April 04, 2018

グリップ圧で打ち分けるフェードとドロー

 

フェードとドローについては沢山の記事を紹介して来ましたが、今回の内容はこれ迄のフェード/ドロー・シリーズに欠けていた要素です。「フェードはきつめのグリップ、ドローは緩めのグリップ」というのが相場ですが、このtipは左右の手のグリップ圧を細かく指定します。

'How to finesse shots with your grip'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' September 2011)

・フェード

右手は軽く握り、左手はきつく握ってクラブフェースをリリースする。それが左から右へのスピンを生んで、フェードとなる。

・ドロー

右手はきつく握り、左手はリラックスさせる。このセッティングがインパクト時に右前腕部が左側に回転するのを助け、クラブフェースを回転させてボールに右から左へのスピンをかける。

どちらのショットの場合も、クラブフェースでターゲット(着地点)を狙い【編註】、身体(肩、腰、足のライン)をボールをスタートさせたい方向に揃える。上に述べた適切なグリップ圧で、身体の向きに沿ってスウィングする」

【編註】フェードの場合、クラブフェースで真っ直ぐ着地点を狙ったのでは、「プッシュ要因」によってボールは着地点の右へ飛んでしまいます。「Johnny Millerのフェード上級編」(tips_137.html)も併せてお読み下さい。

 

(April 04, 2018)

上手い人はオープン・フェースでフックを打つ

 

『モダン・ゴルフの祖』Byron Nelson(バイロン・ネルスン、1912〜2006)による、ゴルフ・スウィングの上級者向け顕微鏡的分析と解説。

'Shape Your Swing The Modern Way'
by Byron Nelson with Larry Dennis (Golf Digest, 1976)

「ボールと接触する際、理想的にはクラブフェースは意図したターゲットラインに対してスクウェアであるべきだ。しかし、上手いプレイヤーのクラブヘッドはターゲットラインのインサイドからボールに近づくため、クラブのヒールはトゥより先行している筈だ【=オープン・フェース】。だが、スウィング弧とインパクトにかけての手と手首をリリースする動きが、トゥをヒールに追いつかせる。実際上、トゥはヒールを追い越す。

このような舞台裏があるため、あなたがトゥをヒールに先行させる時間が長ければ長いほど、ストレートなボールを打てることになる。それが、左サイドと左腕を伸ばし切ることが非常に重要である理由に他ならない。もし左サイドと左腕が折り曲げられていたら、手は過度に急速に回転し、トゥは時期尚早にヒールを追い越してしまい、かなりのフックを打つ結果となる。

このコンセプトの興味深い点は、上手いプレイヤーはアドレスでのオープンなクラブフェースでボールをフックさせるということだ。私がいま述べているのは真のフック(あるいはドロー)であり、ボールは先ずターゲットの右へ向かい、やおら左に針路を変えターゲット方向へと戻るものである。

【編註】フックとその親類には以下のようなものがあります。
1) プッシュ・フック  ターゲット・ラインの右へ出て、半ばから左旋回しターゲットの左へ大きく曲がる
2) ストレート・フック ターゲット・ラインに沿ってスタートするが、半ばから左旋回しターゲットの左へ曲がる
3) プル・フック    ターゲット・ラインの左へ出て、更に左へ曲がる
4) プル        ターゲット・ラインの左へ出て、そのまま左に直進する

 

正しいスウィングは、クラブをインサイドからターゲットラインへと進める。クラブフェースは若干オープンか、インパクトで右を向き、それによってボールは右方向へスタートする。自然な手のリリースがクラブフェースをクローズにし(トゥがヒールを追い越す)、ボールにフックスピンが加えられ、それによってボールはターゲットへと戻って来る。この自然なリリースは、オープンフェースをクローズにしなければならないというプレイヤーの本能的知識によってより一層サポートされ、プレイヤーは反時計方向に腕を回転させる。これは攻撃的強打と呼ばれ、ブロックト・ショット(無意識にクラブフェースをオープンにし続け、ボールを右へ出す)の反対である。

