August 23, 2017

リズムなくしてスウィングなし

以下の本に採録された二つのリズム論。

'The Best Advice Ever for Golfers'
edited by Robert McCord (Andrews McMeal, 2001, $12.95)

最初の筆者はU.S.女子アマに三年連続優勝し、ゴルフ名誉の殿堂入りしたVirginia Van Wie(ヴァージニア・ヴァン・ウィ、1909〜1997)。彼女のコーチは、英国出身の元プロで、後に米国でインストラクターとして活躍したEarnest Jones(アーネスト・ジョーンズ、1887〜1965)。

「ゴルフは難しいということで単純である。【註】おかしな表現だろうが、私は真実の一つのことを信じている。私のコーチMr. Earnest Jonesが大きなハンカチにジャックナイフを結んで、それを左右に揺らして実際のスウィングの意味と、本当のスウィングの感じを証明して見せた日から、私はいわゆる基本と呼ばれる多くのものを忘れ去ることにした。その代わり、手でクラブヘッドをスウィングし、残りの人体の構造をそのスウィングに追随させることを学んだ。その日以来、私のゴルフはU.S.女子アマに優勝するまでに上達しただけでなく、ゴルフというものは軽度の拷問ではなく、喜びと楽しみとなることを学んだのだ」

【編註】原文は"Golf is so simple it is difficult."というもので、確かに奇妙な表現。

[icon]

 

上の、ハンカチにぶら下げられたジャックナイフの動きは、振り子の動作に他なりません。それは、クラブのハンドルを親指と人差し指で挟んで揺らした時に見られるのと同じです。重力による物理的な動きなので、人間の手・腕による恣意的な動きよりも、シンプルかつ滑らかで安定したリズムの見本と云えましょう。

 

次の筆者は女子のメイジャー13勝、LPGAツァー他で計90勝を挙げたMickey Wright(ミッキィ・ライト)。当然ゴルフ名誉の殿堂入り。

[swing]

「リズムなくしてゴルフ・スウィングは構築出来ない。私にとってのリズムは子供のブランコのようなものだ。それはいったん後方に動いてトップで停止地点に達すると、自発的にかつ弾みがついて戻り始める。そのスウィングの自然な動きと弾みを意図的に邪魔したり、加速したり、あるいは減速させたりすべきではなく、いいリズムは、アドレスした時からパワーとそれ自体の勢いによってボールと接触しスウィングが完結するまで、ゆっくり徐々にパワーとスピードを増して行く。

リズムはそれ独自で存在する実体である。『死』や『税金』と同じで、疑問を抱いてはならず、甘受するしかない。絶対に」

[icon]

私は、ダウンスウィングは重力との二人三脚と考えます。重力に相乗りするとも云えます。

【参考】
・「Earnest Jones(アーネスト・ジョーンズ)の スウィングしなけりゃ意味がない」(tips_12.html)
・「リズムの研究♪、♪♪、♪♪♪」(tips_40.html)

(August 23, 2017)


いいリズムを取り戻す方法

これはDavis Love III(デイヴィス・ラヴ三世)の亡父でインストラクターだったDavis Love, Jr.(デイヴィス・ラヴ二世)が遺したノートに、息子Davis Love IIIが自分の経験を加えて出版した本。

[left-hand]

'Every Shot I Take'
by Davis Love III (Simon & Schuster, 1997, $24.00)

「リズムが時々おかしくならないゴルファーなんていない。うっとりさせられるようなスウィングをする人たち…Fred Couples(フレッド・カプルズ)、Fuzzy Zoeller(ファズィ・ゼラー)、Steve Elkington(スティーヴ・エルキントン)など…でさえ、時折もの凄く速くスウィングしたりする。

私の父は、リズムを取り戻す素晴らしいドリルを教えていた。左手だけでボールを打つのだ。スウィングの中で左腕以上に速く動くものはなく、スウィングをコントロールするのは左腕以外のどれでもない。左腕一本でスウィングする場合、そう速くは振れない。これをしばらく続けた後、右手を添えるが、それは左腕を舞台裏に追いやってスウィングを乗っ取るためではなく、単に便乗するだけである」

[icon]

