May 17, 2017

クラブを依怙贔屓するべからず

 

長年ツァーの賞金王だったTom Kite(トム・カイト、写真)が説く、クラブ再点検の勧め。

'How to Play Consistent Golf'
by Tom Kite with Larry Dennis (Pocket Books, 1990, $14.00)

「コース・マネジメントの成功は、あなたのバッグの中の全てのクラブの使い方に長けると非常に簡単に実現出来る。それは練習場での技術的向上に始まり、全てのクラブへの信頼という結果に進む。誰かが私に『私の好きなクラブはどれか?』と聞いたら、『14本全部だ』と答えるだろう。遅かれ早かれ、14本のどれか一つが必要になる状況が訪れるからだ。もし、その時私がそのクラブを毛嫌いしていたら、その前後のクラブを使うしかないが、絶対にそんな風にはなりたくない。バッグから取り出したくないクラブなどあってはならない。

同様に、お気に入りのクラブも持つべきではない。何故なら、それでは他のクラブはあなたのお気に入りではなくなるからだ。だが、私がプレイした多くのアマチュアは、この指針に反している。彼らは8番アイアンを愛し、2番アイアンを嫌う。その理由の大半はスウィングの問題だろうが、往々にして心理的な問題でもある。もし8番アイアンが好きなら7番アイアンも好きであるべきで、7番アイアンが好きなら6番アイアンも好きであるべきだ。これは、クラブ・セットの最後まで続く。あなたは3番アイアンに至るまで全てのクラブが好きだと云うかも知れない。あなたは3番アイアンが打てないが、2番アイアンを愛する。だとしたら、あなたにスウィングの問題はなく、あなたの3番アイアンに問題があるのだ。それは大抵のアマチュアが自覚しないことだ。クラブ・セットは完璧にマッチしている筈なのだが、往々にしてそうではない。

だから3番アイアンを捨てるか、それを他のクラブと同じように感じられるまでに調整すべきだ。あなたが使いこなせないとか、打つのが恐いようなクラブを担いでいるのは、絶対に上手く打てないわけだから意味がないことだ。

あなたが8番アイアンを愛するなら、私のお勧めはあなたの全てのクラブを8番アイアンのように感じられるように調整することだ。【註】どんな方法でもよいから、何かすべきだ。どれもが同一のバランス、適切なウェイト、正しいロフトとライ角を持つようチェックすること。あなたのインストラクターあるいはクラブ・フィッターに助けを求めるとよい。調整が終わったら、全てのクラブを8番アイアンのように振る。これは私が上げられるベストのアドヴァイスである」

 

【編註】PGAツァーの新人Bryson DeChambeau(ブライスン・デシャンボー)は、全てのアイアンのスペックを7番アイアンと同じに揃えているそうです。(tips_179.html)

(May 17, 2017)

クラブとゴルファーの脳の知られざる関係

 

仲間の誰かが新しいドライヴァーを仕入れ、毎ホール楽々と飛ばしているのを見ると、「ちょっと打たして」という気になりますよね。しかし、必ずといっていいほど、われわれの試しの一打はチョロになるか凄く曲がったりするものです。それは何故か、この記事はその謎を解いてくれます。

'Real Golf'
by David Gould (Andrews McMeel, 2002, $10.95)

「練習場で友達の3番ウッドを試させて貰った時、最初はお粗末なショットだったものの、二打目、三打目には必ずと云っていいほど良いショットが打てるのに気づいているでしょう。それはどのクラブも力学的特性(シャフトの固さ、重さ、ロフト等)を備えており、経験豊富なゴルファーの脳は、たとえ二、三回の試打でもその特性を把握し、うまく調整して対応するからだ。ワシントン州のクラブ・フィッターChris Aoki(クリス・アオキ)は、顧客のそういう現象を飽きるほど目撃している。

似たようなことがあなた自身のクラブ・セット内でも起り得る。特にあなたのセットがプロの手でカスタム・フィットされてない場合に…。そしてそれはトラブルに繋がる。Chris Aokiは次のように云う。

『あなたがNo.1のティー・ショットで打った3番ウッドは、オフセットのヘッドで、柔らかいシャフトだったと仮定しよう。その数分後、あなたは6番アイアンを打つことになったが、それはオフセットではなく、しかも固いシャフトだ。不幸にも、あなたの脳は先ほどの3番ウッドのスウィングと、それが狙った場所の左へ向かったことを覚えている。その左に逸れたショットは無意識に脳の微調整を促し、次のショットの準備をする。問題は、その微調整が異なるデザインのクラブに適用され、不適切な調整となってしまうことだ』

 

では、どうすればいいのか?バッグを厳しい目で点検し、あなたが真に嫌いなクラブを選び出すのだ。それらのクラブは実際にそれらを打つ時のトラブルの原因となるだけでなく、脳の微調整症候群によって、それらを使った後の次の別なクラブによるショットをもトラブルに巻き込んでしまう。

Chris Aokiは云う、『建設的に考え、あなたのお気に入りのクラブを二、三本選ぶことだ。それらをあなたが好むのは、それらがあなたにフィットしているからだ。その数本のクラブを信頼出来るクラブ・フィッターに見せ、それらの特徴に合致するクラブの購入を助けて貰えばよい。究極の目的は、バッグの中全部をお気に入りのクラブにすることだ』」

(May 17, 2017)

こんなクラブ・フィッターには頼むな [fitting]

'How to avoid a bad clubfitting'
by Brittany Romano ('Golf Digest,' January 2017)