私はオープンなクラブフェースでひどいスライスを打つことや、クローズなフェースで低く窒息するようなフックを打つことが出来ないなどと云っているのではない。正しいスウィングをし、あなたの本能に逆らわなければ、私が上に述べたことが正しいと判るに違いない」

(April 04, 2018)

プル対策

 

'Golf Magazine'誌が当時の一流プロたちのtipを集め、素晴らしいイラストとの見開きで編集した素晴らしい本より。アメリカ人ですが全英アマ優勝者となり、プロ入りしてPGAツァーほかで計9勝を挙げたFrank Stranahan(フランク・ストラナハン、1922〜2013)によるtip。

'Golf Magazine's Pro Pointers and Stroke Savers'
edited by Charles Price (Harper & Publishers, 1959)

「あなたはプルに悩まされているだろうか?それはターゲットの右にスタートし、その後左に向かうボールだ。あるいはプル・フックに悩んでいるだろうか?それはボールが左にスタートし、そのまま左に向かうものだ。

もしそうなら、インパクト・エリアに近づくにつれ通常より左肩を上げるようにすべきだ。そのままインパクト後まで上げ続ける。こうすると、ダウンスウィングで右肩をゆるやかに下げることが出来、インパクトからフォロースルーのフィニッシュまで右肩を左肩より低くキープし続けられる。これは動作的には堅実なボールの打ち方である。多少の変化をつけて、左OBという狭いフェアウェイで効果的に使える。インパクトでシャフトを先行させるように努力する。このアクションは、左OBという状況でわれわれがよく犯しがちなブロッキングやスウィング中絶をすることなく、フル・パワーを生み出す結果となる」

(April 04, 2018)

ナックルでショットの軌道修正

 

'Use your knuckles as clubface guides' by Ian Hughes,
a part of 'Golf Magazine's The Par Plan'
edited by David Denunzio (Time Home Entertainment Inc., 2013, $29.95)

「打たれたボールが飛ぶ最初の方向は、主としてインパクトの瞬間のクラブフェースの向きに影響される。あなたのグリップがニュートラルだとすれば、ボールを打つ時に左手のナックルがどこを向いているかによって、インパクトでのクラブフェースをコントロールすることが出来る。これはクラブフェースを正しい位置に導く簡単な視覚的助けとなってくれる。

・あなたのボールが、あまりにもターゲットの右へスタートする悩みを抱えているなら、インパクトで左手のナックルが’ターゲットのもっと左を向くように調整する。両手を反時計方向に廻す感じ。

【註】廻すのは手だけであって、クラブフェースも廻してはいけません。手を緩めてから廻し、次いでグリップを固めます。以下も同じ。

・あなたのボールが、あまりにもターゲットの左へスタートする悩みを抱えているなら、インパクトで左手のナックルが’ターゲットのもっと右を向くように調整する。あなたはクラブフェースを過度に廻しているので、身体の回転を増やし、次いで手の動作を続ける。

・ボールを安定して正しくスタートさせるには、インパクトで左手のナックルが真っ直ぐターゲットを向いているイメージを抱くこと」

 

(April 04, 2018)

歯切れのいいチッピングにはストロング・グリップ

 

'Golf Magazine'誌編纂のショートゲーム大全から、シャープにチッピングするコツ。

'Golf Magazine: The Best Short Game Instruction Book Ever!'
Edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2009, $32.00)

「あなたのチッピングが上出来とは云えない日、グリップを見直すといい。あなたが両方の親指をシャフトの上に添えるスタンダードなニュートラル・グリップをしているなら、ストロング・グリップを試してみられたい。両方の手を右に廻し、左手でしっかり握る。手首を固くし、クラブよりハンド・ファーストの構えをし、インパクトにかけて左手甲はターゲットを向く。ややヒットダウンするようにボールを打つが、手首を返してはいけない(右手が左手にかぶさらないように)。クラブヘッドをインパクト後もターゲットラインに沿って動かす。

この方法だとクラブヘッドのコントロールが良くなり、ボールはクラブフェースからジャンプし、望んだ方向へ向かって行く」

 

(April 04, 2018)



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