April 19, 2017

Mr. X(ミスターX)のポスチャー

 

Mr. X(ミスターX)の本は、徹底的に週一(あるいは月一)ゴルファーのために書かれていることです。ゴルフ名人たちのテクニックも紹介されるものの、「アマチュアはこうする方が妥当」…と、著者Mr. X自身の経験と仲間たちにテストさせた上でのアイデアが加えられているのが特徴です。【Mr. Xの正体については「『Mr. Xのゴルフ』のボール位置」(tips_181.html)を御覧下さい】

'Golf Lessons with Mr. X'は日本では『ミスターXのゴルフ』として翻訳・出版され、ゴルフ入門者だった私は熟読したものでした。最近、その続編が出版されていることを知り、古書を廉価で購入。期待に違わず、色々いいことが書かれていて満足しました。こうなると最初の本も読み返したくなり、古書を探したのですが、手頃なものが見つかりません。駄目元で当市の公立図書館にリクエストを提出してみました。図書館同士のネットワークで貸し借りしてくれるのです。ほぼ諦めかけていた頃、図書館から「御希望の本を借り受けることが出来ました」との連絡。懐かしいイラストや写真と再会して感激しました。

'Golf Lessons with Mr. X'
by Mr. X and 'Golf Monthly' (Pelham Books, 1968, $4.95)

「ゴルファーたちはゴルフの秘訣を探し求めて来たが、間違った場所を探していた。ポスチャーが基本となる秘訣であり、それが確立されれば、あなたがプロから受けるレッスンが初めて実を結ぶのだ。

背骨の形は、ゴルファーのアクションに深刻な影響を与える。もし、背骨の下端が湾曲していると、尻の大部分は背骨の軸から外れてしまい、軸の回転に対し大鎌のようなカーヴで動くことになる。この大鎌のようなアクションは肩、腕、そして最後にクラブヘッドへと伝えられ、そのスウィング・プレーンを皿のようにしてしまう。

 

Gary Player(ゲアリ・プレイヤー、写真の左の人物)を見よ。直立している時、彼の背骨の下部は真っ直ぐで、骨盤は前部で上向いており、臀部と腹部は出っ張っていない。これが彼の自然なポスチャーだ。このポスチャーを取れる者が名人級になれる。

幾人かはこのポスチャーを持ってこの世に生まれて来るが、大多数はそうではなく、子供時代には正しいポスチャーが取れても、大人になる迄にそれを失ってしまう。その理由の多くは文明の影響である。車の椅子やふかふかの肘掛け椅子等の柔らかい物に囲まれての生活が、コルセット筋(腹横筋=腹部を引き締める筋肉)を弱め、腹を落下させ、背骨を底部に引っ張る。われわれの骨格構造は四つ足で歩くように作られていて、それを矯正する運動無しでは、背骨が"S"の字のように湾曲してしまう。【編註:背骨がウエストのところで内側にカーヴし、臀部で外側にカーヴしている脊椎】この"S"の字のポスチャーで良いゴルフをすることは肉体的には不可能である。

"C"の字のように全体に丸く湾曲した背骨【編註:猫背】は、座りっ放しで前傾して作業する人に見られるものだが、これもポスチャーに問題を生じる。背骨の外側の筋肉は過度にストレッチされ、内側の筋肉は縮んでいる。この体形のポスチャーでまずまずのゴルフをすることは不可能だ。

 

背骨の下端が真っ直ぐであること【編註:右の写真のAdam Scott(アダム・スコット)の背のように】は、いいゴルフをするために必要不可欠なものだ。このポスチャーはゴルフのアクションを単純化する。これだと、腰はスウィング・プレーンに沿って正しく回転する。

50年前、私はポスチャーの重要性を悟り、ゴルフを始めてから六年後の49歳の時、二時間の運動を八週間続けて、その数週間後にはボギー・ゴルフが可能になった。健康に問題がなく、肥満体でもなければ、私のような運動をすることによってよいポスチャーを確立し、かなり上達出来る筈だ」

【参考】
・「Mr. X(ミスターX)のゴルフ」(tips_167.html)
・「Mr. X(ミスターX)の脊椎矯正体操」(次項)

 

