ。だから、カップではなく、そこをターゲットとすべきだ。多くの場合、私はカップの周りに直径1メートルの円を視覚化し、その円内でボールが停止するようにパットする。これだと私は1メートルの誤差の許容値を得るわけだ。

あなたの仲間たちのパットを分析してみれば、彼らがひどい方向ミスを犯すより、かなりショートするかオーヴァーするかであることに気づく筈だ。人々の多くは、ラインを読んだ時ストロークの"weight"(重さ=強さ)を計算して記憶するよりも、直観的にラインを見て、それを記憶しがちだ。あなたもこの範疇のゴルファーなら、ラインでなく強さを心の中心に置くべきである」

(April 15, 2018)

届かなければ入らない(絶対的真理)

"Never up, never in"「ネヴァー・アップ、ネヴァー・イン」は誰でも知っている文句ですが、ショートするミスはプロにも発症する珍しくないビョーキです。「入れよう!」とする場合、われわれの意識はどちらにブレイクするか、どの程度ブレイクするか…に集中します。ブレイクの度合いは、ストロークの強さによって変わるものなので、われわれの頭の中では方向と強さが渾然一体となって分析されており、当然素振りもそのように遂行される筈です。それなのに、どうしてショートするのか?多分、距離感というのは「目に見えない感覚」でしかない(=抽象的である)のに対し、「方向」は目に見える(具象的である)ので対処しやすい。で、つい方向に引き摺られ易いということかも知れません。

[nail]

インストラクターJim McLean(ジム・マクレイン)の助言。

'Don't get 'line crazy'
by Jim McLean ('Golf Digest,' November 2015)

「あなたはパットを沈めるつもりだったのだが、いざという時になってびびりながらストロークしてしまった。あるいはラインに拘るあまり強さの調整を忘れてしまった。もしくは、あなたはミスした後の返しのパットを恐れたのかも知れない。いずれにしても、結果はパターを真っ二つにしたくなるようなものとなった筈だ(パターを折っては駄目よ)。

次回、ラインを定め、パターをボールの背後にセットしたら、ソリッドにストロークすることだけに集中しなさい。ボールの後部に刺さっている画鋲を打つように考える。過大なフォロースルーをしようとしないこと。それは実際には減速を生ずる恐れがあるからだ。その代わり、しっかりしたストローク、短いフィニッシュをし、そこで一瞬停止する。ボールは"true roll"(真の回転)をし、カップに入る確率が増す」

次はインストラクターChuck Cook(チャック・クック)による距離感マスター法。

'Set up a backboard to learn speed control'
by Chuck Cook ('Golf Digest,' November 2015)

「ゴルファーはブレイクを読むのに相当な時間をかけるが、打つ強さの方がもっと重要である。必ずカップに届くような強さで打つことを習慣にすべきだ。以下の方法で、距離感をコントロール出来るようになる。

練習グリーンのカップの向こう60センチにクラブを横たえる。

3メートルから始め、パットが入れば理想的だが、ミスした時のボールの停止位置が重要である。打つ強さを調整し、クラブにカチンと当たらないようにする。この練習により、コースでも返しのパットがかなり楽になる。

3メートルに慣れたら、5メートル、6メートル,7メートルと距離を伸ばす。それぞれの距離から数個のボールを打ち、どれだけカップとクラブの間でボールを停められたか数える。もちろん、パットが沈めば大成功である」

(April 15, 2018)

パットする時の鮫の視線 [shark]

Greg Norman(グレッグ・ノーマン)のパッティングtip。

'My quick putting tip'
by Greg Norman ('Golf Magazine,' July 2013)

「二つの秘訣があなたをパッティング巧者にする筈だ。

一つはとても緩いグリップ圧を用いること。1〜10の尺度の3である。

もう一つは、常にボールを打ち抜くこと。私は“ポップ・ストローク”あるいは打ってすぐ止めるストロークの信奉者ではない。ボールのターゲット側の一点(上図の赤点に集中し、その一点をパターヘッドで押し抜く。ストロークがよりスムーズになり、パターはヒッティング・ゾーンで地面を這うように動き、ボールをスウィート・スポットで捉えるのが容易になる」

(April 15, 2018)

「ティーアップの研究」(04/08)の補遺

 

[tee up]

ボール後方20センチで構えた後、先行捻転すると、ドライヴァーのヘッドは少なくとも40センチほどボールから後退します。さて、こうなると目はどこを見つめるべきか?

a) 元通りヘッドの20センチ後方(写真の青
b) 40センチ後方のヘッドのすぐ前

正解は(a)です。上昇軌道でヘッド上部のホットスポットで打つのが「先行捻転」の狙いですから、スウィング弧の最低点はヘッドの20センチ後方のままでなくてはなりません。40センチ後方を見つめるとそこがスウィング弧の最低点となり、ボール位置でのヘッドの高さはボールの遥か上となってしまい、空振りしかねません(^^;;。

40センチ後方に先行捻転させると、クラブフェースはややオープンになりますが、20センチ後方ではちゃんとスクウェアになるので、心配ありません。私はこの「先行捻転」を「意図的フライング」と呼んでいます。水泳や陸上競技のフライングはルール違反ですが、ゴルフではお咎め無しなのですから、やらにゃ損々です。

数年前、たった一度だけグリーンサイド・バンカーに入れたことがあるNo.3(231ヤード、パー4)で、ここのところ二週連続でグリーンサイド・バンカーに入れてしまいました(水不足で乾燥しているフェアウェイのせいもありますが)。次回からドライヴァーを短く持って刻む必要があるかも知れません。私が飛距離の目安にしているNo.14(360ヤード、パー5)では、先週・今週と、ティー・ショットをグリーンまで残り140ヤードの地点へと運べました。これは私にとってのこのホールにおける最長不倒距離です。

ティー・ショットが伸びたせいか、先々週は5オーヴァー(パット総数28)、先週は7オーヴァー(パット総数29)で廻れました。間もなく、このサイトを始めて満20年になりますが、やっと長年の研究が実を結んで来たようです。

 

(April 15, 2018)



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