November 05, 2017

視覚化を強力な武器とせよ

 

"swing key"(スウィングの鍵)とか"swing thought"とか呼ばれるプロたちの「留意事項」を集大成した本より。今回はJim Simons(ジム・サイモンズ、1950〜2005)の巻。彼はPGAツァーで三勝を挙げています。

'Swing Thoughts'
edited by Don Wade (Contemporary Books, 1993, $12.95)

「私はアマチュアとしての結構な経歴を持ち、そしてツァーで三勝もしていたのに、Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)に教えを乞うまで、スウィングの何たるかを真に理解していなかった。彼はスウィングの最初から最後までコネクションを保つべきだと強調した。私にとってコネクションを保ち続けるベストの方法は、スウィングの鍵となる二つの位置(バックスウィングのトップとフィニッシュ)で、自分がどのように見え、感じるべきかを視覚化することだと悟った。

【編註】Jimmy Ballardが説く「コネクション」は、「ゴルファーは先ずがっちりと"connected"(結合された)アドレスで、身体各部の"connection"(結合、連結)を作り出さねばならない。そうするため、重量挙げのスタンスを模範としてほぼ肩幅の広さで、左足を僅かにオープン、右足は飛行線に直角、両膝を曲げる。この際、両肩・両腕・両手は"connected"(結合され)、三角形を形成する。バックスウィングで右脚に対して適切に"brace"(踏ん張る)するセットアップとなる。左上腕を身体に密着させ(結合)、身体の大きな筋肉(脚、上体、肩など)を使って手・腕をコントロールする」とまとめられます。

1978年のMemorial(メモリアル)トーナメントの最終ホールで、その二つの位置のイメージはとても役に立った。開催地であるMuirfield Village(ミュアフィールド・ヴィレッジ)は、とても注文の多いコースであり、優勝争いに参加するプレッシャーは激烈で、我を忘れてコントロールを失いかねない恐れがあった。私は、上の二つの鍵となる位置でどうあるべきかメンタルなイメージを得ること(そして、その位置で感じるべき感覚を実際に感じようと努力すること)が、プレッシャーの幾分かを軽減し、最終段階でいいスウィングを遂行する助けとなってくれた。

視覚化は非常に重要かつ有効な武器である。同じトーナメントの最終ホール。私が一打差で優勝するためにはパーが必要だった。ティー・ショットは良かったのだが、二打目をグリーンの左に外してしまい、それは死んだも同然だった。カップはグリーン左の中程に切られており、私には旗の天辺しか見えず、それがなおさらショットを難しくしていた。

 

こんなのは練習出来る代物ではないショットだったから、ますます困難であった。寄せる希望は唯一、どの程度高い軌道で、どこへ着地させ、どれだけブレイクし、着地後どれくらい早く転がるか…を完璧に視覚化することしかなかった。

視覚化し終え、どんなタイプのスウィングをどの程度の強さで遂行するか、そのフィーリングを得ようとした。私は六回かもっと多くの素振りをし、そのスウィングがどうあるべきか模索した。いったんそのフィーリングが得られたら、私はそれを直ちに実行に移した。

私は自分に可能なベストのショットを放ったのだが、ボールはカップを6メートル以上オーヴァーした。私はそのパットを沈め、ツァーで二度目の優勝を果たした」

【参考】
・「Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)メソッド」①〜⑩(tips_151.html)
・「Jimmy Ballard(ジミィ・バラード)はなぜ有名でないのか?」(tips_152.html)
・「二つの視覚化」(tips_5.html)
・「視覚化技術向上法」(tips_26.html)
・「視覚化を超えて」(tips_95.html)
・「スウィング・キイ大全集・前篇、後篇」(tips_46.html)

(November 05, 2017)

目の疲れが緊張を生む

 

「体型別スウィング」の共著者(三人)のうち二人が執筆したシニアのための教本から、ゴルフに重要な視覚に関する注意事項。

'Play Better Golf for Seniors'
by Mike Adams & T.J. Tomasi with Kathryn Maloney (Henry Holt & Company, Inc., 1998, $29.95)

「『スポーツ視覚』の著者Dr. Leon Revienは『視覚は学ばれ、改善出来るものである』と述べている。目は、他の身体構造同様、筋肉によってコントロールされる。筋肉が強靭であればあるほど、よい視覚が得られる。『もし筋肉がちゃんと機能し、われわれの目が正しく位置していれば、それぞれの目からの神経インパルスは正確に脳の視覚神経に送られる。その刺激は、融合として知られているプロセスによって単一の三次元イメージに混ぜ合わされる。融合作用が弱い場合、それは視覚のための筋肉がコーディネートされないことを意味し、間違った身体動作の決定を下すことに繋がる』強靭な目の筋肉は疲れを防ぎ、視覚的能力を向上させる。