「あるゴルフ・ケア・センター責任者は、次のようなクラブ・フィッターを避けよと警戒信号を発する。

1. フィッティング・プロセスについて説明しないクラブ・フィッター。あなたはなぜフィッティングが必要なのか知るべきだ。

2. あなたのプレイやクラブについて質問しないクラブ・フィッター。基準点を知らなければ、いかに改善されたかを知ることは出来ない。

3. 最新の道具を使わないクラブ・フィッター。ローンチ・モニター、ヴィデオ・トラッキング、フィッティング・システム等は凄く進歩している。感覚は大事だが、技術的分析も重要である。

4. 選択肢が少ないクラブ・フィッター。あなたはあなたのゲームにベストなものを求めているのであって、クラブ・フィッターの財布が必要とするものを求めているのではない」

【おことわり】画像はtaylormadegolfexperience.comにリンクして表示させていただいています。

(May 17, 2017)

TaylorMade R11s

【「新製品でもないギアに関する記事なんか読んでも仕方がない」という方はパスして下さい】

[R11s]

中古のR11(440cc)から中古のR11s(460cc)にアップグレードしました。R11sは2012年春の登場ですから、もう五年も前の旧型になりますね。しかし、私のようなゴルファーにはこれでも宝物です。

R11 R11s
ヘッド  440cc  460cc
ロフト  10.5°  12°
シャフト  Fujikura blur 60  Aldila RIP Phenom 60
シャフト長  45.25インチ  45.75インチ
フレックス  Rフレックス  M(シニア)フレックス

 

R11とR11sのヘッドとシャフトは互換性があるため、R11のヘッドにR11sのシャフトを付けることも出来るし、R11sのヘッドにR11のシャフトを付けることも可能です。(RシリーズとMシリーズのシャフト・アダプターには互換性がない)「R11sのシャフトは長過ぎる」とか、「シャフトが柔らか過ぎる」、「球が上がり過ぎる」などという場合、もっと歳取るまでR11のシャフトでプレイすることが可能です。元々Rシリーズは様々に調整可能なのが売りですが、私の場合ヘッドとシャフトも可変になったわけです。

今回このR11sに食指が動いたのは、12°のロフトとシニア・フレックスという二つの要素でした。仲間から借りて試打したM1のシニア・フレックスが悪くなかったので、いつかドライヴァーを買うならシニア・フレックスだな…と考えていました。M1試打の際調べた時に、私のようにスウィング・スピードの遅い者は、高い軌道で飛距離を稼ぐべきだと知りました。それが12°のロフトを選んだ理由です。

購入後、色々テストしてみました。シニア・フレックスのせいか、ヘッドが軽量になったせいなのか、とても軽く振れます。しかし、可動式錘(おもり)の設定はR11同様トゥ側に16g、ヒール側に20gの設定が真っ直ぐかつ最も遠くに飛ぶようです(私の場合)。

試しに460ccのヘッドにR11のシャフトを装着して打ってみましたが、短い分構えるのが楽な反面、「Rフレックスは固い」と抵抗を感じるようになってしまいました。シニア・フレックスが向いている年齢になったようです。

高めの軌道で打つため、3 1/4インチ(約8.2センチ)のティーを使い始めました。ボール位置は左肩の前方(向かい側)とし、上昇軌道で打つためクラブヘッドはその15〜20センチ後方で構え、その地点を凝視しながらスウィングします。【参考:「シニアの飛距離増強法」(tips_153.html)】ついボールに目を移してしまうと、そこがスウィング弧の最低点となってしまい、ボールは上がらず、しかもプルしてしまいます。普通は15センチ後方のボール位置で打ちますが、上り坂のホールでは20センチにし、最大の上昇軌道で打つことで距離を稼ぎます。これには12°のロフトが役立っています。

ただし、私がプレイしているコース(乾燥し易く、地面が固い)では、あまりにも高い軌道のボールではランの恩恵に与れないので、18ホール平均では得策ではないようです。で、「FCTスリーブ」と呼ばれるシャフト・アダプターによる弾道調整は"LOWER"にしています。

以上のような様々な調整をしても、R11sにしたら○ヤード飛距離が増えたと云い切れるデータが出ませんでした。ヘッドが大きくなり、シニア・フレックスにしたのに、これでは浮かばれません。R11と同じように、クラウンのTaylorMadeの“Tマーク”より1センチほどトゥ寄りでボールにアドレスして打っていたのですが、それがいけないのかと思いました。インパクト・シールを使って打ってみると、どの打痕もスウィートスポットの手前(ヒール寄り)です。スウィートスポットに届いていないのです。R11sではトゥ寄りでは駄目です。“Tマーク”に1センチ近づけて打ってみました。まだスウィートスポットの手前で打っています。素直に“Tマーク”にボールを揃えて打ってみると、何とNo.14(442ヤード)パー5で残り190ヤード地点に軽々と真っ直ぐに到達(このホールでの私の最長不倒距離タイ記録)。M1より飛び、しかもそれはBridgestone B330 RXSというスピン系のボールでした。固いボールならもっと飛ぶかも知れません。

ただし、それは五発打った中のベスト1であり、全部がそこへ飛んだわけではありません。いわば瞬間最大風速。しかし、可能性は秘められていると云っていいでしょう。この時、私は「飛距離は内蔵されている」(tips_126.html)と心の中で唱え、力まずに打ちました。競馬用語に「馬なり」というのがありますね。騎手が無闇に馬を駆り立てず、馬の走りたいままに任せる走法。クラブに任せるゴルフは「棒なり」と云えそうですが、私レヴェルでは「棒なり」が飛ばす秘訣ではないかと思われました。

【おことわり】画像はwww.golfnewsnow.caにリンクして表示させていただいています。

(May 17, 2017)



[Anim icon]

 Copyright © 1998−2017   Eiji Takano    高野英二
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.