April 23, 2017

Runyan(ラニャン)式パット練習法

これは、今は亡きインストラクターJim Flick(ジム・フリック)が紹介した、絶頂期のPaul Runyan(ポール・ラニャン、1908〜2002、写真)のパッティング・ドリル。かなり高度なので、われわれ80を切るレヴェルでは無理かも知れません。

[Runyan]

'On Golf'
by Jim Flick with Glen Waggoner (Villard Books, 1997, $24.00)

「ゴルフ始って以来最高のショート・ゲーム名人の一人Paul Ranyanによる、パッティング・ドリルの傑作の一つである。

練習グリーンの平らでストレートな1メートルのラインを選び、ボールを三個、次のように打ち分ける。
1) 最初のボールは、カップの前から最後の一転がりで落ちるような強さで打つ。
2) 二番目は、カップの向こうの壁まで充分に届く強さで打つ。
3) 最後は、カップの向こうの壁に当たってぴょん!と飛び上がってからカップに落下するように打つ。

簡単に思えるだろう(1メートル前後なら確かに簡単である)。しかし、このプロセスはとても意味深いものなのだ。このドリルであなたがやることは、イメージに反応してストロークすることであり、あなたがそのイメージを描き出すのだ。

『私は“こんな風に”このパットを遂行する』と云う際、あなたは自分自身に具体的な何かを義務づけるので、態度としてとても重要なのである。それは一般的な『私はこのパットを沈めるぞ』と云うのとは違い、『私は“こんな風に”このパットを沈めるぞ』と云っているのだから。

次に、1.5メートルに後退して同じことをしよう。今度はちょっと難しい。だが、それは重要なことを教えてくれる。あなたはパッティング動作を練習しているのではなく、どうすればボールに最適な転がりを与えられるかを模索しているのだ。

ブレイクのある部分でこのドリルを行うと、ますます楽しくなる。様々な方向から、強さと狙いを調整しながらパットする。

このドリルのポイントは、イメージが明瞭であればあるほど、そのイメージにマッチするストロークを決定し易くなり、パットの成功に突き進むことが出来るということにある。

このドリルはパッティングに関する基本的事実:《強さがラインを決定する》という法則を理解させてくれる。繰り返す、《強さがラインを決定する》のだ。あなたがストロークの強さを考えずに、グリーンの傾斜だけ考えてグリーン上で突っ立っているなら、パットの助けになるイメージを描くことなど無理であろう。

パットする前に、上の三つの強さをイメージして、最適の選択をする。あなたが描き出したイメージに基づいて方針を決め、あなたのイメージに反応したストロークを遂行すべきなのだ」

【参考】「ショート・ゲームのパイオニアPaul Runyan(ポール・ラニャン)」(tips_148.html)

【おことわり】画像はhttp://bflowriter.comにリンクして表示させて頂いています。

(April 23, 2017)

Runyan(ラニャン)グリップ応用篇

 

[Runyan]

私のパッティングが低迷していました。「3(スリー)ジョイント・ストローク」(tips_169.html)は理論的には正しく、長い間いい成果を挙げていたのですが、ここのところ読みが悪いのか、何が悪いのか不明ですが、ちょっと錆び付いてしまいました。で、グリップだのポスチャーだのを色々試しているうちに、たまたま手が勝手にRunyan(ラニャン)グリップになり、しかも正確にストローク出来るようになったので、つい浮気することになりました(^^;;。

「手首封じのRunyan(ラニャン)グリップ」(tips_143.html)で紹介したPaul Runyan(ポール・ラニャン、1908〜2002)のパッティング・グリップは、彼の説明通りにグリップしようとすると、45°とか90°とか角度をチェックするのが面倒でした。で、自動的にそうなる方法を考案し、さらに正確度を増す独自アイデアも付け加えました。

[Runyan grip] [Revised_Runyan]

