September 20, 2017

自分の得意な距離を残す戦略

 

長年ツァーの賞金王だったTom Kite(トム・カイト)が説く、コース・マネジメントの秘伝。

'How to Play Consistent Golf'
by Tom Kite with Larry Dennis (Pocket Books, 1990, $14.00)

「ゴルフは将棋のようなものだ。将棋を指す時、四手先、五手先、あるいは十手先を読まずに桂馬を動かしたりしない。ゴルフでもクラブを抜く時、それで打った後、次のショットに効果的な位置が得られるかどうか、先を読む筈だ。

例えば、私はグリーンへ70ヤードのショットが一番得意である。私は30〜40ヤードからよりも、70ヤードからなら何度でも繰り返しピン傍に寄せられる。何故かと云うと、70ヤードのショットは私にとって60°ウェッジのフル・スウィングだからだ。フル・スウィングは部分ショット(3/4とか1/2など)よりずっと正しい距離を打てる。部分ショットには、スウィング速度やスウィングの長さなど不確定要素が多過ぎ、必要な距離を安定して打つのが難しい。

私が二打で乗せられないパー5をプレイする時、二打目をカップまで70ヤード残すように努力する。カップまでの距離から70ヤード引いた距離が、私の二打目の距離である。ある年のthe Masters(マスターズ)でこの作戦を実行し、数ヤード以上打ち損なうことはなかった。何かこのような努力を試みて達成すると、凄く気持ちがいいものだ。気持ちがいいだけでなく、完璧なショットは自信をさらに増幅し、素晴らしい三打目をお膳立てしてくれる。

だから、あなたの長所を見極め、それを基礎にそのホールをどうプレイするか決断せよ。あなたが二打で乗せられないパー5で、単にグリーン近くのどこかに二打目をぶっ飛ばそうとしてはいけない。どこに二打目を到達させるか計算せよ。多分、あなたの得意な距離はグリーンまで50ヤードかも知れない。その次に得意なのは100ヤードかも。というわけで、グリーンに乗せられたら…という甘い期待で3番ウッドを打って、ボールがグリーンサイド・バンカーで息絶えるような真似をしてはならない。バンカーに入るより50ヤード離れている方がマシである。バンカーに入るより100ヤード離れている方がマシである。だから、バンカーに入れないように気をつけよ。

私は常に自分の長所を考慮に入れ、短所を回避する。私は自分の得意な距離が残せるなら、ティー・グラウンドから3番ウッドを打つ。もしドライヴァーが私の不得意な距離を残すとなれば、私はドライヴァーを使わない。だから、コースをよく知っていればいるほど助けとなる。初めてのコースでも、どこにハザードがあるか、グリーンの勾配、ピンの位置、そしてヤーデージを見ることで計算出来る筈だ。コース設計家がどうあなたを惑わせようとしているか、見極めよ。そして彼にしっぺ返しするのだ」

【参考】「2/3、1/2、1/3などで振るウェッジを多用せよ」(tips_183.html)これは上の記事と反対で、出来るだけ短く寄せるべしという理論。

 

(September 20, 2017)

John Daly(ジョン・デイリィ)のチッピング

 

全盛期のJohn Dalyは飛ばすだけではなく、ショートゲームの名手でもありました。そうでなければ二つのメイジャー(1991年のPGAと1995年の全英)に優勝出来るわけがありません。彼の本からチッピングの項を紹介します。なお、彼は自著の中では"third wedge"(第三のウェッジ)と称しているのですが、これは通常のアイアン・セットに含まれるピッチングウェッジとほとんどのゴルファーが携行しているサンドウェッジに次ぐもの…という意味の「第三」で、60°ウェッジを指しています。

'Grip It and Rip It!'
by John Daly with John Andrisani (HarperCollins, 1992, $13.00)

「大方のゴルフ本は、フリンジからボールを宙に浮かべてグリーンに乗せ、そこからカップまで転がせるクラブを、ウェッジから6番アイアンまで間のどれかから選べ…と云っている。だが私は、短いチップを沈めたい場合、一本のクラブに慣れ親しみ、目隠ししてでもチップイン出来るぐらいになるべきだと信じている。そして、一番のお薦めは60°ウェッジで、それが無いのならサンドウェッジだ。60°ウェッジは、例えば7番アイアンなどよりはキャリーが多く、ランが少ない。

