June 04, 2017

ジャンプするようなポスチャーを取れ

 

英語のゴルフ本やゴルフ雑誌には、「"athletic posture"(アスレティック・ポスチャー)を取れ」というフレーズがよく出て来ます。意味としては、野球の内・外野手が打球を待つように、すぐどの方向へでも飛び出せる体勢であることは判っていますが、この表現はまだ日本語にはなっておらず、「運動選手のポスチャー」としても曖昧です。メイジャー優勝二回を含め計35勝を挙げたJohnny Miller(ジョニィ・ミラー)の本に、詳しい説明があるのを見つけましたので紹介します。

'Pure Golf'
by Johnny Miller with Dale Shankland (Doubleday & Company, Inc., 1976)

「私は、特に良いプレイをしている時、自分は獲物に飛びかかる体勢のクーガー(アメリカライオン)のように感じる。【編註:写真左はチータ】立ったままの姿勢から3メートルもジャンプ出来るかのような…。この活発な、猫のような可動性は、踵と拇指球との間の体重の配分、膝の快適な柔軟性、そして踵よりも後方に突き出された尻などによって作り出される。つづめれば、それは私が前や後ろに動くのではなく、真っ直ぐ宙にジャンプしようとしているようなものだ。私の考えでは、このフィーリングを得ることが完璧なポスチャーを身につける第一歩となるものだ。

 

[Miller]

このフィーリングを深く身に浸透させるには、両足を肩幅に開き、両腕を自然に脇に垂らす。そして、真っ直ぐ空中に跳び上がるかのように膝を動かす。膝を曲げるのではなく、動かすのだ。体重が踵と拇指球との間に均等に掛けられていることに注意し、全体のフィーリングが揺るぎない敏捷さであること。

ベストのプレイヤーでさえ、時折体重を過度に爪先や踵に掛けたりする。どちらの場合もトラブルを引き起こす。

体重がスウィングの初めに足の前方の拇指球にあったらどうなるか想像出来る筈だ。バックスウィングで体重は踵へと移動し、それは身体がボールから遠ざかる原因となる。同様に、もし体重が最初に踵に掛かっていて、バックスウィングで爪先へと移動したら、あなたはボール近く前方へと倒れ掛かるだろう。私は何度か踵に体重を掛ける症状に陥り、フォロースルーでバランスを失って、フックやプッシュを乱造したことがある。

ジャンプのイメージを抱き続けることは、体重を爪先と踵の間の正しい位置に置くことに繋がる。さらに、両足の内側への僅かな体重配分も付け加えたいと思う。地面に平らにべたっと両足を付けるのは最悪だ。両方の膝を少し内側に廻して互いに向き合うようにし、両足の内側に体重を乗せる。これはあなたの基盤を強固にする。第一に、右脚は上体が回転する軸を作る。第二に、腰の水平移動(スウェイ)を防ぐ。第三に、腰のアクションを制限し、必須である上半身と下半身のトルク(回転モーメント)を作り出す」


【おことわり】Johnny Millerの画像はhttps://s-media-cache-ak0.pinimg.com/にリンクして表示させて頂いています。

(june 04, 2017)

すこぶる奇妙な(しかし凄い結果の)ロング・ヒッター

アメリカの5月は'Older American Month'(敬老月間)で、当市では55歳以上の参加者を集め、市営ゴルフ場で参加費用無料のシニア・トーナメントを開催します(三位までとニア・ピン、ドラコンの賞品はあり)。他にボウリングやビリヤード、ヘルス・フェア、ダンス・パーティ、フィッシュ・フライ(ナマズの唐揚げ)ランチ等々の催しがあり、いずれも55歳以上なら全て無料で楽しめます。

[worrior]

私を含むシニア・グループの四人が組み合わされた他の四人の内の一人は80歳以上らしく赤ティーから打っていましたが、その飛距離は素晴らしいものでした。ただし、彼のスウィングはとても奇妙でした。

