November 22, 2017

シニアに最適化されたパワー・スウィング【基礎篇】

 

[book]

シニアだけなく、パワー不足、飛距離不足、柔軟性不足…など、不足だらけの方にもお薦めです(^-^)。

Play Better Golf for Seniors'
by Mike Adams & T.J. Tomasi with Kathryn Maloney (Henry Holt & Company, Inc., 1998, $29.95)

「年をとると、様々な重大変化に遭遇する。すなわち、強靭さと柔軟性の喪失、体重の増減と体重移動の問題、機敏さの減少、視力の低下、貧弱な反射神経…これらは全て加齢の進行ゆえである。

さりながら、誰しも新しいスウィングをゼロから覚えようなどと思わないことは、百も承知している。だが、これから述べるメソッドで即座に得られる好結果は、加齢によるスウィング変更を迫られている心地悪さを急速に忘れさせてくれるものだ。

■セットアップ

ゴルフ・スウィングで最も重要なものであるにも関わらず、セットアップにはさして運動能力を必要としない。だから、お粗末なセットアップしか出来ないことに、都合のいい口実はあり得ない。どんなゴルファーにでも、少なくともアドレスだけはJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)のように完璧に出来るのだ。

・グリップ

シニア・ゴルファーは左手だけストロング・グリップ、右手はニュートラルが望ましい。左手でグリップする際、"heel pad"(生命線の下の膨らみ)でハンドルを抑えること。親指の下の膨らみではない。【註】こうすると、テンションを感ぜずにしっかり握ることが出来る。右手は指の第二関節でハンドルを握るフィンガー・グリップ。

【編註】これを読むまで、いつの間にか私は左手の親指の下の膨らみで抑えていました。時折こういう基本事項を読み返すのも大事だということを痛感します。

きついグリップ・プレッシャーでクラブを握ると、正しいコックが出来なくなる。逆に緩過ぎると、あなたの脳がスウィングのどこかで『リグリップせよ』と命ずることになり、そのプレッシャーはクラブヘッドのコントロールを滅茶苦茶にする。

両手のグリップ・プレッシャーは均等であるべきだ。圧力の度合いを1〜10とすれば、5の強さで握る。正しいグリップをしていれば、スウィングの間に徐々に自然にグリップが締まる。だから、正しいグリップをすることが先決なのだ。

・ポスチャー

年齢に関わらず、人間の身体はウェスト(胴のくびれ)ではなく股関節から前傾するようにデザインされている。股関節から上体を折れば、背骨は傾斜するが背中が曲がったりはしない。これはスウィングにとっていいだけでなく、あなたの腰を守るためにもいいことだ。ウェストから身体を曲げると、背を丸め股関節をロックし腰の回転を制限してしまうため、必要以上に腰をスライドさせてパワーを失わせ、腰を痛める危険を増大させてしまう。正しく股関節から身体を折れば、腕が自由にスウィング出来る空間も生み出せる。これはシニアにとって特に重要である。

よいポスチャーを確立するには、前述のグリップをした後、左腕を(身体の脇にではなく)胸につけ、クラブシャフトを地面と平行にして直立する。股関節から上体を前傾させながらクラブヘッドを地面に下ろす。このシニア・スウィングのためのポスチャー形成が正しく遂行されれば、膝はほとんど緩められず、尻が後方に突き出されることになる筈だ。

・膝

シニアは以前より上体を傾斜させるべきなので、膝の緩め方を制限し、下肢を真っ直ぐにすべきである。膝を爪先方向に突き出してはならない。

・頭

顎を胸に埋めると、肩の回転を著しく制限し、パワーを生む捻転を損なってしまう。これはシニアにとって大損失である。

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・ボール位置

あまりにもターゲット側にしたボール位置は、自ずと肩をオープンにし自ずとスライスの源となるアウトサイド・インのスウィングの土台を作ってしまう。シニアにお薦めのボール位置は、若い時よりもずっと後方にすることだ。これは左手のストロング・グリップと相俟って、インパクトで最大のパワーを生み出す。

ミドル・アイアンとショート・アイアンのボール位置はスタンス中央、ユーティリティ・ウッドはスタンス中央からボール一個分前方(ターゲット側)、ティーを用いて打つウッド(ドライヴァーを含む)はスタンス中央からボール二個分前方。

