December 07, 2016


チップイン常習犯になろう

 

ショート・ゲームの名手Ray Floyd(レイ・フロイド)の、《パッティングのようにチップする》という独特の技法。

'The Elements of Scoring'
by Raymond Floyd with Jaime Diaz (Simon & Schuster, 1998, $20.00)

「チッピングは常に私の特技だった。PGAツァーでプレイしていた頃、どのトーナメントでも平均一回はチップインさせたし、一つのトーナメントで四・五回チップインさせたことも何度かある。人々がチッピングと呼ぶものを私はそうは呼ばない。『ロフトのあるパッティング』と呼ぶ。

クリーンなライからのチップ・ショットは、単純に『ロフトのあるクラブによるパット』なのだ。私はグリップ、スタンス、ボール位置、そしてストロークまで、全てパッティングと同じにする。違うのは、ショットの長さと心の目で計算したキャリーとランの比率によってクラブ選択をすることだけだ。《パットするようにチップせよ》が私の法則である。

私はフル・スウィングの時よりボールに近く立ってパッティング・ストロークが模倣可能なようにする。両足をターゲットにオープンにすることで、腰がストロークの邪魔をしないようにし、なおかつラインがよく見えるようにする。シンプルでリラックスした腕・肩でスウィングをすれば、よいライからボールを払い打つのは簡単だ。グリップ圧はきつくもなく緩くもない。ストロークの間、手と身体の動きはゼロ。フォロースルーまで右手が左手を越えないように務める。私は、多くのチップ名人たちがインパクトで左手甲を僅かにボールに先行させることに気づいた。【編註:FLW(フラット・レフト・リスト)でヒットダウン気味に打つ】

ストローク全体はカッチリと、しかしスムーズなテンポによって静かなアクションで遂行さるべきである。チッピングでは、ボールを突き通すようだったり、過度に強く打つような急激な動作を必要としない。『ロフトのあるパッティング』の法則は、ボールを地面に近く保つことだ。多くの人々にとってボールを宙に浮かべるより、転がす方が見当がつけ易いし、怪我が少ないものだ。

 

この手法では、私は一本の気に入りのクラブに限定せず、グリーンにキャリーで乗せ、カップへと転がせる最もロフトの少ないクラブを用いる。ロフトが少ないほど、短いストロークで、少ない努力で済む。

各クラブでどれだけ転がるかを知っておくことは、極めて重要だ。そのためには、前もって決めた地点に打って、キャリーとランとを見極める。私の場合、ピッチング・ウェッジによるチッピングでは、大雑把に云ってキャリーの二倍転がり、5番アイアン(私が用いる最もロフトの少ないクラブ)では、チップ距離の10%キャリーで残り90%が転がりとなる。

私にとってはピンを抜いた時の方が、チップイン出来ることが多い。リサーチによる事実がその逆であることは承知だ。だが、私はカップを見る方が集中出来る。私はチップする時は常にチップインを狙う。そういうポジティヴな姿勢は、あなたのゲームにも役立つ筈だ」

【参考】
・「アイアンでパット」(tips_107.html)
・「チップインを目論む」(tips_107.html)
・「Ernie Els(アーニィ・エルス)のチップイン技法」(tips_143.html)
・「Dave Pelz(デイヴ・ペルツ)のチップインの秘訣」(tips_151.html)
・「パットするようにチップしてはいけない」(tips_141.html)

(December 07, 2016)

二つのグリップを使い分ける

 

'Change your grip for more finesse'
by editors of 'Golf Magazine' ('Golf Magazine,' September 2014)

「仲間をアウトドライヴするのは小気味のいいものだが、それがいいスコアに直結する訳ではない。次のホールでは、ターゲットに向かってボールをシャープに打つ者がオナーとなることだろう。

考えても御覧。一般ゴルファーがパーを失う打数の約75%は100ヤード以内で発生する。100ヤード以内はまた60%のショットが必要な領域である。われわれの大多数にとって、グリーン周りはドライヴァーの飛距離よりずっと重要なのだ。

あなたのショートゲーム全体を向上させるのは簡単だ。ウィーク・グリップにするのだ。ウィーク・グリップはインパクト・ゾーンで手の動きを抑制し、それがクラブのロフトを最大限活かし、ストレートなボール軌道とよりよい距離のコントロールに繋がる。

クラブを握る際、左右の手の"V"の字がどちらも顎を指すようにする。グリップを見下ろした時、左手のナックルは二つ以上見えてはいけないし、右手はハンドルの真上にあるべきだ。数週間このグリップを練習してから、本番に臨むように」

[grips]
 ニュートラル
   ストロングウィーク

 

 

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今まで私の(パッティングを除く)スウィングのグリップの型は一つでした。ドライヴァーからチッピングまで全て同一。しかし、考えを変えました。

ドライヴァーを打つ時は、私は左右の手のVがほぼ右肩を指すニュートラル・グリップです。左手のナックルは二つ見えますが、右手のナックルは一つ。ドライヴァーを打つ場合、私のレヴェルではフェアウェイのどこかへ真っ直ぐ飛べばよしとし、飛距離を優先します。

しかし、ハイブリッドやアイアンになると「どこかへ真っ直ぐ飛べばいい」などと甘ったるいことは云っていられません。ピン傍とは云わずとも、ピンの右か左、どっちか狙ったところに乗せたい。で、最近気づいたのですが、グリーンに近づけば近づくほどニュートラルではなく、ウィーク・グリップの方が成功率が高いのです。左手のナックルは二つで同じですが、右手のナックルは二つ見えるようにします。