彼のボール位置はスタンス中央で(普通、ドライヴァーは左足踵の前方)、パンチ・ショットを打つようなハンド・ファーストで構えます(両手が左膝の上辺り)。両手はボールより遥かに先行し、クラブフェースはシャットになっているわけです。両手が右肩の高さ程度の短いバックスウィングをし、低めの弾道でボールを打ちます。それがとてつもない距離を生むのです。

興味が湧いたので、「どんなクラブを使ってるの?」と聞きました。彼のドライヴァーはWorrior(ウォリアー)という三流のゴルフ製品メーカーの、ロフト10.5度、レギュラー・フレックスのシャフトでした。しかし、彼はハンド・ファーストに構えるので、この10.5度を9度か8度にしている筈です。

私はWorriorという会社から毎年暮れにハガキを受け取っていますが、Worrior印のボール1ダース無料(送料だけ払う)とか、ゴルフ製品福袋だとか、様々な宣伝活動をしています。上のドライヴァーの持ち主は、それをモニターとして受け取り、何ヶ月か試用報告を行った結果無料で貰ったそうです。つまり、クラブはごく普通の三流製品であって、種も仕掛けもなく、彼のロング・ドライヴはパンチ・ショット風スウィングというアイデアの勝利なのです。

いくら格好が奇妙でもがんがん飛ぶのなら、私は気にしません。私にも出来るかどうか、試してみました。ボールをスタンス中央に置くと、クラブフェースがオープンの状態でボールと接触するため、盛大にプッシュあるいはスライスします。次の記事「Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)の パンチ・カット・ドライヴァー」が、ターゲットの左を狙えと云っているのはそのせいでしょう。かなり左を向いて打って、やっとフェアウェイに打てるようになりました。しかし、肝心の飛距離には何の変化もありません。ロフト10.5°のR11とロフト12°のR11sで打ってみても、ティーの高さを高・中.低…と変えても飛距離は全く同じ。

奇妙な飛ばし屋のクラブに種も仕掛けもないのは確かなのですが、彼の腕力(特に手首)に種と仕掛けがあるのかも知れません。目には見えませんが、完璧なレイト・アンコックをしているのかも知れないし、彼なりに相当練習した賜物なのかも知れません。ちょいちょいと真似出来る代物ではなかったのでした。

(June 04, 2017、写真追加July 03, 2017)

Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)の パンチ・カット・ドライヴァー

 

2015年のthe Masters(マスターズ)とU.S.オープンの優勝者Jordan Spieth(ジョーダン・スピース)が説く、いざという時頼りになるティー・ショット。

'Go low!'
by Jordan Spieth with Michael Chawasky ('Golf Magazine,' January 2015)

「ラウンドが終盤に近づきプレッシャーが高まると、アドレナリンが噴出し、スウィングを妨害しかねない状態になり得る。こういう状況では"go-to shot"(頼りになるショット)の出番である。それは、目を閉じていてさえ容易に繰り返し可能なショットだ。そういうショットを身につけていれば、不調な日の助けともなってくれる。

私はプレッシャーに強いパンチ・カットでドライヴァーを打つのを好む。

1) 先ず、フェアウェイ左端にターゲットを定め、クラブと身体をそれに揃える。クラブフェースから始め、足、腰、肩をターゲットにスクウェアに揃える。【原注】オープンに構えてはならない。

2) 通常よりスタンス後方をボール位置とし、ティーアップの高さも通常よりやや低目にする。これらの微調整が低い弾道と最少限のサイドスピンをお膳立てする。

【編註】記事添付の写真では、ボール位置は左踵前方で、両手は身体の中心で構えており、ハンドファーストではありません。

3) 75%の速度でスウィングする。ぶっ叩く必要はなく、ボールをフェアウェイ真ん中に送り届けるだけのコントロールされた動作をすればよい。ソリッドなコンタクトの確率を増すため、通常の3/4のスウィングをする。

 

4) 以下は、あなたが腕主体でスウィングするタイプの場合のオプションである。インパクトで左手首をターゲットラインにスクウェアにし、クラブフェースの回転を阻止する。これがカット・スピンを生み、それがフェアウェイ中央へとボールをフェードさせる」

(June 04, 2017)



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