April 12, 2017

パットを難しくするな

スポーツ心理学者Dr. Bee Epstein-Shepherd(ビー・エプスタイン=シェパード博士)が、自分自身の体験と七歳の少女を教えた経験を語ります。

'Mental Management for Great Golf'
by Dr. Bee Epstein-Shepherd (Lowell House, 1997, $24.00)

「私は、どうパットするかの方法を知る前の方が上手だった。最初のあるレッスンの一つは、カップに向かって狙いを定めることだった。私のレッスン・プロは、まだブレイクとかグリーンの早さ、芝目などについて触れていなかった。私は単にラインに身体を揃え、ボールがカップに転げ込むところを視覚化した。多くの場合、ボールはカップに転げ込んだ。

その後、私はパッティングの上級テクニックを教わった。グリーンの読み方を学び、速度と方向とブレイクに関するドリルを実行した。興味深く思えたのは、私が情報を多く仕入れ意識的に処理しようとすればするほど、身体がぎごちなくなって自意識過剰になることだった。『パットを成功させよう』と思えば思うほど、私はしばしばミスした。

ボールにアドレスしながら意識的に情報を処理しようとすると、筋肉へ指令を下す役目である潜在意識を混乱させる。だから、アドレス前に情報処理を済ませておき、潜在意識に業務を完全に引き継がせてから、パットを沈めるのだ。

Lillian(リリアン、七歳)という少女の父親はハンデ4で、彼の幼い娘にゴルフを教えた。Lillianはジュニア・クリニックで何回かレッスンを受けたことがあった、父親は『娘はいいスウィングをするんだが、パットがあっちゃこっちゃへ行っちゃうんです』と云った。私は、上級ポイントを全く知らない七歳の子供に、私のメンタル・テクニックを試すのは興味深いことだろうと考えた。私たちがグリーンに行くと、彼女の父親が練習グリーンにボールを数個転がした。私は『お父さんから教わった通りにパットして見せて?』と云った。父親の言葉は正しく、パットはあっちゃこっちゃへ向かった。

 

私とLillianは、彼女の父親を遠ざけて、二人でハドルを組んだ。五分後、私は彼女の前に数個のボールを置き、『パットしてみて?』と頼んだ。驚嘆した父親が『以前とこのパッティングの変化を、ヴィデオカメラで撮っておけばよかった。こんな劇的な変化は見たことない!』と云った。

私はLillianに二、三分かけて視覚化することを教えただけだ。子供たちは素晴らしい想像力を持っており、実在しないものを“見る”ことが出来る。だから、私は彼女が多分活き活きと視覚化出来ることを知っていた。私は彼女に、お父さんが教えてくれたように狙いを定めた後、ボールがカップに転げ込むところを見、それからパターに『ボールをカップに入れなさい』と命じるよう伝えたのだ。その直後、七歳のちいちゃなLillianは、彼女の最初のトーナメントに11歳の子供たちを打ち負かして優勝した」

【参考】「童心でパットせよ」(tips_179.html)

(April 12, 2017)

三音節でパットせよ

若手インストラクターChris Mayson(クリス・メイスン)によるスムーズなストロークのコツ。

'Putt with "per-fect pace"'
by Chris Mayson ('Golf Digest,' February, 2017)

「あなたがパッティング不調に陥った時、最初に改善しようとする基本は何か?いいリズムを取り戻すのが一番である。

パットする時、"per-fect pace"(完璧なペース)と三音節で考えてほしい。これは振り子のカッチカッチ云う2拍子のようなものだ。バックストロークで"per-fect"、フォワードストロークで"pace"と念じる。ストロークが長くても短くてもリズムは同じであるべきだ。

【編註】リズムではなくテンポの話ですが、ツァー・プロのバックストロークからインパクトまでの所要時間を計測したデータによれば、距離の長短に関係なく、彼らの所要時間は常に一定だそうです。彼らの平均バックストロークは .67 sec、平均フォワードストロークは .27 sec。【参照】「パットの距離とストローク時間」(tips_76.html)

このリズムを使えば、ボールをソリッドに、そしてスムーズに打てる。これは、ボールの速度やインパクトでパターフェースの方向に影響を与えるギクシャクしたぎごちない動きを消滅させる。ボールをカップに届かせるための余計な努力は不要だと思えるだろう。

目前のパットの重要性を考えてコチコチになってはいけない。想念を、結果でなくプロセスに集中すること」

 

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日本語の文句を考えてみました。「優雅 に ストローク」。「に」を一拍とすれば三音節と同じです。試してみましたが、これ悪くないです。私個人にとっては「F--L--W(エフ・エル・ダブリュー)」と唱えるのも良さそうです。完璧な三音節。これは、以前の「日記」に記した「パッティングのグリップ圧とFLW」(tips_179.html)のストローク法に相応しいものです。

「超流動体的ストローク」(tips_157.html)に出て来た"super--fluid"(スーパー・フルイド)と唱える方法もあります。"super-flu-id"なので、これも三音節です。これは「スーパー古井戸」と発音すればいいので、難しくありません。ねっとりした超流動体を思い描きながらストロークします。

(April 12, 2017)