(April 19, 2017)

Mr. X(ミスターX)の脊椎矯正体操

Mr. X(ミスターX)推奨の、"S"の字に湾曲した背骨を真っ直ぐにする体操。

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'Golf Lessons with Mr. X'
by Mr. X and 'Golf Monthly' (Pelham Books, 1968, $4.95)

「ゴルフに上達するには正しいポスチャーが取れないと無理である。現代人の多くは、コルセット筋(腹横筋=腹部を引き締める筋肉)、棘筋(きょくきん、脊椎筋)、そして脚の筋肉などの張りを失っている。人々の背骨は上端と下端がカーヴし、"S"の字のように変形している。その背骨を真っ直ぐにする体操を紹介しよう。

あなたを勇気づけるために、私の経験を書いておく。私はゴルフを始めてから六年後の49歳の時に以下に述べる体操を毎日二時間行い、八週間続けた。一ヶ月目の終わりにはボギー・ゴルフが出来るようになった。74歳の現在、この体操抜きで6オーヴァー以下でプレイしている。だから、これは大方のゴルファーに役立つものと信ずる。最初の週は、弱った筋肉のせいで多少辛いかも知れないが、筋肉が強化されるにつれ、筋肉が活性化するのに気づく筈だ。

猫背の矯正—背骨の内部の筋肉を収縮させ、背骨の外側の筋肉をストレッチする

 全身を伸ばしてうつ伏せになり、両腕は横に沿わす。 初期には、毎日八回頭と肩を上げる。毎週回数を増やし、30回まで行う。30回になったら、両手を頭の下にし、両肘を肩の横に真っ直ぐ突き出す。頭と肩の持ち上げを、最初は12回から始め、次第に増やして負担にならない程度に30回まで行う。

【編註:Mr. Xはどれだけ長く頭と肩を上げていればいいかに触れていませんが、「腰痛体操」では10秒となっていますので、これを参考にしましょう(以下の体操も同じ)】

コルセット筋の強化

 伸び伸びと仰向けに寝て、両腕は横に沿わす。両脚を伸ばしたまま、両足を床から30センチ上げる。これが弱った腹筋の負担となるようなら、一回に一本の脚だけ上げる。後には二本一緒に上げるように。先ずは一日八回から始め、後には30回まで増やす。

腹筋の強化 (これは上の(1)と(2)を開始後、一ヶ月したら始める)

 伸び伸びと仰向けに寝て、両腕は横に沿わす。ウエスト(胴のくびれ)から上体を起こし、直角にする。次いで、ゆっくり戻す。第一週目は毎日八回行い、次第に30回まで増やす。

横隔膜筋肉の強化

 直立し、深呼吸して数秒間待ち、その後息を吐く。

両脚の筋肉の強化

 直立し、両手を胸の前に水平に上げ、しゃがんだり立ったりを繰り返す(右の写真)。

 

 

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70歳代となったMr. Xはスクラッチ・プレイヤーとなり、全ゴルファーのたった1%だけが達成出来る偉業であるエイジ・シュートで廻るのが日常茶飯になったそうです。余談ですが、この体操は腰痛体操に近似しています。

【「腰痛体操」より】
「背骨は骨盤の上に載っていますが、その骨盤は、前後を腹筋と背筋によって吊り上げられています。中年太りになると、お腹がたるんで腹筋が十分に働かなくなります。このため、背筋に負担がかかるようになり、しかも、腹筋が弱った分、背筋による骨盤の後方を引っ張り上げる力が勝るために、骨盤が前傾を強めて行きます。この状態では、その上に乗っている背骨(腰椎)も前方に強く弓なりに反る形になります。中年太りでお腹が突き出た人の腰では、内部でこのような変化が起きており、それが腰痛の原因となるのです」

つまり、「Mr. X(ミスターX)の脊椎矯正体操」、「腰痛体操」どちらを実行してもお腹が凹んで腰痛の予防が出来、その上ゴルフにも上達するという一粒で三度美味しい(^-^)成果が期待出来るわけです。

【参考】
・「Mr. X(ミスターX)のゴルフ」(tips_167.html)
・「腰痛体操」(tips_22.html)

(April 19, 2017)



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