September 03, 2017

砲台に駆け上がらせるショット

 

私がプレイしているコースのグリーンの多くは砲台です。花道からなら平らなので転がせますが、一寸左右どちらかに逸れると急勾配の砲台に化けてしまうという小憎らしい設計。真っ直ぐ打てない者にとっては100%砲台になると云って過言ではありません。

ロブ・ウェッジを多用する私にとっては、砲台は苦にならないのですが、ピンの位置によってはお手上げになる場合があります。仮にピンまで15ヤードのところにボールがあるとして、ピンがエッジから10ヤード離れていれば楽勝ですが、もしピンがエッジから5ヤードだと、ボールは土手で停止するかピンを10ヤードほどオーヴァーするかどっちかなのです。フェースをオープンにして急速に停止させる練習もしましたが、ショートすることが多く、当てになりません。

で、"run-up shot"(ランナップ・ショット=駆け上がらせるショット)を習得することにしました。

 

1) 勾配がなだらかで、パターで転がせる場合

・Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)のtip。

'465 Golf Lessons by Arnold Palmer'
edited by Earl Puckett (Digest Books, 1973, $4.95)

「ボールとカップとの間の距離が短い場合、土手に打ったボールはグリーンまで届かないが、土手を越えるとグリーンをオーヴァーしてしまったりする。この場合、唯一の選択肢はパットすることだ。

先ず、ライン上の邪魔物を取り除く。グリーンでパットする時と同じようにラインを読む。パッティング・グリップを採用するのもいいだろう。

このショットの鍵は、パットする時同様ボールを掃くように打つことだ。そうすればボールがジャンプせずに転がる。ボールは土手を転げ上がり、ラインを逸れる恐れはない」

 

 

2) 急な崖で、アイアンを使わねばならない場合

・最初はSam Snead(サム・スニード)のtip。

'How to Hit a Golf Ball'
by "Slammin' Sam" Snead (Doubleday & Company, Inc., 1950, $1.95)

「ボールとグリーンとの間に障害物がない場合、多くのゴルファーがグリーン手前に着地させ、ピンまで転がすショットを好む。特に、グリーンが固く乾いていたり、ピッチショットがリスキーな場合に効果的である。

ボール位置は右足の近くで、しっかりした下降気味のストロークをする。身体の大きな動きはなく、手首と前腕部が仕事をする。

私は、このショットをグリーンから20〜30ヤードも離れている場合には推奨しない。草の長さや地面の凸凹が、ボールをラインから逸らしかねないからだ」

・次はFred Couples(フレッド・カプルズ)のtip。

 

'Total Shotmaking'
by Fred Couples with John Andrisani (HarperPerennial, 1994, $15.00)

「グリーンをオーヴァーさせると、急勾配の土手を越えてボールを戻さなくてはならなくなることが珍しくない。この状況をさらに難しくするのは、ピンが二段グリーンの奥にあり、ロフトのあるクラブではピン傍に止めることが出来ないことだ。

この場合のスマートなプレイは、土手の天辺を越える勢いでボールを転がし上げ、なおかつカップを大幅に越えたりグリーン・オーヴァーさせないようなショットをすることだ。

この技はさほど難しくない。ボール位置はスタンス中央にし、左足体重で、手首を固くしたチップ・ショットをする。ボールを先に打ってから、地面に接するようにスウィングする。

このショットの鍵は、この状況に適したクラブを選択することだ。土手がかなり急で草が長ければ、ボールを高く上げ土手の天辺に届かせなければならない。【原注:これは難しいショットだ。多過ぎるロフトによって、土手全体を飛び越してしまう恐れが生じるからだ】この状況下では、8番か9番アイアン(ピッチング・ウェッジも可)を選ぶのが妥当であろう。

もし土手がさほど急でなく、草も短ければ、ロフトの少ないクラブでボールを土手の下方に着地させ、グリーンへと転がし上げる。ここでの選択肢は、5番、6番、7番アイアンが相応しい。

土手を上げるショットをする際よくある傾向は、あまりにもボールを強く打ち過ぎ、土手は楽々越えるものの、カップを大幅にオーヴァーさせてしまうことだ。練習以外に、このショットをマスターする途はない」