《Runyanグリップのおさらい》

左側の写真Aが、両掌を身体の正面を向けるのが特徴のRunyanグリップ。Paul Runyanは右手が下になる普通のグリップですが、この写真では編者愛用のレフトハンド・ローに変えています。Paul Runyanは次のように云っています:「グリップした手を開いた時、写真Bのように掌はどちらも45°の角度で斜めに交差する。この角度は 、両手をシャフトと45°にするために極めて重要である(両方の前腕部が形成する角度は右の写真のように90°)。このようにグリップすれば、ストロークの際に両方の手が過度にクローズになったり、オープンになったりすることを防げる」

《Runyanグリップのグレードアップ》

右側の写真の掌の緑色の線は、Paul Runyanの本のイラストに出て来るパターの中心線です。どちらかと云うと、フィンガーで握る感じ。

同じ写真の赤色の線は生命線です。私はフィンガーではなく生命線で握るのが妥当だと考えます。《生命線でグリップせよ》は、最近のインストラクターたち、特にTodd Sones(トッド・ソーンズ)、Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)、Stan Utley(スタン・アトリィ)などのインストラクターたちが一様に説くパッティング・グリップの重要な要素です。ただし、生命線でパターのどこを握るかは二通りに分かれます。どちらも両前腕は自動的に90°になりますが、正確度が異なります。

a) 右端の写真の黄色点Aはパター・ハンドルの左上角。ここに左掌の生命線を当てる方法。【右手の生命線は右上角に当てる】

 この方法は自然にパター・シャフトと両前腕が一直線に揃うものの、結果は左右の掌が向かい合う普通のグリップと変わらず、両掌が身体の正面を向くRunyanグリップとはかけ離れたものになってしまいます。

b) 同じ写真の黄色点Bはパター・ハンドルの左下角で、ここに左掌の生命線を当てる。【右手の生命線は右下角に当てる】(厳密に云えば、パター・ハンドルの底部は丸まっているのが普通で「角」はないのですが…)

 写真のように左手の生命線を黄色点B(左下角)に合わせ、右手も同じようにグリップします。こうすると自然に左右の掌が45°で交差しますので、角度を気にする必要はなくなります。Paul Runyanの時代には生命線という概念は多分一般的でなかったのでしょうが、いまPaul Runyanが生きていれば、私と同じことを示唆するのではないでしょうか。左手の生命線がパター・ハンドル左下角、右手の生命線がパター・ハンドル右下角に当たるようにして握ると、手首の動きを殺し、方向性が完璧になります。

オリジナルのRunyanグリップはパター・シャフトの延長線と両前腕が重なるようにしますが、それを文字通り実行するとグリップエンドをかなり下に押さえつけないといけません。《手首を弓なりにすると手首の角度がロックされる》という法則を利用すれば、もっと手首を殺すことが出来ると思い、私はRunyanの指示に逆らい、手を高く構えてみました。しかし、これはうっかりすると肩を強ばらせ、パットをショートさせたりプルしたりする弊害を生みます。で、肩を怒らせない程度に手を上げることにしています。

室内練習では驚くほど正確にストローク出来ました。ストローク法は完璧なので、後は読みと距離感次第ということになります。本番のラウンドでこのグリップを使ってみました。慣れないせいで最初の9ホールでは鳴かず飛ばずでしたが、No.10になって4メートルのバーディ・パットを沈めることが出来ました。また、短いパットには驚くほど威力を発揮しました。

その次のラウンドのNo.14で、3メートルのバーディ・パットに成功。

その後のラウンドで、距離はぴったりなのに数センチ左へ逸れるミスを連発しました。帰宅して鏡の前でストローク動作をチェック。このグリップをすると、自然に肘が身体に近づきます。そのままだとインパクト以後フォロースルーにかけて、左肘を基点としてパターを廻してインサイドに引く軌道になり易いことが判明。Paul Runyanは円弧型のストロークをしていたのでそれで良かったのでしょうが、ストレート・ストロークの私には大問題。「3(スリー)ジョイント・ストローク」同様、左肘をターゲット方向にチキン・ウィングのように突き出したいところですが、これは体勢的に苦しい。しかし、解決策を見出しました。