二つのグリップを使い分けるなんて、聞いたことない…とおっしゃる?ドライヴァーは上昇軌道のスウィング、アイアンは下降軌道のスウィング…と、われわれはその二つのスウィングを使い分けています。スウィングでさえ変えるのなら、ドライヴァーとアイアン双方でグリップも変わっておかしくない理屈です。

私の場合、ウィークにしたグリップによって、二打目以降がグリーンにまっしぐらに飛ぶ確率が増えています。

【おことわり】画像はwww.radfordgolf.co.za/にリンクして表示させて頂いています。

(December 07, 2016)

オープン・フェースの研究

 

市営ゴルフ場のNo.3(270ヤード)パー4での、私のティー・ショットは何故か右方向へ飛び、残り75ヤードぐらいになります。このホールのグリーンには左右どちらにもバンカーが仕掛けられており、花道は中央にほんの5ヤードぐらいの幅しかありません。当然、私の残り75ヤードもバンカー越えになります。

75ヤードは私の場合、ギャップ・ウェッジを1/2インチ(1.25センチ)ほど短く持ったフル・スウィングですが、これだと大体グリーン中央のピンを越えて左奥のエッジに転げ出てしまいます。かといって、もっと短く(1インチ=2.5センチ)持つとグリーンに届かず砂風呂入浴。ギャップ・ウェッジを精一杯長く握ってフェースをオープンにしても同じで、バンカー突入は変わりません。フェースをオープンにすることがこんなにも飛距離を短くするものとは知りませんでした。10ヤード近く減ってしまうのですから。

ある夜、ベッドの上でこのホールのことを考えていました。「ピッチング・ウェッジを使ったらどうなるのだろう?」今まで、ギャップ・ウェッジに固執していたのですが、10ヤード不足するのならピッチング・ウェッジで丁度いいのではないか?

翌日早速試してみました。ピッチング・ウェッジを1インチ(2.5センチ)短く持ってオープン・フェースにすると、グリーン中央でボールが停止しました。やった!バンカーは脅威ではなくなりました。ピッチング・ウェッジを1インチ短く持つと、計算上はギャップ・ウェッジのフル・スウィングの飛距離と同じになる筈ですが、ロフトの違いが飛距離とランに影響するのでしょうか(この辺の事情はよく分りません)。

ある日のNo.7(160ヤード)パー3。私のティーショットはピンハイの左15ヤードへ。そこからピンへは上ってピンから向こうへは下りになるという過酷な状況。上りなので正味15ヤードとして打ったのではショートし、ボールは戻って来てしまいそうです。20ヤードとして打つと対面(といめん)へごろんごろん転がる大幅オーヴァーが恐い。で、フェースを少しオープンにして20ヤードとしてチップ。ボールはピン傍25センチでぴたりと停止。やんやの喝采を浴びました。

(December 07, 2016)

もの凄く短いピッチ

 

ボールがグリーンまで数ヤードのところにこぼれた。パターで転がすには草が長過ぎる。さあ、どうする?執筆は女性インストラクターKellie Stenzel(ケリィ・ステンツェル)。'Golf Magazine'誌編纂のショートゲーム大全より。

'Golf Magzine: The Best Short Game Instruction Book Ever!'
edited by David DeNunzio (Time Inc. Home Entertainment, 2009, $32.00)

「正解は、もの凄く短いピッチングなのだが、これを達成するために必要なのは、大方が考えるような力技ではなく、スウィングの長さなのだ。それも、ごく当たり前の動作を用いて。

1) 先ずクラブを短く持つ。右手はシャフトに触れるほどに。これはサンドウェッジやロブ・ウェッジの長さをごく短くし、ボールに与えるパワーを自動的に減少させる。

2) 両足をほとんどくっつけるスタンスで、ボール位置はその中央。この超狭いスタンスは、あなたの腰の柔軟性を奪い、回転を制限し、特に意識しなくてもバックスウィングを短くする。以上のセットアップによってクラブが遠くに行くことはないので、通常のテンポを用いることが出来る。

3) スムーズな加速でダウンスウィングを行い、ウェッジのソールでボールの真下の地面を『ドン!』と打つ。ボールはソフトかつクリーンに舞い上がり、あなたが必要とする短い距離を飛ぶ」

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私の「ピッチングとチッピングの距離調節・完全版」(tips_169.html)は、大体において(方向はともかく)距離だけはぴったりに打てます。しかし、10ヤードのチップが一番難しい。こういう短いバックスウィングではリズムが取り難く、バックスウィングの幅が行き当たりばったりになり易い。このショットは歯切れ良く打たなければいけないのですが、それには勢いが必要なので僅かながらパワーが絡んで来ます。力加減というのは最も曖昧なものです。そんなこんなで10ヤードのチップは難題となっていました。

 

 

しかし、上のtipのように、シャフトを短く持ち、超狭いスタンスで「ドン!」と打てば、(私の場合、60°ウェッジだと)5ヤードぽんと飛び、5ヤード転がって停止…と、うまくいくかも知れないと思いました。

「ドン!」に当たる原文は"thump"という言葉が使われていて、これはバンカー・ショットで聞かれるべき音と同じなので「ドン!」で間違いありません。しかし、私が試したところ、「ドン!」では力が入り過ぎて15ヤードになってしまいます。「ドン!」ではなく「トン!」と打つのが正解です。これなら飛行+ランが10ヤードで停止します。

絶対に10ヤード以上にしたくない時は、多少フェースをオープンにするという手がありますが、砲台グリーンに寄せる場合、斜面に着地させるとベラボーにショートしてしまいます。本来、ピンがエッジから5ヤード…などという状況がこのテクニックの出番ですが、それが砲台(あるいは急な上り勾配)だとかなり成功率が低いので、要注意。

(December 07, 2016)



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