April 16, 2017

われ泣き濡れて木々と戯(たわむ)る

 

筆者Ray Floyd(レイ・フロイド)はThe Masters(マスターズ)とU.S.オープンに各一回、PGA選手権に二回優勝し、世界中で66回の優勝を遂げたプロ。

'The Elements of Scoring'
by Raymond Floyd with Jamie Diaz (Simon & Schuster, 1998, $20.00)

「木々は他のどのショットにも増して、想像力に富んだショットメーキングの機会を提供する。プロたちは木々の間から驚くようなショットを見せるが、プロはボールを低く、あるいは高く、そして劇的にカーヴさせるようなとてつもない能力を持っている。そういう能力を有していないアマチュアはプロの真似をすべきではない。

木の下でプレイヤーに何が可能かは、ライ次第である。クリーンなライであるか裸地であれば、ボールを操ることは(特に低いショットを打つ時には)比較的容易だ。だがボールがラフにあるとすれば、低く打とうとしても、カーヴさせようとしても、遠くに打とうとしても、いずれも困難である。木の下の濃いラフからは、フェアウェイにチップで出すしかない。

木の下の地面が木の葉や松葉に覆われている場合は、判断を迫られることになる。もしボールがそれらの上に座っているなら、フェアウェイバンカーと同じようにボールを摘まみ上げるのが一番だ。(警告:葉や松葉の上にクラブを下ろさないように。不安定な地面の上のボールは動き易く、ペナルティを受ける結果となる。同様に、ボールの周りの葉を取り除くのも、ボールが動く原因となる)。もしボールが部分的にか完全に落ち葉で覆われていたら、ショート・アイアンかウェッジで単純にフェアウェイに戻すのが最善である。

 

木がバックスウィングかフォロースルーを妨げる場合は、動きが身につくまでリハーサルを行い、尻込みせずに遂行するように。こんな風に制約がある時は、安全な途を取るのがベストである。

木を通り抜けるとか、迂回する、木の上を越えたり、下を潜り抜ける時にはいくつかの鍵がある。第一に、木の間を縫って飛ぶボールの飛行を視覚化することだ。この場面ではメンタルな能力が最重要であり、先ずショットを視覚化し、次いでそのショットを実現する動作を感じ取らねばならない。

【編註】自分が選んだクラブが木を直撃しないかどうか知る方法があります。写真のMichelle Wie(ミシェル・ウィ)のようにシャフトを木に向け、クラブフェースを踏みつけるのです。シャフトが弾道を教えてくれます。ただし、これを用いる場合の重要な注意事項がありますので、詳細は「ボールの発射角度を知る」(tips_115.html)」の追記をお読み下さい。

一般的に、木の間からのリカヴァリー・ショットは、正確さ本位で実行される。脚のアクションを少なくし、ルラブを短く持ち、スムーズにスウィングする。精密なアライメントのために、ターゲットラインの地面の上1メートル以内に中間目標を設定するのはいいアイデアだ。ソリッドなコンタクトと高さのコントロールが最も重要である。

木の下を潜り抜けるつもりであれば、間違いなく低く打てるクラブを選ぶ。ソリッドなショットをしても、木の枝に触れれば更なるトラブルに跳ね返るだけとなる。

木の上を越そうとするなら、課題は異なる。高度を達成するフル・スウィングが必要だ。その意味するところは、ボール位置をスタンス前方とし、クラブフェースをややオープンにし、スピーディにスウィングするということだ。望むべくんば、ボールの下に幾分か草があること。裸地から高いショットを打とうとするのは、上級者にとってさえリスキーである。

時折、アンプレイアブルの罰打を免れるべく、強硬手段を選択せねばならない時がある。ボールが木の幹にくっついている場合は、左手によるショットで安全に出せば充分だろう。このショットでは、クラブのトゥを引っくり返すか、パターの後ろ側を使う。何度か素振りをし、確実に左サイドでリリースする感覚を得ること。覚えておくべきことは、左手によるショットは単にフェアウェイに戻すことであって、50ヤード以上飛ばそうなどと試みないように。

 

この状況でのもう一つの選択肢は、ターゲットに背を向け、ボールのすぐ傍に立って右手一本でターゲットに向かってスウィングすることだ。もう一度注意しておくが、これh出口が開いている非常の際の手段である。