【爪先を開く錯覚】

お気づきだろうか?爪先を開くと、スタンスとの関連でボール位置を定める判断を狂わせるのだ。次の実験をして貰いたい。両爪先を身体の前方に揃えてボールをスタンス中央に置く。そこで左爪先をターゲット方向に開く。ボール位置がスタンス後方になったように見える。左爪先を真っ直ぐに戻し、今度は右爪先を後方(ターゲットと反対方向)に開く。ボールはスタンス前方に動いたように見える筈だ。

だから、幻覚に惑わされないよう、上体との関連でボール位置を定めるようお薦めする。

・スタンス

スタンス幅は両踵の内側で測られる。シニアは標準よりも広めのスタンスをとるべきだ。これはフルウィングでパワーを生むためにシニアにとって必要な上体の水平の動きを容易にする(ただし、過剰に広くしないように)。

ティーアップして打つドライヴァーやウッドは最も広めのスタンスで、両足の内側を両肩の外側に揃える。短いクラブではその長さによってスタンスを狭めるが、腰の幅よりは絶対に狭くしないこと。以上のスタンスで後方に捻転し、次いでフォロースルーの体勢を取った時、右膝が左膝にほぼ接触すれば正しいスタンスである。

捻転能力を増すには、25〜45°の角度で両爪先を開くのが望ましい(あなたの柔軟性にもよるが)。あなたの柔軟性が充分でなければ、右爪先をさらに開くと、後方への回転が可能になる。

・狙い方とアライメント

柔軟性が衰えると、スクウェア・スタンスはあなたの回転を制限し、捻転の度を減らす。クラブフェースはスクウェアにターゲットを狙うが、あなたの肩と腰は若干クローズにすべきである。右足をターゲットラインから下方に遠ざける。その結果、両爪先を結ぶ線はターゲットそのものを指す。【警告】右足を引く際、スクウェアなクラブフェースの角度を損なわないこと。

【編註】アライメントの説明には、よく線路の比喩が用いられます。通常、クラブフェースは右の線路のようにターゲットを狙い、肩と腰は左の線路のようにターゲットと平行な左を狙います。しかし、この本の筆者たちは、シニアはクラブフェースも肩と腰も全てターゲットを狙うクローズなアライメントをすべきだと主張しているのです。

ここまで述べて来たセットアップ(グリップからアライメントまで)は、個々の要素が互いに結びついてシニア・スウィングに必要な調整となるのだということを認識してほしい。ストロング・グリップは、後方にしたボール位置にクラブフェースがクローズになる前にインパクトに到達するのを助け、それはクローズな身体のアライメントによって、ややターゲットの右へ出てターゲット方向へと戻って来るパワフルなショット(ドローあるいはフック)に結びつくのである。

【次回完結】

【おことわり】本の画像はamazon.com、アドレスの画像はhttps://i.ytimg.com/にリンクして表示させて頂いています。

(November 22, 2017)

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の脚の使い方

 

「Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の遺産」シリーズ。

'495 Golf Lessons'
by Arnold Palmer edited by Earl Puckett (PGA), (Digest Books, Inc., 1973, $4.95)

・両足でクラブを振れ

多くのインストラクターが、適切なフットワークで身体の底辺からスウィングを開始せよと教えるが、ゴルフ・スウィングについて語る時、これ以上適切な論旨はないと思う。

ゴルフ・スウィングの二つの鍵は、正しい体重移動と適切なバランスである。このどちらも正しいフットワークに直接的に依存している。あなたの両足と下半身が正しい時に正しい方法で動けば、その他の部分は(クラブも含まれる)スムーズに正しく従う筈だ。

アドレスであなたの体重が多かれ少なかれ両足に均等に配分されていると仮定する。バックスウィングで、あなたの左踵は僅かに上がって左膝はボールの背後の地面を指す。これが起る時、あなたの体重は右足の内側に移動する。

ダウンスウィングの先ず最初の動きは、左踵を地面に戻し、体重を左に戻すことだ。フィニッシュで、あなたの体重のほとんどは左足の上にある。

 

・左膝が腰の回転をコントロールする

良くタイミングされたスウィングにとって、バックスウィングは制限があるべきでない。バックスウィングの一般的制限の形は、プレイヤーが左膝をボールに向ける時に起る。この形で左膝を前方に突き出すと、腰を充分に右へ廻すことを不可能にする。そうではなく、バックスウィングの捻転が完了する時、左膝はボールの後方数センチを差すべきである。この正しい膝の位置は、より一層の回転を可能にすることに気づくだろう。