・当然だがターゲットを見易いオープン・スタンスを取る。スタンス幅は狭め。

・クラブフェースはターゲットにスクウェア。

・グリップは軽くリラックスさせるが、手首は緩めない。

ボール位置は右爪先前方。この伝統的でないボール位置の理由については後述。

クラブシャフトを前傾させる。【編註:本の写真ではシャフトをターゲット側に傾げているものの、両手は身体の中央】

 

・体重は左サイドに70%掛け、スウィングの間じゅうそれを変えない。

ボール位置をスタンス後方にする理由は、絶対確実な結果が期待出来るからだ。チップはディセンディング・ブローでボールを打たねばならない。後方のボール位置は、先ずクラブヘッドが下降の最中にボール後方を打つことを確実にする。これはダフりを防いでくれる。第二に、ハンドファーストで構えることにより、クラブの実効ロフトを10°ほど減らす。事実上、60°ウェッジはピッチングウェッジに変身する。よってボールは低く飛び、このクラブ本来のロフトよりもランが増える。

私が60°ウェッジでチップしないのは、少なくともグリーンから16ヤード距離があるか、急な上り坂でボールがすぐ上昇してしまう状況だ。この場合、私は大抵ピッチングウェッジを選び、上に述べたのと同じ方法を用いる」

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60°ウェッジ一辺倒なのは私も同じですが、私は原則としてボール位置はスタンス中央、ランを多めにしたい時だけスタンス後方にしています。と云っても、John Dalyのように右爪先前方という過激な位置ではなく、スタンス中央の僅か後方ですが。

(September 20, 2017)

着地点ターゲットを用いてチッピング練習

ヨーロピアン・ツァーのThomas Levet(トーマス・ルヴェ、フランス)による練習法。

'Golf Tips from the Pros'
edited by Tim Baker (David and Charles Limited, 2006, $14.99)

「アマチュアの多くはグリーン周りでチップショットする時の強さの判断に苦労する。なぜかと云うと、彼らはどの程度強く打てばいいか、単純に知らないからだ。寄せワンを得る代わりに、彼らはグリーンエッジから三打も四打も費やしたりする。コトを簡単にするため、私は常にグリーンエッジの内側1メートルを着地点として狙う。

練習する際、着地点となる地面(グリーン)に紙切れなどでマークする。【紙が飛ばないよう、ティーで地面に固定するとよい】どのぐらいの強さで打つべきか知るため、目印の紙までボールを放る。実際にチップする時も、スウィングの長さを判断するため、手で投げた感じを利用する。

その後、全体の長さを変えるには単純にクラブをチェンジする。ピンが近ければサンドウェッジで目印の紙を目掛けて打つ。この場合、ボールはあまり転がらない。ピンが遠ければ7番アイアンなど、ロフトの少ないクラブを選ぶ。

同じ振幅のスウィングを用いて異なるクラブで目標の紙を打つ。この練習によって、あなたのキャリーと転がりの判断を向上させることが出来る」

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これは私の「ピッチングとチッピングの距離調節・完全版」(tips_169.html)の正反対の技法です。私は一本のクラブ(60°ウェッジ)を用い、距離に応じてクラブを持つ長さとバックストロークの長さを変えます。最近は「完全版」のように細かい調節はせず、シャフトが地面に平行なバックスウィングと、左前腕が地面と平行になるバックスウィングの二つを主に使っています。この二つの位置が最も明快だからです。距離がその二点のどれかに合わない時は、他のポイントも使いますが…。この手法による私のピッチングとチッピングの距離の正確さは、仲間内で定評があります(方向も正確だといいのですが)。

 

上の記事は、極めてオーソドックスなチップ・アンド・ランで、特に素人向けとして推奨されているものです。Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)も長い間この方法で寄せていましたが、彼女が男子PGAツァーに参加した時、男子プロの多くがロブ・ウェッジ一本で寄せているのを目にし、彼女もそれに倣うようになりました。

【参照】「Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)の寄せ」(tips_80.html)

(September 20, 2017)



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