長いパット練習の必要性

中部銀次郎氏は「ロング・パットが入る確率は18ホールのうちほんの数パーセントで、ほとんどゼロに近い。それを練習しても意味がない。だから1メートルのパットをどんなラインからでも入れられるという自信がつくまで練習せよ」と云いました。最近私はこれはシングル・クラスに当てはまる言葉であって、初級、中級クラスがこれを信じてはいけないと思うようになりました。

中部銀次郎クラスだと長いパットを必ず1メートル以内に寄せられるので、だからこそ1メートルの距離の練習が重要なのです。私などは1メートル以上ショートすることも、1メートル以上オーヴァーすることも珍しくありません。これはロング・パットに慣れていないせいに他なりません。

100メートル走の練習しかしていない者に、突然42.195キロ走れと云っても無理なのと同じです。10メートル、15メートル、20メートル等の練習をして、1メートル以内、あわよくばギミー(OK)の距離につけるのに慣れておくべきです。これが出来ないのに1メートルのパットだけ練習するのは、詰め碁、詰め将棋ばかり研究して、肝心の碁・将棋の戦法を知らないようなものです。

次のは「80を切る・虎の巻」(tips_60.html)のPatrick J. Cohn, Ph.D.(パトリック・コーン博士)に、PGAツァーのプロ・テストまで受けたことがあるというスポーツ心理学者Robert K. Winters, Ph.D(ロバート・K・ウィンターズ博士)が加わって出版された本のパッティング練習法の一つ。

'The Mental Art of Putting'
by Patrick J. Cohn, Ph.D. & Robert K. Winters, Ph.D., Taylor Trade Publishing, 1995, $16.95)

「異なる距離のパットを練習せよ。3メートル、6メートル、9メートル、12メートル等。そして、その中間も。あなたが毎日3メートルのパットばかり練習していたら、9メートルのパットを沈められるだろうか?しょっちゅう距離を変えるべきだ。もし50パット練習するとしたら、3メートルの距離ばかりに専念してはいけない。コースで遭遇するであろう異なる距離のパットも沢山練習しておくこと。そうすれば、「げっ、こんな距離のパットしたこと無い!」という悲劇はなくなる。

同様に、異なるブレイクのパットも練習しておくこと。左から右や、右から左へ。大きなブレイク、小さなブレイク、そしてダブル・ブレイク。上りでブレイクのあるライン、下りでブレイクのあるライン。それらを異なる距離で練習しておく。

異なるブレイクのパットを練習すると、視覚化を助けてくれ、それはタッチを向上させる。ブレイクのあるパットには、タッチと想像力が不可欠である。あなたがブレイクをクリアに見られるか、感じられるなら、より自信を持ってストローク出来る。自分の得意なブレイクばかり練習してはいけない。左から右へのブレイクが苦手なら、そのブレイクにもっと時間をかけるべきだ。

 

多くのゴルファーは、練習グリーンの同じ場所から何発も何発もパットする。二回目か三回目にはどうブレイクするか飲み込めるので、そのラインに乗せればいいだけになってしまう。これはストローク法の練習にはいいかも知れないが、実戦に備える練習としては効果的でない。コースでは、どのパットも未知のラインである。毎回、白紙からラインを読んで、ラインに合わせたセットアップとタッチが必要になる。どのパットでも、コースでパットするのと同じ手順を用いるべし。毎回、ラインを読み、プレショット・ルーティーンを実施し、カップに向かってセットアップし身体の向きを揃え、そのホールにおける最後のパットのようにストロークする。これが通常のプレイなのだから、それと同じように練習すべきである」

[Srixon] [icon]

私はSrixonのputting disks(パッティング・ディスクス)という、カップ大の軟性プラスティック製円盤(二個一組袋入り)を持っています。これがあれば、既設のカップ位置に関係なく、どこにでもターゲットを設定出来て便利です。私はピンから横10メートルの地点Aに一つのディスクを置き、そこから上り5メートルでしかもピンまで10メートルの地点Bにもう一つのディスクを置きます(三角形)。ピン→A→B→ピンという風に10メートル、5メートル、10メートルの距離を練習し、時々順番を引っくり返してピン→B→A→ピンとすると、上りだったラインが下りになったりして変化がつきます。ブレイクも変わります。

ラウンド前にこの練習をすると、距離感が蘇り、忘れていた重要な留意事項を思い出すことが出来ます。10メートルの距離だと、ミスの誤差が拡大されるので、短いパットでは許容範囲のように思えるセットアップやストロークの不備が発見出来たりします。

本日、No.7(160ヤード)パー3で、私はワンオン出来たもののピンまで上り8メートル。これは、普通ならわれわれシニア・グループでは上級クラスにしか成功を期待出来ない距離です(あるいは、まぐれか)。私が他のチーム・メンバーのパット(失敗)でブレイクの読みを助けられたとはいえ、上りの8メートルを10メートルとして打って成功させることが出来たのは、日頃の長めのパット練習の賜物だと思っています。ボールはカップの縁でコンマ1秒ほど静止し、ぽとんと落下しました。完璧な強さでした。

【おことわり】putting disksの写真はhttps://s-media-cache-ak0.pinimg.comにリンクして表示させて頂いています。

(April 12, 2017)



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