スウィングのパワーの大部分は、ゴルファーの両脚から生まれる。このパワー(およびタイミングの多く)は、プレイヤーが正しい脚とフットワークを利用しなければ、無駄になってしまう。正しいフットワークの鍵は、バックスウィングで腰を廻しながら左膝を右に素早く動かすことだ。

・スウィングする間、膝を柔軟にせよ

あなたに可能な飛距離の全てを得たいのなら、ボールが遥か遠くになるまで膝を強ばらせてはいけない。常に両膝の柔軟性を維持せよ。

特に、バックスウィングで右膝を強ばらせないように注意。脚を幾分か曲げ続けること。バックスウィングでこの柔軟性を維持するのは重要なことだ。それは体重が右足の外に出ることを防いでくれる。体重が右足の外に出てしまうと、バランスを崩す原因となる。この右膝の曲げは、同時に肩がフル回転する間腰の回転を減らす。それゆえ、背中と脚の筋肉は活用されない。

ダウンスウィングの間、左脚を強ばらせてはいけない。それはボールが打たれた後で起ることである。ダウンスウィングの最中に脚を強ばらせると、腰は旋回するか左へスピンしてしまう。これは肩をあまりにも水平なプレーンで回転させ始め、ターゲットラインの外へクラブヘッドを投げ出し、プルかスライスを生じさせる。

・ダウンスウィングで左脚を引け

『ダウンスウィングの開始で右膝をターゲット方向に蹴れ』という助言を聞いたことがある筈だ。これは左サイドへの体重移動に問題を抱えている人には助けとなるかも知ないが、右サイド優勢のダウンスウィングの原因となる悪しき助言である。

私は左サイドを引くことでダウンスウィングを始めると感じるのを好む。私の左膝は左サイドが引かれるにつれターゲット方向に曲げられる。一方、右足はかなり真っ直ぐ留まる。その結果、ダウンスウィングの開始で両膝が左右に広く開いた、ガニ股のような格好悪い姿になる。

格好悪かろうと何だろうと、これは正しい位置であり、(右側で押すのではなく)左サイドで引いていることを示すものだ。

 

(November 22, 2017)

胴体逆転・再認識 [Hideki]

「正確無比なショットの秘訣」(tips_185.html)およびその続編「ダウンスウィングの研究」(同頁)で、《ダウンスウィングの両手が腰の高さの時、右前腕とシャフトが重なるべきだ》という説を紹介し、これが完璧に下半身主導で、しかも両手をこねくり廻さず方向性の良いショットを生むことに繋がると書きました。

それに続く「ダウンスウィングの研究」という記事で、現在活躍中のプロたちがその《ダウンスウィングの両手が腰の高さの時、右前腕とシャフトが重なるスウィング》をしている実例を写真で紹介しました。その一人は松山英樹。

「松山英樹のアイアン・ショット」(tips_169.html)およびその続編「胴体で逆転する」(同頁)で、彼のスウィングは「手・腕の独立した"hit"(打つ)という動きを排除し、胴体の逆転に全てを委ね、腕・手・クラブは追随するだけというスウィングに見える」…と書き、その真似をしたら、ワン・ラウンドで三つのバーディをものに出来たと記しました。

よく考えると、《ダウンスウィングの両手が腰の高さの時、右前腕とシャフトが重なるスウィング》と、胴体で逆転するスウィングは同じものなんですね。二つの記事に松山英樹が出て来て当然なのでした。彼のアイアン・ショットの正確さは世界が認めています。時たま、彼は一本腕のフィニッシュをしますが、それが大きなミスかというと然にあらず。単にピンの10ヤード左に逸れただけだったりして、TVアナウンサーたちを唖然とさせます。私の推測ですが、松山英樹が「いけね!」と思うのは、完全に胴体逆転ではなく、手・腕がちょっとしゃしゃり出過ぎたための不満ではないでしょうか?手・腕にブレーキをかけるための一本腕フィニッシュだと思うのです。

私が開発した練習法に、アイアンで雑草を抉り取るというのがあります。【参照「草を抉(えぐ)る」(tips_168.html)】コース内にも練習場にもこの手の地面に這いつくばった雑草はごまんとあり、練習材料には事欠きません。私は草を抉る動作を胴体逆転の手法で行うようにしました。ボールを買う必要もなく、ディヴォットを取るのにも慣れるし、いいことずくめです。

(November 22, 2017)




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