等距離にある二つの目標を選んでほしい。例えば250ヤードぐらい離れたフェアウェイ両側の何かを。それらに近づきつつ、どちらが実際には自分に近いかを決定出来るか、一心にみつめて研究する。この過程を、異なる距離(150ヤードとか80ヤードなど)で繰り返す。あなたの脳は、この視覚的実践によって、どう目標を位置づけるかを学ぶことが出来る。それはまた、鋭敏な知覚を学び、旗竿のような物体をもっと鮮明かつ明確に認識出来るようになる。視覚を鋭敏に研ぎすますには、車のナンバープレートや道路標識の文字を読み取るような、精密な観察力を養う。ゴルフ・コースでは、認識出来る距離になったら旗竿に書かれている文字を読み取るような練習をする。

 

最もよい目の筋肉の強化法は、頭を動かさずに目をぐりぐり廻すことだ。これは目の全ての筋肉の鍛錬となる。両方の目は同じ速度で一緒に回転すべきである。先ず反時計廻りで十回、次に時計廻りで十回。

当然ながら、ゴルフの重要な部分はターゲットを正確に位置づけることだが、疲労による貧弱な視覚は視覚情報の処理を難しくする。あなたのベストのプレイをするには、アスレティックな目が必要である。あなたは他の筋肉同様、目の筋肉を強化することが可能であり、その筋肉が疲労した時、それを活気づけることも可能である。

目を閉じ、掌で覆う。掌で目に非常にソフトな圧を掛け、その圧を維持しながら優しく掌をぐりぐり廻す。深呼吸し、身体をリラックスさせる。数分間休止し、もう二回ほどマッサージを繰り返す。目が痒い時のように擦ってはいけない。目をめり込ませるように掌を押さないこと。コンタクト・レンズを着用しているなら、この体操をしないこと。

目の疲れはあなたの顔の筋肉を緊張させ、その緊張は身体の他の部分に浸透する。それは自分で気づかないほど低レヴェルの緊張だが、その影響はラウンド後半での極度の疲労に結びつく恐れがある。これを防ぐには、折りに触れ顔の筋肉を意識的にほぐすべきである。特に顎の筋肉は30秒ほど口を開け、口で呼吸し、空気を腹腔の奥へと送り込む。リラックスした顔面の筋肉と深呼吸のコンビネーションは、身体全体の緊張を減少させ、最終ホールまでエネルギーを温存させてくれる」

(November 05, 2017)

眼鏡を掛けたゴルファーの頭

 

Arnold Palmer(アーノルド・パーマー)の遺産シリーズ。

当市の図書館は、ドネーションされた本で不要とみなしたものを年に数回廉価で特売します。そこで見つけた本の一冊がこれで、Arnold Palmer(アーノルド・パーマー、1929〜2016)が新聞のコラムとして連載した記事(イラスト付き)を、「スウィング」、「戦略」、「トラブル・ショット」、「ショートゲーム」、「パッティング」、「バンカー・ショット」などの分野別に編集し、一巻としたもの。tipsは、なんと計495もあります。毎日連載したとして、一年半分(ま、似通ったtipも多いのですが)。「どうせ、ゴースト・ライターが書いたんだろ」と眉に唾して読みましたが、なかなかどうして、当人でないと書けない文章が沢山散りばめられています。当時、40代となりPGAツァーでの盛りが過ぎていた彼は、時間の余裕もあり、懸命に自分で執筆したんでしょう。今後、その中の選り抜きをいくつかを御紹介しようと思います。

'495 Golf Lessons'
by Arnold Palmer edited by Earl Puckett (PGA), (Digest Books, Inc., 1973, $4.95)

「理想的なゴルフ・スウィングでは、肩がフル・ターンする間、(禁止されるべきものではないとしても)頭は完全に静止し続けるものだ。肩と共に若干(あくまでも若干)頭も回るのは助けとなるだろうが、なお不動の頭が理想である。

眼鏡を掛けているゴルファーが頭を動かすのを避けるべきなのは不可欠である。眼鏡の縁の動きがゴルファーの邪魔になるだけでなく、激しい頭の回転が視野をレンズの中から外(焦点の合った視野からぼやけた視野)へと切り替わるからだ。

あなたが眼鏡を着用するゴルファーなら、レンズの中央でボールを見ながらアドレスする。頭を傾げてはならない。そして、レンズの中央でボールを見ながら、最後までスウィングする。これが唯一安定したゴルフをする方法である」

 

[icon]

Arnold Palmerは40代で近眼になって遠くが見えなくなり、眼鏡を掛けていましたから、これは自分の苦い経験で得たtipでしょう。大きいレンズの針金のような縁の眼鏡を掛けたり、コンタクトにしたりしたそうですが、いずれも落ち着かない思いをしたそうです。

(November 05, 2017)



[Anim

 Copyright © 1998−2017   Eiji Takano    高野英二
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.