 

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市営ゴルフ場のNo.14(440ヤード)パー5は、グリーン・オーヴァーさせるとピンの下半分が見えないほどの崖下に転げ落ちてしまいます。ロブ・ウェッジで乗せようとすると、カップを大幅に通り越してしまうのが常。で、ある日24°ハイブリッドを試したのですが、短かいと土手で停止、長いとカップを大幅にオーヴァー。試みに8番アイアンを使ってみると、何度かピン傍に寄りました。たまたまですが、上の記事を読む前にFred Couples(フレッド・カプルズ)と同じ結論に達したのでした。今後、この"run-up shot"(ランナップ・ショット)をいつでも使えるよう、引き出しに入れておくつもりです。

【参考】「元祖・チッパット」(tips_72.html)

(September 03, 2017)

復習の鬼

私は口惜しいミスが忘れられない性質(たち)で、チーム・ゲームの無い日やゲーム開始前に前回ミスしたショットを必ずおさらいします。

最近の口惜しいミスは二つ。

・No. 7(160ヤード)パー3の15ヤードのチップ

このグリーンは奥から手前、右下方へと急勾配で下っています。当日のピン配置はフロントから5ヤードの中央でした。私のティー・ショットはピンを10ヤードほどオーヴァーして、さらに5ヤード左外へ転げ出ていました。グリーンまではやや打ち上げですが、グリーンそのものは右へ下っているので、ピン傍に着地させると、どんどこ外へ転げ出てしまいます。ボールを高く上げて止めたいところ。ただし、フェースをオープンにするとショートして土手で停止するのが恐い(私のよくあるミス)。

で、オープンフェースはやめ、グリーンエッジぎりぎりに着地させ、とろとろとピンまで転がす策を選択。60°ウェッジを上手く打ち、チームメイトにチップインを期待させたのも束の間、ボールは転がり過ぎてピンを1メートルもオーヴァー。ボギー。

「確か、フェースはオープンにしなくてもバックスピンを掛けられる方法があったな…」と思い、過去の記事を調べてみました。ありました。「カットロブ簡略版」です。これは両腕をインパクト後ターゲットの左に(ターゲット方向ではない)スムーズに廻すだけ…という簡単な手法。

後日、その二打目地点に戻り、「カットロブ簡略版」を試しました。約15ヤードの距離ですが、私は経験上こういうショットではウェッジの目盛りを(通常の15ヤードより)二段階上げるべきであることを知っていました。狙いはピンにスクウェア、フェースもスクウェア。両手が腰の高さまでという短いバックスウィングながら、しっかりコックし、両腕を左に向けるフィニッシュ。ボールは10メートルほど舞い上がり、ピンの手前に着地。四個打ったボールの三個はギミー(OK)の位置に寄り、一個なんぞはチップインしちゃいました。

・No.16(182ヤード)パー4のバンカー越え15ヤードのチップ

 

私のティー・ショットはバンカーのぎりぎり手前で停止していました。ピンはバンカーの直近1.5メートルという意地悪い配置。バックスピンが掛かっていないボールは遥かにピンを越え、グリーン中央に集まってしまう仕掛け。過日の私のミスは、ボールがバンカーをぎりぎり越えたものの、ランが多くグリーン中央へ転がったミスでした。

ここでも「カットロブ簡略版」を試しました。スクウェアに狙って、ウェッジの目盛りを二段階上げ、両手が腰の高さまでのバックスウィング、しっかりコック、両腕を左に向けるフィニッシュ。ここでも四個のボールを使いましたが、全てギミーの位置へ。呆気ない成果でした。

さて、これで準備OK、いつでも来い…と思っていると、似たような状況は中々訪れないものなんですよね。そして、そのうちこの手法を忘れてしまう。いつもこんなことの繰り返しなんですわ(;へ;)。

【参考】「カットロブ簡略版」(tips_173.html)

(September 03, 2017)

あなただって、左右の脚の長さが違うかも

 