2016年の最終盤、Tiger Woods(タイガー・ウッズ)の長い休場からの復帰で話題となったHero World Challenge(ヒーロー・ワールド・チャレンジ)の最終日の朝、カメラは黙々と左腕一本でスウィング練習する松山英樹の姿を捉えていました。ただし、七打差のトップでスタートしたにもかかわらず、この日の松山英樹のプレイは粗く、スコアを伸ばすどころか貯金を減らしてやっとこさ二打差で優勝。左腕一本でスウィングしても、いいリズムを取り戻せないこともあるようです(^^;;。

【おことわり】画像はhttp://www.golftoday.co.uk/にリンクして表示させて頂いています。

(August 23, 2017)

複数ボールを連続で打ってリズムを作る

 

[Flick]

インストラクターSimon Hotham(サイモン・ホーサム)による、ゴルファー固有のリズムを確立する方法。

'The Best Golf Tips Ever'
edited by Nick Wright (Contemporary Books, 2003, $24.95)

「あなたにとっての理想的なリズムを見つける方法は、五個のボールを縦一列にティーアップすることだ。最初のボールをあなたの全力の40%で打つ。すぐさま次のボールに進み、それを全力の1/2の速度で打つ。同じように間を置かず少しずつスウィング速度を増しながら打ち続け、最後のボールを全力で打つ。

多分あなたは三番目か四番目のショットがベストの結果を生んだことに気づいただろう。あなたに必要なのは、そのショットのスウィング速度をコースで再現することである」


【おことわり】インストラクターJim Flick(ジム・フリック)の画像はhttps://s-media-cache-ak0.pinimg.comにリンクして表示させて頂いています。

(August 23, 2017)

日本を代表してプレイする

「なぜ好調は二度続かないのか?」(8/06)に書いたように、好調が二度続くことは極めて稀。しかし、気をつけないと不調は何度でも続くもの。

[flag]

ある日、私は前半をまずまずでプレイ。パー5でのダボ込みでハーフを4オーヴァー(パット数12)。これはまだ後半に望みが託せる状況でした。ところが、その後半はあるホールでパーを一個得ただけで、残りは全部ボギーという体たらく。私がチームに貢献しなかったせいで、ベスト・ボールでも敗退。普通、ラウンド終了後は、「おれたちのチームは…」、「○番ホールでおれは…」などと,皆で回顧談に花を咲かせるのですが、この日の私は逃げるようにその場を離れました。自分が惨めだったし、不甲斐なさが口惜しくていたたまれなかったからです。

次のラウンドまで、その惨めさは消えませんでした。「この次のラウンドは恥ずかしくないプレイをしたい」…それだけを考えていました。サムライ日本の文化の底流にある、「恥をかきたくない」精神です。

その週末、私はTVで女子団体米欧対抗戦Solheim Cup(ソルハイム・カップ)を三日間観戦しました。男子のRyder Cup(ライダー・カップ、米欧対抗戦)、同じく男子のPresidents Cup(プレジデンツ・カップ、米国対 [英欧を除く]各国)もそうですが、国の代表としてチームの一員となったプロたちは、自国の名誉にかけて一世一代の美技を見せるため、普通のツァー・イヴェントとは異なる興奮が得られます。今年のSolheim Cup、二日目まで米国勢優勢だったため、ヨーロッパ勢は最終日の個人マッチ・プレイに圧勝しなければ勝ち目はないという悲愴な状況でしたが、「ひょっとして?」と思わせる果敢な健闘を見せ、最後まで興趣が尽きませんでした。

私の次のラウンド。Solheim Cupの余韻を引き摺り、私は日本の代表としてチームに参加している気でプレイしました。パー、パー、バーディ…でスタートして、チームメイトたちを驚かせ、前半を3オーヴァー(パット数14)、後半を2オーヴァー(パット数15)。チームメイトたちが呆れて笑ってしまうほどの好調でした。

好調は二度続かない筈だったのですが、その次のラウンドでも私はまずまず好調でした。トータル7オーヴァー(パット総数29)。多分、好調は二度続かない…というジンクスを信じて、私がひたすら手堅くプレイしたせいでしょう。

私は、小さな日の丸を刺繍したものを帽子に縫い付けてプレイすることを考え始めました。馬鹿げたミスをすると日本の恥…と、一打一打に真剣になれるかも知れないからです(^-^)。

 

【おことわり】日章旗の画像はhttp://www.ville-papeete.pf/にリンクして表示させて頂いています。

(August 23, 2017)



[Anim

 Copyright © 1998−2017   Eiji Takano    高野英二
[Mail]
 Address: Eiji Takano, 421 Willow Ridge Drive #26, Meridian, MS 39301, U.S.A.