普通に上のグリップをします。前腕と肩が緊張しちと苦しい感じ。そのまま上体を屈めて、グリップエンドが胸にほぼ接するくらいの姿勢にすると、あら不思議、両肘が自然にリラックスします。その両肘をターゲットラインに沿うように広げると、両前腕の角度は自ずとPaul Runyanが理想とする90°になります。写真のMichelle Wie(ミシェル・ウィ)は、上体をほぼ90°に折っていますが、私の場合、鏡で確認すると45°程度に折る感じ。これで前腕と肩の緊張はゼロになり、両肘もストレート・ストロークに最適の体勢となります。

しかし、この体勢でも手主導のストロークをしたのでは正確無比と云うには今一歩です。左肘でターゲットラインと平行に後方に押すバックストローク、同じように左肘で前方に引くフォワード・ストロークが望ましい。これが「Runyanグリップ応用篇」を完璧にしてくれます。

ある日のラウンド、私が1パットでホールアウト出来たのはたった五つのホールだけでしたが、チームのみんなにはとても印象的だったようで、口々に褒めそやされました。それらは4メートル、2メートルが二つ、1.5メートル、1メートルでした。読みも良かったのですが、読んだ通りストローク出来たのはこのグリップのお蔭です。このように、短いパットには抜群の威力を発揮します。また、長いパットを寄せる時の方向性にも目覚ましいものがあります。最近のラウンドではNo.7(160ヤード)パー3の8メートルの上りスライス・ラインのバーディ・パットの成功を助けてくれ、その数日後、No.3(270ヤード)パー4のフックラインの6メートルのバーディ・パットを沈めることも出来ました。

その後、このグリップでハーフだけですがスコアは4オーヴァー、パット総数11で廻れました。チップインは無しで、計7ホールを1パットでしのぐことが出来たのです。このラウンド終了後、同じチームでこの日のキャプテンを務めた男が、「エイジ、あんたのパッティング・グリップはどっから仕入れたんだ?」と聞き、私が説明すると、実際にグリーン上で試しました。"Old dog who can't learn new tricks"(年老いた犬に新しい芸を覚えさせることは出来ない)と云われるほどで、シニア・ゴルファーが他人のスタイルに興味を持つことは非常に稀ですし、なおかつ試そうなどとは滅多にしません。風変わりなグリップというだけでなく、実績を挙げたからこそ気になったんだと思われます。

 

【参考】
・「Paul Runyan(ポール・ラニャン)のパッティング」(tips_96.html)
・「手首封じのRunyan(ラニャン)グリップ」(tips_143.html)

(April 23, 2017)

最適のパットの強さは?

Johnny Miller(ジョニィ・ミラー)によるパッティンの距離コントロール。

'Defining perfect putting pace'
by Johnny Miller ('Golf Digest,' une 2002)

「パッティングに科学的側面を導入したエクスパートであるDave Pelz(デイヴ・ペルツ)は、(もしカップがなければ)ボールがカップを17インチ(約43センチ)通過する強さが完璧な強さである【編註:入る確率が高い】と云っている。一般ゴルファーはそのDave Pelzの助言が役立つだろう。もしボールがカップの広い部分にかかれば沈むだろうし、ショートすることを防いでくれるからだ。

しかし、パッティングの名人たち—とりわけJack Nicklaus(ジャック・ニクラス)、Ben Crenshaw(ベン・クレンショー)、Bobby Locke(ボビィ・ロック、1917〜1987、南ア)などは、カップを【編註:失敗しても】たった10センチ通過する強さでパットする。これだと、ボールがカップの僅かな端っこを捉えても、ボールはカップに入る。この強さを実現するにはとてつもないタッチが必要だが」

(April 23, 2017)



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