脚の長さが違うことを、専門的にはLLD(Leg Length Discrepancy=脚長差)と称するそうで、インターネット検索で沢山記事が見つかります。一例:https://thesports.physio/2014/01/11/the-long-and-short-of-leg-length-differences/

[LLD]

下肢の左右の長さが1センチまで異なる人間は、人口の60%〜95%まで存在するそうです。【出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21157756】ですから、これを読んでいるあなたも、その95%に入っているであろうことは想像に難くありません。そして、多くの場合右脚が左より短いのが一般的だそうです。【出典:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1232860/】私の場合は、右の方が約1センチほど長いのですが。

では、どれだけのゴルフ・インストラクターがLLDとその対策について指摘しているか?

パッティングに特化した以下の本を調べてみました。筆者はDave Pelz(デイヴ・ペルツ)、Todd Sones(トッド・ソーンズ)、Stan Utley(スタン・アトリィ)そしてDr. Craig L. Farnsworth(クレイグ・L・ファーンズワース博士)らです。

'Dave Pelz's Putting Bible' by Dave Pelz (Doubleday, 2000)
'Light-Out Putting' by Todd Sones (Contemporary Books, 2000)
'TheArt of Putting' by Stan Utley (Gotham Books, 2006)
'The Putting Prescription' by Dr. Craig L. Farnsworth (John Wiley & Sons, Inc., 2009)

上のリストに漏れているパッティング・コーチはMarius Filmalter(マリウス・フィルマルター)ぐらいのものですが、彼はまだ本を出していません。

呆れました。これらの誰一人、脚の長さがストロークに影響する…とか、脚の長さの違いによって体重の掛け方を変化させよ…などと書いていません。一行すら。

'Putt to Win' by Dave Stockton (Simon & Schuster, 1996)

パット名人Dave Stockton(デイヴ・ストックトン)は、「自分は15歳の時の事故の後遺症で、左脚が1インチ(約2.54センチ)短い」と書いているくせに、彼の本に脚の長さの違いで体重の掛け方を変えよ…などという記述は一言も無し。彼は「自分の脚の長さが不揃いであることに、26歳(プロ入り三年後)まで気づかなかった」と書いていて、その後は左だけ高くした靴を履いているそうです。そんな事情があるなら、世の中の不揃いの脚を持つゴルファーへの助言があってしかるべきなのに…。

'Perfectly Balanced Golf' by Chuck Cook (Doubleday, 1997)

インストラクターChuck Cook(チャック・クック)は、ロング・ゲームからショートゲームまで、全てバランスが大事だと力説していながら、脚の長さの違いとバランスについて全く言及していません。

私の知る限り、脚の長さの相違の重要性に触れたプロは、Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)とGeorge Knudson(ジョージ・ヌードスン)の二人だけ。インストラクターでは「体型別スウィング」の共著者たち(三人)、および女性インストラクターJane Horn(ジェイン・ホーン)だけです(その彼らもパッティングについては全く触れていません)。世界中に脚の長さが異なるゴルファーは数え切れないほど存在するというのに、この片手落ちはどういうことか。

フル・スウィングでも正確な方向性を得るため、脚の長さの違いを克服することは重要ですが、着地点の面積に余裕があるうちはまだ許容度が高い。しかし、直径10.8センチのカップを狙う段になると方向性は非常に精密でなくてはならない。それなのに、脚の長さの違うゴルファーのパッティング・メソッドは全く無視され続けて来たのです。私の「右足体重のパッティング」(8/30)は、世界で初めて公にされたLLDとゴルフ関連のtipかも知れません。

初めてかどうかはどうあれ、私の発見したLLD克服パッティング技法が凄く役に立っていることは間違いありません。あなたの両脚の長さの差が5ミリ程度なら問題無いかも知れませんが、1センチも違ったらその克服法を模索すべきです。

【参考】
・「脚の長さの違いは、両手の向きに影響する」(tips_169.html)
・「右脚が左より長いゴルファーへの警告」(tips_169.html)

【おことわり】画像はhttps://static1.squarespace.com/にリンクして表示させて頂いています。

(September, 2017)



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