覚えておくべきこと。木は英雄的ショットの場でもあるが、先ず失敗した場合の対策も考えておくこと。『木々は90%空気だ』などと考えてはいけない。

一年に一回でいいから、林の中で上に述べたショットを練習してほしい。そんな状況に陥らないことを望むだろうが、いったんその状況に身を置いたら、『ああ、練習しておいてよかった』と思う筈だ」

【参考】
・「木越えはやめて転がすべし」(tips_86.html)
・「木の下からの脱出」(tips_116.html)
・「木の下をかい潜る低いショット」(tips_159.html)

(April 16, 2017)

高い木を越すショット

古い「日めくりtips」から選んだ秀作の一つ。

'Bill Kroen's Golf Tip-A-Day 2003'
by Bill Kroen (Andrews McMeel Publishing, 2002)

「高い木を越してグリーンに乗せたい場合のコツ。

・ボール位置は右踵の前方。
・急角度のバックスウィング。
・ボールをクリーンに捉える。
・高いフォロースルー。

ボールを上げようと掬い打ちしてはいけない。ディヴォットも取らないように。ボールは高く上がりソフトに着地する」

 

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市営ゴルフ場のNo.17(280ヤード)パー4では、150ヤード付近から急な上りで、ティー・ショットを右側に打ってしまうとグリーンへ65ヤードのところの大木に遮られてスタイミーになってしまいます。私の平均飛距離はグリーンまで140〜150ヤード前後ですが、スクランブル競技などで赤ティーから打てる場合は、残り120ヤードになります。平地での120ヤードなら私のクラブ選択は8番アイアンですが、左足上がりのライと木を越すために高いボールを打たねばならないので、7番で打ってみました。木を遥か20ヤードも高く越えて(=高過ぎ)、ボールは15ヤードほどグリーンをショート。6番で打ってみると、木の上10ヤードほどに高く上がり(=適切)、ぴったりピン傍に乗りました。

上の記事のコツに漏れている重要なポイントは、体重を終始右に保ち続けること。これがロフトを減らさず、ボールを高く上げるための基本です。

【参考】
・「木を越える高あ〜いショット」(tips_159.html)
・「高い木を越える」(tips_82.html)←ウェッジの場合
・「木越えのショット」(tips_124.html)

 

(April 16, 2017)

プロとアマの池越え

Annika Sorenstam(アニカ・ソレンスタム)による池越えの考え方。

'Be the Ball'
edited by Charlie Jones and Kim Doren (Andrews McMeal Publishing, 2000, $14.95)

「目の前に池があっても、われわれプロは池のことなど考えない。もちろん、池がそこにあることは承知しているが、どこを狙ってどのクラブで打つか決断を下す時、目の前に何があるかなど考えない。単にショットを遂行するだけの問題なのだ。多くのアマチュアは、スウィングの最中に池のことを考えてしまう」

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最近のことです。No.12(180ヤード)パー4。チームのうち赤ティーから打つ75歳以上の二人と別れ、私ともう一人は池越えになる黄色ティーへ。私は3番ウッドを短く持ったにも関わらず、まっしぐらにピンに向かったボールはグリーンをオーヴァー。がっかりしながら、相棒の素振りを見ていた私は、彼がどんなショットをするか内心で占ってみました。私の予見は「彼は池に打つ」というものでした。(まさかね…)と思いつつ見守っていると、本当に池ポチャでした。彼に、「池のことを考えなかった?」と聞くと、「考えたよ。だから古いボールを使ったんだ」とのこと。私には、彼の姿に漂う池ポチャのオーラが見えたのです。もちろん、彼にそんな話はしませんでしたが。

 

《悪い予感は必ず実現する》という法則があります(拙作ですけど(^^;;)。「木に当たるかも知れない」、「バンカーに入るかも知れない」、「OBに打っちゃうかも知れない」…これらは十中八九実現します。重い花瓶を抱いて運んでいる時、「落とすかも知れない」と考えたら必ず落とします。「落とすかも知れない」という思考は、落とすこともあり得る、落としても仕方がない…と、心の中で落とすことを許容しているわけです。これじゃ落としますわね。

(April 16, 2017)



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