April 09, 2017

アドレナリンをコントロールする

コーチPia Nilsson(ピア・ニルソン)と女性インストラクターLynn Marriott(リン・マリオット)の三冊目の共著「今すぐ、あなたのベストのゲームをせよ」より。

'Play Your Best Golf Now'
by Pia Nilsson and Lynn Marriott with Ron Sirak (Avery, 2011, $23.00)

「あなたはアドレナリン・レヴェルが高いとベストのプレイが出来るタイプだろうか?Tiger Woods(タイガー・ウッズ)や、Suzann Pettersen(スザン・ペターセン、右の写真)、Sergio Garcia(セルジオ・ガルシア)らのように。これらのプロはベストのプレイをするために、多量のアドレナリンを必要とする。

【編註】アドレナリンは副腎髄質から分泌されるホルモン。血糖量を高める作用を持ち,インシュリンと拮抗(きっこう)的に働いて血糖量の調節を行う。また,心臓の働きを強めて血圧を上げ,気管を拡張させる。

それとも、あなたは少なめのアドレナリンでよいプレイをするタイプだろうか?Annika Sorrenstam(アニカ・ソレンスタム)、Ernie Els(アーニィ・エルス)、Retief Goosen(ラティーフ・グーサン)らのように。

どちらに属するのかよく分らなかったら、よくプレイ出来た時のことを思い返し、分析するといい。その時、興奮していたか、落ち着いていたか?また、アドレナリン・レヴェルを高めたり弱めたりして、どんな風になるか実験し、記録することも出来る。

ある種のプレイヤーは怒っている時に充分なアドレナリンが得られ、いいプレイが出来ると云う。しかし、《怒りはわれらを愚か者にする》のであって、これはいい方法ではない。どうやったら、陰性ホルモンであるコルチゾールの影響を受けずにアドレナリンを得ることが出来るか?

アドレナリンのレヴェルは、数秒の呼吸や他の身体部分の運動によって変えられるのだ。 ・長く深い呼吸(三つ数えながら呼気し、六つ数えながら排気)をする。これは即座にアドレナリン・レヴェルを下げ、神経組織を穏やかにする。 ・あなたのプレイが無気力となり、もっと元気づけが必要だとしたら、急速な呼吸をすればアドレナリン・レヴェルを増すことが出来る。

また、ジャンピング・ジャック(挙手跳躍運動)をしたり、全力疾走をしてもアドレナリン・レヴェルを高めることが可能だ。これをラウンド前に行うプレイヤーも存在する。これを実行すると、人はあなたの気が狂ったと思うだろうが、これは実際役立つのだ」

 

【参考】
・「怒りはわれらを愚か者にする」(tips_178.html)
・「情動をコントロールしてプレイせよ」(tips_180.html)

(April 09, 2017)

一つのスウィッチ(脳と身体の使い分け)

「二つのボックス」(tips_101.html)で提唱された「思考ボックス」、「決断ライン」、「実行ボックス」という概念は素晴らしいと思います。【註】

【編註】本質的なことではないのですが、「二つのボックス」という概念は、実はPia Nilson(ピア・ニルソン)とLynn Marriott(リン・マリオット)のオリジナル・アイデアではないようです。「ゴルファーの三つのタイプ」(tips_180.html)の筆者Ken Blanchard(ケン・ブランシャード)が'Golf University'(ゴルフ大学)を設立したのは1988年で、その前に彼はインストラクターChuck Hogan(チャック・ホーガン)から「"thinking"(思考)から"doing"(行動)への決断ラインを越える」という理念について教わったそうです。その事実は1992年に出版された本’The One Minute Golfer'に書かれています。「二つのボックス」が収録されたPia NilsonとLynn Marriottの本'Every Shot Must Have a Purpose'はその17年後の2005年に刊行されています。私の推測は、Chuck HoganからKen Blanchardが学んだという「決断ライン」の概念を、'Golf University'で働いていたLynn Marriottが主宰者Ken Blanchardから教わり、それを後にLynn Marriottに伝えた…という筋書きです。

私は「心を無にしてストローク」(tips_179.html)の練習をしていて、次のようなことを考えました。

ゴルフの動作は、スウィングにしてもパッティング・ストロークにしても非常に短い時間で遂行されるため、動作中にあれこれ考えながら実行出来るものではない。それを無理矢理考えながら実行しようとするから、脳と身体を結ぶ回路がショートし燃え尽きてしまう。

私たちの身体は、「考える」か「動作する」かどっちか一つしか出来ないと考えるべきなのです。両方一緒は無理。もちろん、単純なことを考えながら単純な動作をするのは可能です。例えば、道を探しながら車をスローで運転するとか。しかし、ゴルフ・スウィングは1.5〜2秒ほどで完結してしまうものなので、脳が指令して身体を動かす時間はなく、潜在意識に委ねるしかないのです。極超短時間の動作中に考えながら動作を変更出来るなんて、『江夏の21球』の19球目のスクイズ外しの“神業”ぐらいしか考えられません。

 

ゴルフはボールが静止しているため、どう料理すべきか…とか、成功したらこう、失敗したらこう…と、あれこれ考える時間があり過ぎます。成功への欲や失敗への恐れは筋肉運動に影響を与えます。それらの雑念を断ち切るには、ON・OFFスウィッチを押し下げて思考回路を遮断すべきなのです。このスウィッチには中間(ニュートラル)のポジションがありません。ON(思考する)かOFF(思考しない)か、どっちか。「パチン!」とスウィッチを切り替えたら無念無想にならねばならない。

突き詰めれば、ゴルフにはあまりあれこれ深く考えない(思考スウィッチが常にOFFの)人間が有利なようです。私のようにパチンパチン切り替え過ぎて、今どっちなのか判らなくなるような人間はゴルフに向いてないみたいです(;_;)。

(April 09, 2017)

スウィングをコントロールするのは誰か?

スポーツ心理学者Dr. Joseph Parent(ジョゼフ・ペアレント博士)の、潜在意識にスウィングを委ねよという卓見。

'Golf: The Art of the Mental Game — 100 Classic Golf Tips'
by Dr. Joseph Parent (Universe Publishing, 2008, $24.95)

「こういうことがかつてなかったろうか?どう打とうかなどと考えず、ことさら特別な方法を生み出そうなどとも努力しなかった…ってことは?そんな時の結果は驚くほど良かったりする。

そういう時、あなたはショットをコントロールしていないように感じるかも知れないが、それはつまり、日頃自分のスウィングを自分の考える心でコントロールすることに慣れているからだ。実際にはあなたは支配力を失っておらず、単に支配権を潜在意識に権限委譲したに過ぎない。潜在意識はあなたの深奥に備わったやり方を引っ張り出し、それはあなたにベストのゴルフを実現させてくれる。

あなたの潜在意識に意図的に権限委譲するテクニックはこうだ。毎回スウィングする前に自分の身体にこう云うのだ、『あんたが主役だ』、あるいは『OK、後は任せたぜ』など。それは思考する心にバイバイする合図として働き、意識の邪魔なしに潜在意識に身体をコントロールすることを許可する。こうすれば、身体が記憶しているベストのスウィングを繰り返し呼び起こすことが出来る。あなたのゲームを最大限良くするには、ショットを頭で計画はしても、スウィングは心ですべきなのだ」

【参考】「潜在意識に打たせよ」(tips_164.html)

 

(April 09, 2017)



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